Taylor Swift - evermore
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Taylor Swift - evermore (2020)

シーンに登場した時から何で知ったのか注目していたアーティストのテイラー・スウィフトだったが、あれよあれよと言う間にスターダムへとのし上がり、そもそもの音楽性や才能とは別の世界へと羽ばたき、アメリカを代表するアーティスト、と言うよりはアイドルとして君臨してしまい、ファッション界からもメディアからも、そして音楽シーンでも最先端のポップスサウンドの実験台的にアレンジを施されて、さらにルックスまでもがアメリカ的なセクシーアイコンへと変更されて一躍スーパースターそのものへ。それでも元々の才能の確かさは確実にあると分かっているので、アルバムがリリースされる度に耳にしていたし、本ブログでもちょこちょこと書いていたりするが、枚数を重ねる毎に残念感漂うアレンジばかりになり、一度聴いてオシマイ的なアルバムばかりが量産されていった。ただ、それだけの楽曲が続々と出来上がる、テイラー・スウィフトの場合は恐らくは本人作詞作曲そのままだろうとは思うので、その才能の豊かさは健在だし、多分原曲はどれもこれもフォーク一本で出来上がっているだろうと推測しているが、その才能は枯れていない。だからいつか元々のカントリーチックな作風で良い作品をリリースしてくれるだろうとは思っていた。
そして時代は2020年コロナ禍突入、そもそも世界的なアーティストだったテイラー・スウィフトですら仕事にあぶれ、と言うか本業のライブ活動は不可、メディア出演などもほぼ成り立たずと一旦リセットされたかのような世間の波に当初は驚き、どうしたものかと途方に暮れたようだが、そんな時にもいつものボーイフレンドとの時間を有意義に使い、前向きにポジティブに日々と向き合ったら数日で創作意欲に溢れてきたらしい。やはり才能ある女史だから故、ふと思い立った事はそのまま音楽作りに進んでしまうらしく、大して時間も掛からないままに楽曲の断片と歌詞が出来上がっていったようだ。そこからいつもの事務所やレーベルやレコード会社との会議もなく、単純にアーティストとして作ってみたい音を作るために目を付けていたメンツに声がけして実験的に、気軽に色々試していったらこれもまた驚くほどスムーズに事が進んだらしい。
それで一気に作り上げてしまって突然リリースされた作品が「folklore」。その美しさとこれまでのテイラー・スウィフト作品の邪魔なアレンジを一切排した美しきストレートなサウンドはこれを待ってましたとばかりに素晴らしいアルバムに仕上がっていた。当然の事ながらカントリーに戻る事もなく、きちんとポップのセンスが磨かれた今となってのテイラー・スウィフトらしいスタンスでの曲作りがそのままナチュラルに反映されてアレンジされた素直な作品として古き良きリスナーには聴きやすいアルバム。それを満足して聴いていたら、冬になり、今度もまた突然アルバムが出来たからリリースします、と唐突にツイートされて即座に出されたアルバムが本作「evermore」。アルバムジャケットからしても前作「folklore」の続編だろうとは想像に難くなかったが、今度は更に馴染みやすい楽曲群で占められているように感じる。前作とほぼ同じ作風なのでどちらがどうでもないが、恐らく前作の方が起伏に富んだ感覚が強く、今作はもう少しなだらかな印象だが、新しいテイラー・スウィフトの感性の中に、懐かしきテイラー・スウィフトの感性によるメロディラインも散りばめられ、「Long Story Short」では正にテイラー・スウィフトとばかりにニヤリとしてしまうメロディラインが素晴らしい。それに加えて、聴いていて少々妙な質感を味わうとそれは変拍子でアレンジされた楽曲で、それをさらりと歌いこなしてしまっている才覚も素晴らしい。アレンジだけで言えば、ほとんどドラムサウンドなど出てこないが、一曲だけ出てくるとものすごく違和感とアクセントになり、それが普通なのに異質感。面白い使い方で、逆に他の曲はどうなっているのかと聴き直すほどだが、とにかく美しいアルバム。
前作「folklore」にしても今作「evermore」にしても歌詞は相変わらずテイラー・スウィフトの少女趣味的側面や可愛らしい物の見方で描かれているので、そこはさすがに自分的に興味をそそらないが、そういう題材でもきちんと楽曲に反映されイマジネーションを膨らませて楽曲が書けるのは凄いし、さすがの才女と唸らされる。しかも17曲も収録されているアルバムで捨て曲が無いとは言わないが、どれもこれもイチイチ聴き応えあるから恐れ入るし、何度聴いてても深みが味わえるので、最初期のテイラー・スウィフトを渇望していたにしても更に発展したテイラー・スウィフトをここまで聴かせられるともっとこの路線から進ませたテイラー・スウィフトを聴かせてほしいとすら思う。それがどういう方向性なのか分からないが、少なくともカントリーだけでなくポップスまで、そして最先端のアレンジなのか、作風なのか、元々の楽曲のアイディアからの編集なのか見事なまでの作品。誰かが押し付けた妙なポップセンスやアレンジではなく、テイラー・スウィフト自身が信じて見つけた音楽性をそのまま進めばこんな素敵な作品が出来上がるのだから面白い。地に足着けてきちんと作品を出し続けてくれれば良いなと思う。

