Beyond The Black - Horizons
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Beyond The Black - Horizons (2020)

近年のバンドやアルバムについての経緯や来歴を調べようと思ってもアーティストオフィシャルサイトか、販売サイトの広告文句しか見当たらず、他には精々SNSの呟きがあれば御の字とも言わん程度しかリスナーのナマの意見は見られず、アマゾンや他のサイトでのユーザーレビューがそれに近しいコメントになるが、自分的にはもうちょっと深掘った感想や事実関係や噂話なども知りたいと思うので、どこかのブログなりアルバムレビューなりが見られると良いのだが、それも叶わず。以前はそういうコメントがウェブ上でも割とたくさん見られたが、コミュニケーションが簡易になった分、書き捨てソースも多くなり、アーカイブとして残されない、探せなくなり、空気のように意見が流されていく、本来は不特定多数の人に発信していたのが、いつしか限られた人の限られたタイミングでしか見られない発信に変わっている始末。データベースとしてのWeb活用をサブカルやアングラにまで求めるのは酷だろうか、自分的にはそういう文化の方が残しやすいのがWebベースだと思っていたが、よく分からない。
Beyond The Blackは2015年にアルバムデビューして今に至るが、その頃のボーカリスト=バンドのキーパーソンであるジェニファー・ハーベンは当時20歳前後で、その才能を早くも周囲に出しまくっており、あのWackenフェスティバルに早々に参加したり、大物バンドやプロデューサー、アーティストからも評価されて充実した活動を行い、更に近年ではタレント的にボーカリストとして幅広く活動している才女。自分が彼女の凄さを実感したのはここ最近で、YouTubeであれこれ探している時にSabatonの「To Hell And Back」をアコースティックバージョンでカバーしている動画を見たからで、これ自体はそうか、という程度だったが、他にも類似した動画を見ていると彼女がピアノも弾きチェロも弾き、ギターも弾き、フルートまで吹き、歌も歌っている姿を見て、もしかしたらとんでもない才女じゃないかと気になったのが最初。どうやらかなりの英才音楽教育を受けた経歴があるらしいが、とある時にメタルに衝撃を受けたらしく、そっちにシフトして目立つ才能を開花させていったらしい。なるほど、だから歌も巧いし楽曲もどこかの何かに似てはいるもののその隙間を縫ったニッチながらも個性的な世界観を展開しているとはアルバムを聴いて気づいた次第。
アルバム「Horizons」は2020年にリリースされているが、既に5枚目のアルバムで、まだ以前のアルバムを聞けていないので本作だけを聴いた印象だが、単純に聴きやすくキャッチーでメロディアスながらも民族的旋律も持ち込んでいる節も見受けられ、ヘヴィメタルと言いつつもWithin Temptationで聴ける歌謡メロディチックな柔らかさを持っている。この手の作風も既にゴシック・メタル、シンフォニックメタルから飛び出して、ひとつの女性ボーカルメタルと括られるだろうが、中でも楽曲のセンスと出来映え、飽きさせない音作りで起伏に富んだ音楽性が突出しているのか、久々にこの手の音でハマった。初めてゴシック・メタル系の世界を聴いた時以来、この手のはどれを聴いてても結局は同じような作風が続くから飽きてしまったが、Beyond The Blackはそこに民謡性のセンスが入っているからSabatonのセンスに近いものがあるようだ。しかもBeyond The Blackはドイツ出身のバンドと言うから驚く。大抵のドイツのバンドならもっと硬質感がある印象だが、そのニュアンスが微塵も感じられず、こなれた抜けの良いメロディが飛び出してきて、アレンジも堅苦しくないのだから自分の感覚の古さを感じる、のか彼女が新しいのか。加えて書けば幾つかの曲では近年この界隈で出て来ている80sユーロビートとの融合らしきリズムも取り入れているし、アマランサのエリーザ嬢とのジョイントも果たしているので、若さもあって新しいものをどんどんと取り入れて自分の音楽性を広げている姿が聴ける。こうなると過去のアルバムを順番に聴いてその遍歴をたっぷりと味わいたくなる。以前のアルバムを眺めているとジャケットは見たことあったが、メタルに寄せたデザインだったからほぼ意識しなかったが、今作は目一杯ジェニファー・ハーベン主役を打ち出した扱いに切り替えての売り出し方で、この方が分かりやすいとは言える。ただバンドメンバーは少々複雑な思いにもなるのだろうと勝手な想像。
アルバム冒頭からキャッチーな曲で始まり、歌謡メロディ、ユーロビート系にメロディのはっきりしたバラードチックなスタイル、ストリングスと融合したシンフォニックスタイルのメタルに勢い良く元気で快活なヘヴィサウンド、似たような曲に思われつつも実は全てが異なるバリエーション豊か、どころか相当幅広いサウンドアレンジを施した曲が詰め込まれているので飽きない。恐ろしい事に中盤以降もそのメリハリ感が凄くてダレる事なく一気に楽しめるばかりではなく、もう一度聴きたくなるし、どういう骨格で作られてるのかも気になり、結局はジェニファー・ハーベンの歌声の円やかさと歌の巧さが惹き付けているのは間違いないと気付き、今度はどこが良いのか、コーラスの使い方やはっきりした声質と歌声も当然ながら、究極はセンスの良さだろうと。この手のサウンドには割と飽き飽きしていた部分があったが、こういう本物、少なくとも自分的にマッチするバンドや歌手が出てくるのは面白いし、色々聴き漁っていて嬉しくなる出会い。女性歌もの好きな方、オススメです。

