Accept - Too Mean To Die
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Accept - Too Mean To Die (2021)

国を跨いだメンバーで構成されるバンドとは果たしてどのように成り立っていくのだろうか。以前から多国籍バンドと言われるバンドも見受けられたが、その頃はたまたまアメリカや英国にメンバーがいたからそのまま組んだら多国籍人種が揃った、と言うようなバンドだったので特に活動に支障は無かったと思われるが、近年の、もしくはそれ以前でもあっただろうが、ホントに異なる国々に住んでいるメンバーが知り合うのもともかく、共にバンドを組んで活動するのも頼もしいが実際はどうしているのかもやや気になる。今の時代ならネットを使ってのコミュニケーションは分かるし、作品を生み出すという意味ではファイルのやり取りで何とでもなりそうな気もするが、セッションから生まれる偶発的なバンドアンサンブルや刺激的な瞬間の録音、バンドの一体感による熱量の高いレコーディングのような姿は望めない。そういった音を求めるのでもないので特に問題ないのだろうか、とも言い切れないので合宿のように期間を決めてそういったバンド活動がしっかり出来る時間を設けるに違いない。ライブに関してはリハーサル時から当然メンバー一体となって取り組むだろうし、そう考えればさほど難しくないようにも思うので、バンドマンは随分昔から時代の最先端の活動をしていたのかもしれない。
今やドイツ人とアメリカ人の融合バンドになってきているAcceptは既にオリジナルメンバーがギターのウルフ・ホフマンしか残っていない、悪く言えば終わったバンドのハズだ。ところが2009年頃からアメリカ人ボーカリストのマーク・トーニロと出会っての活動からはこれでもかとばかりに充実した活動を行っており、アルバムも何枚もリリースしているし、ライブも見れば素晴らしい出来映えの伝説的なショウまで繰り広げている始末。そしてAcceptの看板に傷をつける事なく良質で硬質なアルバムや楽曲を続々とリリースしているのでその年齢やキャリアの長さを気にする事なく純然たるヘヴィメタルバンドとして楽しめる。それこそ80年代のヘヴィメタルそのままにスタンダードな展開、ギターのリフのフックも想像通りだし、歌メロにしてもギターソロにしても曲展開にしても何ら違和感なく予想通りに鳴ってくれる、ある種何も変わらないままの姿を見せてくれるが、それでこそAccept。自分でもそこまで気に入って聴き続けているバンドではないが、聴く度にそのヘヴィさや硬質感、想像を裏切らない展開も含めて馴染んでいる部分が多く、それこそ80年代の頃に聴いていたからかもしれないが、その頃と比べるとかなり洗練され、ヘヴィになりコマーシャルになったとも言える。そして今のアクセプトはなによりもマーク・トーニロのウドばりの歌声がリスナーを納得させてしまうパワーを持ち合わせている事だろう。あのダミ声で歌える人がアメリカにいようとはウルフ・ホフマンも思わなかっただろうし、しかもその冠がなくとも素直にボーカリストとしてユニークな存在で特徴個性を持った素晴らしいシンガーだ。
2021年にリリースされたアルバム「Too Mean To Die」はオープニングの静かな調べから「Zombie Apocalypse」のフックの効いたリフ展開はついついアタマを振りたくもなる展開で、アルバムタイトルと最初のシングル・カットともなった「Too Mean To Die」こそ本作の目玉的作品。スピーディでキレのあるリフからアクセプトらしい怒涛のパワーが叩きつけられ、この辺りはジューダス・プリーストにも通じる世界感とも思える格好良いナンバー。ガラリと変わって「Overnight Sensation」は80年代風メタルそのままのようなリフとリズムで攻め立てつつコーラスワークの展開はなるほどアクセプトと頷いてしまうし、その後のギターソロもトリッキーに3人のギタープレイヤーを存分に活かしたフレージングが印象的。そしてまたしても速めのビートで突き進める「No Ones Master」もアクセプトらしい重鎮のコーラスがサビに当てられた印象的な曲。