Galen Ayers - Monument
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Galen Ayers - Monument (2018)

時代が一巡りしてから改めてまた聴き直すアルバム、情報過多の時代だからこそ調べ直せる、知らなかった細部情報や忘れてしまっている情報もちょっと歩けばライブラリの中から引っ張り出せるのかもしれないが、それもしないでMacの中と画面からその情報を引っ張り出す習性。すっかりレコードを流す、CDを聴く、という習慣から離れてしまい、その代償がライナーや細部情報の欠如。昔はそれらを眺めながらじっくり聴いて記憶したり調べた気になっていたものが、今じゃこの体たらく。だからと言って情報不足でもなく、むしろ改めて知る情報も多いので悪くはないが、それもこれも時代の成せる業。時代が一周りするとまた往年のミュージシャンの次の世代やその次の世代もシーンに登場したり、あのビデオに出ていたあの子がこの親父になってるのか、と様々な驚きを味わう事もあり、時間はきちんと流れて人を成長させている。それに比べて自分はどうだろう、今でも往年のロックを聴いては感動してここに記し続けているだけではないか、彼らが二十代の頃の音楽に今でも想いを馳せて聴いて感動しているだけで良いのか、と自問自答もしながらそれでもやはりその素晴らしさを堪能している日々。一方でその次世代達は自身の親の職業、ミュージシャンになる子供達もそこまで多くはないのか、才能は遺伝しないからか、思ったほど親子ミュージシャンは多くないと思う。
その中で先日結構驚いた出会いが、このGalen Ayers。名前からしてもこの流れからしても分かるとは思うがKevin Ayersの三女らしい。年代を考えると随分と年を経過してから出来た子なのかと不思議にすら思うが、多分30才は過ぎているのだろう。もっとも女性の年齢を気にするなどは失礼も甚だしいのでさほど意味は無いとして、そのケヴィン・エアーズの愛娘のギャレンは少々前からユニットでシーンに登場したりもしていたらしいが、まるで知らず。先日ケヴィン・エアーズ関連に面白そうな発掘アイテムでもなかろうかと探していたら見つけたので驚きながらも、その生い立ちと音楽性に興味が湧いたので聴いていた。ボヘミアン気質でそんな暮らしをしていたケヴィン・エアーズの浮遊した中で育った子の創り出す音楽だから、案の定無国籍的でフワフワしている。アルバムは2018年にリリースされた「Monument」で、ほぼセルフプロデュースで一人芝居的に演奏されている作品。概ねアコギ中心の弾き語り歌い上げアルバムだが、どこの何と言うような作風でもなく、暗くもないし明るくもなく、どこか地中海的でもなければボサノバ的でもない、正しく無国籍な音が紡ぎ出されている不思議なサウンド。そこまで意識しなくても単純にソフトに歌い上げるアコースティック調の美しき女性の作品として捉えれば面白く聴けるだろうか、決してケヴィン・エアーズの作風やセンスが入っているワケでもないが、聴く側の意識的にはそれをどこかに探してしまうのも酷な話。
日本盤のボーナストラックにはケヴィン・エアーズの生前にギャレンが一緒にレコーディングしようと提案して実現した親子共演シングルの「Girl on a Swing」も収録されており、ジャケットがまだ子供の頃のギャレンと大人になってからのパパとのショットと涙するが、歌の方もギャレン作で作風は当然彼女の風味でアレンジも然りだが、所々で歌われるケヴィン・エアーズの渋い歌声が愛情溢れておりどこか涙する。ちなみにギャレンがどういう理由からかケヴィン・エアーズとよくジョイントしていた英国フォークの女帝とも言われる、ブリジット・セント・ジョンとケヴィンの「May I?」を一緒に歌っている演奏も残されていたりするので感慨深く見てしまう。本人の作風と才能だけではなかなか注目されにくい音楽スタイルだが、少しでも話題があり、聴いてみればまるで悪くなくむしろ興味を持って接していく事もあるので、このような次世代ミュージシャンを追ってみるのも面白い。

