B.B.King - Singin' the Blues
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B.B.King - Singin' the Blues (1957)

B.B.Kingは割と事ある毎に来日公演をしていたような気がしているが、たまたま自分が気になっていた頃に何度か来日してくれたからだろうか。おかげで数回は見に行っており、一度なぞはホントに小さな会場だったから目の前で指の動きどころか生音まで聴こえるレベルで見ていた事もあり、その時にはチラシに本人サインもしてもらって有頂天になって帰路についた記憶も、もちろんお宝の品もきちんと保存してあり、先程も思い出してどこにあったか探し出して惚れ惚れと見直していた所だが、その分愛着もあるし馴染み深いし良く聴いたと言えば聴いたが、曲の違いや詳しくマニアックに知るという意味ではまるでアテにならない。ひと時のブルース熱のタイミングとB.B.キングの知名度とライブパフォーマンスに魅せられたと言う方が相応しいかと思う。それでもアルバムが出る度に気になって聴いたし、話題に上れば知っている風も出していたし、ある種ミーハーだったかもしれない。それも年月が経過していくとブルースギター的にB.B.キング節、独特のスケールと音使いも編み出した類まれなる才能の持ち主、そして努力家でもある事が分かってくるし、今でも研究対象のプレイだ。そういう意味では明らかに60年代以降のB.B.キングスタイル確立後のプレイばかりを聴いていたし、それが名盤と言われている方が多かったので自分もそれに習っていた感あるが、ここ最近はオーソドックスにどのアーティストも最初期のピュアな時代熱い時代をどれだけ楽しめるか的に聴いているので、B.B.キングもそうしてみようと。
B.B.キングはシングルデビューが1951年と、実はとてつもなく古い時代のブルースギタリスト、と言うよりはゴスペル上がりのシンガー兼ギタリストで、当時からヒットチャートに確実に登場するレベルの売れっ子ミュージシャンだったようだ。どうにも実感が沸かないが、ここで取り上げるB.B.Kingのファーストアルバム「Singin' the Blues」は1957年にリリースされているが、中身は1951年〜56年までの楽曲で、そのどれもこれもがヒットチャートに登場したシングルからなので、最初からベストアルバムで出てきたとも言える。時代の為せる技でもあるが、当然その間のシングル曲全てを網羅したアルバムではないので、言うならばベスト・オブ・シングルズがファースト・アルバム「Singin' the Blues」となる。それでも流石に自分がタイトルを見て曲を思い出せるのは数曲あるかないか、なのであまりにも古いベスト盤に近いファーストアルバムだが、アルバム目線では本作が最初。ホントはシングル集を時系列で聴いてからこのアルバムに着手する方が分かりやすいだろうが、そこまでの根気もないのでとりあえず本作から。ちなみにそういう聞き方に挑戦したければ究極のマニアボックス「ザ・コンプリート・RPM/ケント・レコーディング・ボックス 1950~1965」がリリースされているので苦行に耐えてもらいたい。また、もう少し軽めの苦行としては「知られざるキングの秘宝 ― RPM/ケント未発表音源集」もアリかもしれないが、探せば他にもいくらでも出てきそうなのがB.B.キングの編集盤。ここまでキャリアが長く音源も多数残されていると把握不可なくらいに各社から編集盤がリリースされているので丹念に探すしかなさそうだ。ちなみにまだ聴けていないが、本作もボーナストラックが大量に付けられた「SINGIN' THE BLUES+」がリリースされているようなので、こちらも良いかもしれない。
さて、「Singin' the Blues」で聴けるシングルヒット曲集だが、これがまた見事にアルバム的テイストを放っており、様々なタイプの楽曲がきちんと並べられて発表時代順とは異なり、アルバムとしての聴かせ方を意識しているようだ。それでも5年間のB.B.キングの変遷も聴けて取れるのは面白く、ギターがパキンパキンと鳴ってくる曲もあれば歌で聴かせるべく曲もあり、また、ギタープレイそのものも初期作品ではまだまだ普通にブルースプレイ的に弾いている珍しいパターンもある。若さを感じる意味では冒頭の「Please Love Me」からしていきなりエルモア・ジェイムズばりの3連符がかき鳴らされ、これはB.B.キングなのか、と驚くばかりのスタイルまで聴ける。また、有名な楽曲になっているが「Sweet Little Angel」ではここまでギター弾くのかと言うくらいにカッコ良いブルースギターを弾きまくっており、ギターと歌だけをイメージして聴いていると正しくロバジョンに近いような迫力を感じるから凄い。また最後の最後まで演奏し続けた「Every Day I Have the Blues」もこの時点で最初から入っているのだから何年間演奏しつづけ、アレンジし続けていったのだろうか。ここで聴けるアレンジは後のサウンドとは異なり、当然ながらかなりスタンダードに近くなっているが、更に実は本作はブルーススタンダードとして伝承音楽として残されていた楽曲をメンフィス・スリムが1948年にリアレンジしてレコードに吹き込んだのが最初らしく、B.B.キングはそこからカバーした曲との事で、長い間B.B.キングの代表曲だったが故に彼の曲だと思っていたが、実はスタンダードをひたすら歴史に残すべく伝承者になってプレイしていたとも言えるようだ。凄い。