続いてはシングルカット第二弾ともなったバラード的楽曲の「The Undertaker」で聴かせるボーカルを歌い、徐々に盛り上げていくミドルテンポ風味な音色が心地良く、ギターソロもメロディアスに練られた良作。「Sucks To Be You」はミドルテンポでコーラスワークとややキャッチーなメロディを武器にしたヨーロッパ的なサウンドとも言えるが、この手の曲を歌うアメリカ人も珍しいような気がする。そしてギターの速弾きソロがイントロともなっている「Symphony Of Pain」はいきなり耳を惹き付けられる期待のスピードチューンで裏切らない展開が正にヘヴィメタルそのものと言った感じ。続いてはもう一曲のバラード「 The Best Is Yet to Come」で、こちらは随分とスタンダードにメタルバンドのバラードソングと言った特に捻りもなく予想通りに盛り上がりギターソロも繰り広げられて感動を誘う展開。素晴らしいのは当然素晴らしいが予想通りすぎるか。更に少々チャレンジ的なシャッフルリズムで始まる「How Do We Sleep」になると、ややアクセプト風味が薄れるが、コーラスワークや仰々しいサウンドが鳴るあたりはさすが大御所と頷いてしまうばかりでこちらもギターソロが歌っているメロディアスさが職人芸的。スピーディで忙しいリズムから開始される「Not My Problem」はライブで映えそうな静と動が組み合わさった曲でストップ&ゴーからのシャウトとギターソロと王道プレイを存分に聴ける詰め込みまくった曲。アルバム最後はこれもまた最後に相応しい堂々とした大らかなリズムで奏でられる「Samson And Delilah」。これまでのパワフルな作品に一区切りを付けての最後らしいインストでギターを存分に鳴らしてアルバムを終えている。
正直どの曲もどの曲もアクセプトらしいと言えばそうだし、変わらないと言えばそうだし、スタンダードなヘヴィメタルそのままでもあるが、だからこそアクセプトへの安心感があるのも事実で、それがヘヴィメタルの世界。何枚も何枚も立て続けには聞けないがたまにじっくり聴いているとしっかりしていてグラつかず、期待通りに聴かせてくれるのもアクセプト。

国を跨いだメンバーで構成されるバンドとは果たしてどのように成り立っていくのだろうか。以前から多国籍バンドと言われるバンドも見受けられたが、その頃はたまたまアメリカや英国にメンバーがいたからそのまま組んだら多国籍人種が揃った、と言うようなバンドだったので特に活動に支障は無かったと思われるが、近年の、もしくはそれ以前でもあっただろうが、ホントに異なる国々に住んでいるメンバーが知り合うのもともかく、共にバンドを組んで活動するのも頼もしいが実際はどうしているのかもやや気になる。今の時代ならネットを使ってのコミュニケーションは分かるし、作品を生み出すという意味ではファイルのやり取りで何とでもなりそうな気もするが、セッションから生まれる偶発的なバンドアンサンブルや刺激的な瞬間の録音、バンドの一体感による熱量の高いレコーディングのような姿は望めない。そういった音を求めるのでもないので特に問題ないのだろうか、とも言い切れないので合宿のように期間を決めてそういったバンド活動がしっかり出来る時間を設けるに違いない。ライブに関してはリハーサル時から当然メンバー一体となって取り組むだろうし、そう考えればさほど難しくないようにも思うので、バンドマンは随分昔から時代の最先端の活動をしていたのかもしれない。
今やドイツ人とアメリカ人の融合バンドになってきているAcceptは既にオリジナルメンバーがギターのウルフ・ホフマンしか残っていない、悪く言えば終わったバンドのハズだ。ところが2009年頃からアメリカ人ボーカリストのマーク・トーニロと出会っての活動からはこれでもかとばかりに充実した活動を行っており、アルバムも何枚もリリースしているし、ライブも見れば素晴らしい出来映えの伝説的なショウまで繰り広げている始末。そしてAcceptの看板に傷をつける事なく良質で硬質なアルバムや楽曲を続々とリリースしているのでその年齢やキャリアの長さを気にする事なく純然たるヘヴィメタルバンドとして楽しめる。