近年のバンドやアルバムについての経緯や来歴を調べようと思ってもアーティストオフィシャルサイトか、販売サイトの広告文句しか見当たらず、他には精々SNSの呟きがあれば御の字とも言わん程度しかリスナーのナマの意見は見られず、アマゾンや他のサイトでのユーザーレビューがそれに近しいコメントになるが、自分的にはもうちょっと深掘った感想や事実関係や噂話なども知りたいと思うので、どこかのブログなりアルバムレビューなりが見られると良いのだが、それも叶わず。以前はそういうコメントがウェブ上でも割とたくさん見られたが、コミュニケーションが簡易になった分、書き捨てソースも多くなり、アーカイブとして残されない、探せなくなり、空気のように意見が流されていく、本来は不特定多数の人に発信していたのが、いつしか限られた人の限られたタイミングでしか見られない発信に変わっている始末。データベースとしてのWeb活用をサブカルやアングラにまで求めるのは酷だろうか、自分的にはそういう文化の方が残しやすいのがWebベースだと思っていたが、よく分からない。
Beyond The Blackは2015年にアルバムデビューして今に至るが、その頃のボーカリスト=バンドのキーパーソンであるジェニファー・ハーベンは当時20歳前後で、その才能を早くも周囲に出しまくっており、あのWackenフェスティバルに早々に参加したり、大物バンドやプロデューサー、アーティストからも評価されて充実した活動を行い、更に近年ではタレント的にボーカリストとして幅広く活動している才女。自分が彼女の凄さを実感したのはここ最近で、YouTubeであれこれ探している時にSabatonの「To Hell And Back」をアコースティックバージョンでカバーしている動画を見たからで、これ自体はそうか、という程度だったが、他にも類似した動画を見ていると彼女がピアノも弾きチェロも弾き、ギターも弾き、フルートまで吹き、歌も歌っている姿を見て、もしかしたらとんでもない才女じゃないかと気になったのが最初。どうやらかなりの英才音楽教育を受けた経歴があるらしいが、とある時にメタルに衝撃を受けたらしく、そっちにシフトして目立つ才能を開花させていったらしい。なるほど、だから歌も巧いし楽曲もどこかの何かに似てはいるもののその隙間を縫ったニッチながらも個性的な世界観を展開しているとはアルバムを聴いて気づいた次第。
アルバム「Horizons」は2020年にリリースされているが、既に5枚目のアルバムで、まだ以前のアルバムを聞けていないので本作だけを聴いた印象だが、単純に聴きやすくキャッチーでメロディアスながらも民族的旋律も持ち込んでいる節も見受けられ、ヘヴィメタルと言いつつもWithin Temptationで聴ける歌謡メロディチックな柔らかさを持っている。この手の作風も既にゴシック・メタル、シンフォニックメタルから飛び出して、ひとつの女性ボーカルメタルと括られるだろうが、中でも楽曲のセンスと出来映え、飽きさせない音作りで起伏に富んだ音楽性が突出しているのか、久々にこの手の音でハマった。初めてゴシック・メタル系の世界を聴いた時以来、この手のはどれを聴いてても結局は同じような作風が続くから飽きてしまったが、Beyond The Blackはそこに民謡性のセンスが入っているからSabatonのセンスに近いものがあるようだ。しかもBeyond The Blackはドイツ出身のバンドと言うから驚く。大抵のドイツのバンドならもっと硬質感がある印象だが、そのニュアンスが微塵も感じられず、こなれた抜けの良いメロディが飛び出してきて、アレンジも堅苦しくないのだから自分の感覚の古さを感じる、のか彼女が新しいのか。加えて書けば幾つかの曲では近年この界隈で出て来ている80sユーロビートとの融合らしきリズムも取り入れているし、アマランサのエリーザ嬢とのジョイントも果たしているので、若さもあって新しいものをどんどんと取り入れて自分の音楽性を広げている姿が聴ける。こうなると過去のアルバムを順番に聴いてその遍歴をたっぷりと味わいたくなる。以前のアルバムを眺めているとジャケットは見たことあったが、メタルに寄せたデザインだったからほぼ意識しなかったが、今作は目一杯ジェニファー・ハーベン主役を打ち出した扱いに切り替えての売り出し方で、この方が分かりやすいとは言える。ただバンドメンバーは少々複雑な思いにもなるのだろうと勝手な想像。
アルバム冒頭からキャッチーな曲で始まり、歌謡メロディ、ユーロビート系にメロディのはっきりしたバラードチックなスタイル、ストリングスと融合したシンフォニックスタイルのメタルに勢い良く元気で快活なヘヴィサウンド、似たような曲に思われつつも実は全てが異なるバリエーション豊か、どころか相当幅広いサウンドアレンジを施した曲が詰め込まれているので飽きない。恐ろしい事に中盤以降もそのメリハリ感が凄くてダレる事なく一気に楽しめるばかりではなく、もう一度聴きたくなるし、どういう骨格で作られてるのかも気になり、結局はジェニファー・ハーベンの歌声の円やかさと歌の巧さが惹き付けているのは間違いないと気付き、今度はどこが良いのか、コーラスの使い方やはっきりした声質と歌声も当然ながら、究極はセンスの良さだろうと。この手のサウンドには割と飽き飽きしていた部分があったが、こういう本物、少なくとも自分的にマッチするバンドや歌手が出てくるのは面白いし、色々聴き漁っていて嬉しくなる出会い。女性歌もの好きな方、オススメです。
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