シーンに登場した時から何で知ったのか注目していたアーティストのテイラー・スウィフトだったが、あれよあれよと言う間にスターダムへとのし上がり、そもそもの音楽性や才能とは別の世界へと羽ばたき、アメリカを代表するアーティスト、と言うよりはアイドルとして君臨してしまい、ファッション界からもメディアからも、そして音楽シーンでも最先端のポップスサウンドの実験台的にアレンジを施されて、さらにルックスまでもがアメリカ的なセクシーアイコンへと変更されて一躍スーパースターそのものへ。それでも元々の才能の確かさは確実にあると分かっているので、アルバムがリリースされる度に耳にしていたし、本ブログでもちょこちょこと書いていたりするが、枚数を重ねる毎に残念感漂うアレンジばかりになり、一度聴いてオシマイ的なアルバムばかりが量産されていった。ただ、それだけの楽曲が続々と出来上がる、テイラー・スウィフトの場合は恐らくは本人作詞作曲そのままだろうとは思うので、その才能の豊かさは健在だし、多分原曲はどれもこれもフォーク一本で出来上がっているだろうと推測しているが、その才能は枯れていない。だからいつか元々のカントリーチックな作風で良い作品をリリースしてくれるだろうとは思っていた。
そして時代は2020年コロナ禍突入、そもそも世界的なアーティストだったテイラー・スウィフトですら仕事にあぶれ、と言うか本業のライブ活動は不可、メディア出演などもほぼ成り立たずと一旦リセットされたかのような世間の波に当初は驚き、どうしたものかと途方に暮れたようだが、そんな時にもいつものボーイフレンドとの時間を有意義に使い、前向きにポジティブに日々と向き合ったら数日で創作意欲に溢れてきたらしい。やはり才能ある女史だから故、ふと思い立った事はそのまま音楽作りに進んでしまうらしく、大して時間も掛からないままに楽曲の断片と歌詞が出来上がっていったようだ。そこからいつもの事務所やレーベルやレコード会社との会議もなく、単純にアーティストとして作ってみたい音を作るために目を付けていたメンツに声がけして実験的に、気軽に色々試していったらこれもまた驚くほどスムーズに事が進んだらしい。
それで一気に作り上げてしまって突然リリースされた作品が「folklore」。その美しさとこれまでのテイラー・スウィフト作品の邪魔なアレンジを一切排した美しきストレートなサウンドはこれを待ってましたとばかりに素晴らしいアルバムに仕上がっていた。当然の事ながらカントリーに戻る事もなく、きちんとポップのセンスが磨かれた今となってのテイラー・スウィフトらしいスタンスでの曲作りがそのままナチュラルに反映されてアレンジされた素直な作品として古き良きリスナーには聴きやすいアルバム。それを満足して聴いていたら、冬になり、今度もまた突然アルバムが出来たからリリースします、と唐突にツイートされて即座に出されたアルバムが本作「evermore」。アルバムジャケットからしても前作「folklore」の続編だろうとは想像に難くなかったが、今度は更に馴染みやすい楽曲群で占められているように感じる。前作とほぼ同じ作風なのでどちらがどうでもないが、恐らく前作の方が起伏に富んだ感覚が強く、今作はもう少しなだらかな印象だが、新しいテイラー・スウィフトの感性の中に、懐かしきテイラー・スウィフトの感性によるメロディラインも散りばめられ、「Long Story Short」では正にテイラー・スウィフトとばかりにニヤリとしてしまうメロディラインが素晴らしい。それに加えて、聴いていて少々妙な質感を味わうとそれは変拍子でアレンジされた楽曲で、それをさらりと歌いこなしてしまっている才覚も素晴らしい。アレンジだけで言えば、ほとんどドラムサウンドなど出てこないが、一曲だけ出てくるとものすごく違和感とアクセントになり、それが普通なのに異質感。面白い使い方で、逆に他の曲はどうなっているのかと聴き直すほどだが、とにかく美しいアルバム。
前作「folklore」にしても今作「evermore」にしても歌詞は相変わらずテイラー・スウィフトの少女趣味的側面や可愛らしい物の見方で描かれているので、そこはさすがに自分的に興味をそそらないが、そういう題材でもきちんと楽曲に反映されイマジネーションを膨らませて楽曲が書けるのは凄いし、さすがの才女と唸らされる。しかも17曲も収録されているアルバムで捨て曲が無いとは言わないが、どれもこれもイチイチ聴き応えあるから恐れ入るし、何度聴いてても深みが味わえるので、最初期のテイラー・スウィフトを渇望していたにしても更に発展したテイラー・スウィフトをここまで聴かせられるともっとこの路線から進ませたテイラー・スウィフトを聴かせてほしいとすら思う。それがどういう方向性なのか分からないが、少なくともカントリーだけでなくポップスまで、そして最先端のアレンジなのか、作風なのか、元々の楽曲のアイディアからの編集なのか見事なまでの作品。誰かが押し付けた妙なポップセンスやアレンジではなく、テイラー・スウィフト自身が信じて見つけた音楽性をそのまま進めばこんな素敵な作品が出来上がるのだから面白い。地に足着けてきちんと作品を出し続けてくれれば良いなと思う。
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