時代が一巡りしてから改めてまた聴き直すアルバム、情報過多の時代だからこそ調べ直せる、知らなかった細部情報や忘れてしまっている情報もちょっと歩けばライブラリの中から引っ張り出せるのかもしれないが、それもしないでMacの中と画面からその情報を引っ張り出す習性。すっかりレコードを流す、CDを聴く、という習慣から離れてしまい、その代償がライナーや細部情報の欠如。昔はそれらを眺めながらじっくり聴いて記憶したり調べた気になっていたものが、今じゃこの体たらく。だからと言って情報不足でもなく、むしろ改めて知る情報も多いので悪くはないが、それもこれも時代の成せる業。時代が一周りするとまた往年のミュージシャンの次の世代やその次の世代もシーンに登場したり、あのビデオに出ていたあの子がこの親父になってるのか、と様々な驚きを味わう事もあり、時間はきちんと流れて人を成長させている。それに比べて自分はどうだろう、今でも往年のロックを聴いては感動してここに記し続けているだけではないか、彼らが二十代の頃の音楽に今でも想いを馳せて聴いて感動しているだけで良いのか、と自問自答もしながらそれでもやはりその素晴らしさを堪能している日々。一方でその次世代達は自身の親の職業、ミュージシャンになる子供達もそこまで多くはないのか、才能は遺伝しないからか、思ったほど親子ミュージシャンは多くないと思う。
その中で先日結構驚いた出会いが、このGalen Ayers。名前からしてもこの流れからしても分かるとは思うがKevin Ayersの三女らしい。年代を考えると随分と年を経過してから出来た子なのかと不思議にすら思うが、多分30才は過ぎているのだろう。もっとも女性の年齢を気にするなどは失礼も甚だしいのでさほど意味は無いとして、そのケヴィン・エアーズの愛娘のギャレンは少々前からユニットでシーンに登場したりもしていたらしいが、まるで知らず。先日ケヴィン・エアーズ関連に面白そうな発掘アイテムでもなかろうかと探していたら見つけたので驚きながらも、その生い立ちと音楽性に興味が湧いたので聴いていた。ボヘミアン気質でそんな暮らしをしていたケヴィン・エアーズの浮遊した中で育った子の創り出す音楽だから、案の定無国籍的でフワフワしている。アルバムは2018年にリリースされた「Monument」で、ほぼセルフプロデュースで一人芝居的に演奏されている作品。概ねアコギ中心の弾き語り歌い上げアルバムだが、どこの何と言うような作風でもなく、暗くもないし明るくもなく、どこか地中海的でもなければボサノバ的でもない、正しく無国籍な音が紡ぎ出されている不思議なサウンド。そこまで意識しなくても単純にソフトに歌い上げるアコースティック調の美しき女性の作品として捉えれば面白く聴けるだろうか、決してケヴィン・エアーズの作風やセンスが入っているワケでもないが、聴く側の意識的にはそれをどこかに探してしまうのも酷な話。
日本盤のボーナストラックにはケヴィン・エアーズの生前にギャレンが一緒にレコーディングしようと提案して実現した親子共演シングルの「Girl on a Swing」も収録されており、ジャケットがまだ子供の頃のギャレンと大人になってからのパパとのショットと涙するが、歌の方もギャレン作で作風は当然彼女の風味でアレンジも然りだが、所々で歌われるケヴィン・エアーズの渋い歌声が愛情溢れておりどこか涙する。ちなみにギャレンがどういう理由からかケヴィン・エアーズとよくジョイントしていた英国フォークの女帝とも言われる、ブリジット・セント・ジョンとケヴィンの「May I?」を一緒に歌っている演奏も残されていたりするので感慨深く見てしまう。本人の作風と才能だけではなかなか注目されにくい音楽スタイルだが、少しでも話題があり、聴いてみればまるで悪くなくむしろ興味を持って接していく事もあるので、このような次世代ミュージシャンを追ってみるのも面白い。
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