T.Rex - Electric Warrior



一般的に「電気の武者」「スライダー」「タンクス」ってのはマーク・ボランの最全盛期の作品ってことでかなり好評を博していることは有名な話。そして実際に聴いてみると圧倒的にこの辺の作品のレベルが高くって、しかも聴きやすいんだな。軽快なブギとジョン・レノンのような切ない優しさを持ち合わせたアルバムという印象が「電気の武者」。2曲目の「Cosmic Dancer」が好きでねぇ…、凄く優しくて心に染み入る曲。冒頭に書いた初夏には似合わない曲なんだけど聴いてたらそれもいいなぁ~って(笑)。もちろん続いて流れてくる軽快な「jeepstar」でまたまた気分も帳消しになって軽快にノレるんだけどね。うん、このアルバムってやっぱ凄いな…。超有名な「Get It On」はこのアルバムに収録されているんだけどアルバム単位で聴くとそんなに傑出した作品には聞こえない、ってことは他の楽曲もかなり優れていたってことだ。静かな「Girl」もまた優しさを感じるし、不思議な雰囲気を持つ「Life A Gas」も名曲だよ。そんな一連のマーク節をたっぷりと詰め込んだ傑作。
ただし何故か何回も何回も一生懸命聴けないのもT-Rexの哀しい性。多分軽すぎるんだろうなぁ、それこそが彼等の信条でもあるので好きな人は凄く好きだと思う。今となってはマークのルックスとか甘さってのはあまり全面に打ち出されてこないのでどうしてもサウンドで聴いてしまうからかな。かっこいいんだけどね、ちょっとハマりこめない、でもたまに聴くと偉く新鮮な音でこういう音を出すバンドって未だに出てきていないんじゃない?そう言うところがオリジナリティで凄いよな。なんてったって初期はパーカッションと二人で出てくるんだもん。元々アングラの人だから変わったこと平気なんだよね。売れたのが不思議だったりする人のはず。グラムロックって言ってもちょっと違うかなぁ~と思うけどね。
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