それこそ80年代のヘヴィメタルそのままにスタンダードな展開、ギターのリフのフックも想像通りだし、歌メロにしてもギターソロにしても曲展開にしても何ら違和感なく予想通りに鳴ってくれる、ある種何も変わらないままの姿を見せてくれるが、それでこそAccept。自分でもそこまで気に入って聴き続けているバンドではないが、聴く度にそのヘヴィさや硬質感、想像を裏切らない展開も含めて馴染んでいる部分が多く、それこそ80年代の頃に聴いていたからかもしれないが、その頃と比べるとかなり洗練され、ヘヴィになりコマーシャルになったとも言える。そして今のアクセプトはなによりもマーク・トーニロのウドばりの歌声がリスナーを納得させてしまうパワーを持ち合わせている事だろう。あのダミ声で歌える人がアメリカにいようとはウルフ・ホフマンも思わなかっただろうし、しかもその冠がなくとも素直にボーカリストとしてユニークな存在で特徴個性を持った素晴らしいシンガーだ。
2021年にリリースされたアルバム「Too Mean To Die」はオープニングの静かな調べから「Zombie Apocalypse」のフックの効いたリフ展開はついついアタマを振りたくもなる展開で、アルバムタイトルと最初のシングル・カットともなった「Too Mean To Die」こそ本作の目玉的作品。スピーディでキレのあるリフからアクセプトらしい怒涛のパワーが叩きつけられ、この辺りはジューダス・プリーストにも通じる世界感とも思える格好良いナンバー。ガラリと変わって「Overnight Sensation」は80年代風メタルそのままのようなリフとリズムで攻め立てつつコーラスワークの展開はなるほどアクセプトと頷いてしまうし、その後のギターソロもトリッキーに3人のギタープレイヤーを存分に活かしたフレージングが印象的。そしてまたしても速めのビートで突き進める「No Ones Master」もアクセプトらしい重鎮のコーラスがサビに当てられた印象的な曲。続いてはシングルカット第二弾ともなったバラード的楽曲の「The Undertaker」で聴かせるボーカルを歌い、徐々に盛り上げていくミドルテンポ風味な音色が心地良く、ギターソロもメロディアスに練られた良作。「Sucks To Be You」はミドルテンポでコーラスワークとややキャッチーなメロディを武器にしたヨーロッパ的なサウンドとも言えるが、この手の曲を歌うアメリカ人も珍しいような気がする。そしてギターの速弾きソロがイントロともなっている「Symphony Of Pain」はいきなり耳を惹き付けられる期待のスピードチューンで裏切らない展開が正にヘヴィメタルそのものと言った感じ。続いてはもう一曲のバラード「 The Best Is Yet to Come」で、こちらは随分とスタンダードにメタルバンドのバラードソングと言った特に捻りもなく予想通りに盛り上がりギターソロも繰り広げられて感動を誘う展開。素晴らしいのは当然素晴らしいが予想通りすぎるか。更に少々チャレンジ的なシャッフルリズムで始まる「How Do We Sleep」になると、ややアクセプト風味が薄れるが、コーラスワークや仰々しいサウンドが鳴るあたりはさすが大御所と頷いてしまうばかりでこちらもギターソロが歌っているメロディアスさが職人芸的。スピーディで忙しいリズムから開始される「Not My Problem」はライブで映えそうな静と動が組み合わさった曲でストップ&ゴーからのシャウトとギターソロと王道プレイを存分に聴ける詰め込みまくった曲。アルバム最後はこれもまた最後に相応しい堂々とした大らかなリズムで奏でられる「Samson And Delilah」。これまでのパワフルな作品に一区切りを付けての最後らしいインストでギターを存分に鳴らしてアルバムを終えている。
正直どの曲もどの曲もアクセプトらしいと言えばそうだし、変わらないと言えばそうだし、スタンダードなヘヴィメタルそのままでもあるが、だからこそアクセプトへの安心感があるのも事実で、それがヘヴィメタルの世界。何枚も何枚も立て続けには聞けないがたまにじっくり聴いているとしっかりしていてグラつかず、期待通りに聴かせてくれるのもアクセプト。
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