後年のB.B.キングのギタープレイと言えば一音一音だけでキューンと鳴らされて、それだけでB.B.キングと拍手喝采となるような個性的なプレイだったが、60年代頃はもうちょっと音数も多く、ブルースメンらしきプレイが聴けたので感動していた。ところがもう少し前のこの時代では普通にブルースメンらしくプレイしている姿が聴けるので更にその過程を逆にたどりながらも味わえた楽しみ。ホーンセクションとの相性は最初期から変わらないが、ギタープレイの変遷は面白い。一方のボーカルの迫力は当然ながら後年になればなるほど深みを増していくが、最初期は若いから生き生きと表現力豊かに聴けるのも味わい。それにしてもこの時代のB.B.キングを探求するようになるとは我ながら不思議でもあるが聴いてみれば発見の嵐、音が古いから聴きにくいなどあるかもしれないが、それを補ってあまりある程の魅力的なギタープレイが詰め込まれている。

B.B.Kingは割と事ある毎に来日公演をしていたような気がしているが、たまたま自分が気になっていた頃に何度か来日してくれたからだろうか。おかげで数回は見に行っており、一度なぞはホントに小さな会場だったから目の前で指の動きどころか生音まで聴こえるレベルで見ていた事もあり、その時にはチラシに本人サインもしてもらって有頂天になって帰路についた記憶も、もちろんお宝の品もきちんと保存してあり、先程も思い出してどこにあったか探し出して惚れ惚れと見直していた所だが、その分愛着もあるし馴染み深いし良く聴いたと言えば聴いたが、曲の違いや詳しくマニアックに知るという意味ではまるでアテにならない。ひと時のブルース熱のタイミングとB.B.キングの知名度とライブパフォーマンスに魅せられたと言う方が相応しいかと思う。それでもアルバムが出る度に気になって聴いたし、話題に上れば知っている風も出していたし、ある種ミーハーだったかもしれない。それも年月が経過していくとブルースギター的にB.B.キング節、独特のスケールと音使いも編み出した類まれなる才能の持ち主、そして努力家でもある事が分かってくるし、今でも研究対象のプレイだ。そういう意味では明らかに60年代以降のB.B.キングスタイル確立後のプレイばかりを聴いていたし、それが名盤と言われている方が多かったので自分もそれに習っていた感あるが、ここ最近はオーソドックスにどのアーティストも最初期のピュアな時代熱い時代をどれだけ楽しめるか的に聴いているので、B.B.キングもそうしてみようと。
B.B.キングはシングルデビューが1951年と、実はとてつもなく古い時代のブルースギタリスト、と言うよりはゴスペル上がりのシンガー兼ギタリストで、当時からヒットチャートに確実に登場するレベルの売れっ子ミュージシャンだったようだ。どうにも実感が沸かないが、ここで取り上げるB.B.Kingのファーストアルバム「Singin' the Blues」は1957年にリリースされているが、中身は1951年〜56年までの楽曲で、そのどれもこれもがヒットチャートに登場したシングルからなので、最初からベストアルバムで出てきたとも言える。時代の為せる技でもあるが、当然その間のシングル曲全てを網羅したアルバムではないので、言うならばベスト・オブ・シングルズがファースト・アルバム「Singin' the Blues」となる。それでも流石に自分がタイトルを見て曲を思い出せるのは数曲あるかないか、なのであまりにも古いベスト盤に近いファーストアルバムだが、アルバム目線では本作が最初。ホントはシングル集を時系列で聴いてからこのアルバムに着手する方が分かりやすいだろうが、そこまでの根気もないのでとりあえず本作から。ちなみにそういう聞き方に挑戦したければ究極のマニアボックス「ザ・コンプリート・RPM/ケント・レコーディング・ボックス 1950~1965」がリリースされているので苦行に耐えてもらいたい。また、もう少し軽めの苦行としては「知られざるキングの秘宝 ― RPM/ケント未発表音源集」もアリかもしれないが、探せば他にもいくらでも出てきそうなのがB.B.キングの編集盤。ここまでキャリアが長く音源も多数残されていると把握不可なくらいに各社から編集盤がリリースされているので丹念に探すしかなさそうだ。ちなみにまだ聴けていないが、本作もボーナストラックが大量に付けられた「SINGIN' THE BLUES+」がリリースされているようなので、こちらも良いかもしれない。
さて、「Singin' the Blues」で聴けるシングルヒット曲集だが、これがまた見事にアルバム的テイストを放っており、様々なタイプの楽曲がきちんと並べられて発表時代順とは異なり、アルバムとしての聴かせ方を意識しているようだ。それでも5年間のB.B.キングの変遷も聴けて取れるのは面白く、ギターがパキンパキンと鳴ってくる曲もあれば歌で聴かせるべく曲もあり、また、ギタープレイそのものも初期作品ではまだまだ普通にブルースプレイ的に弾いている珍しいパターンもある。若さを感じる意味では冒頭の「Please Love Me」からしていきなりエルモア・ジェイムズばりの3連符がかき鳴らされ、これはB.B.キングなのか、と驚くばかりのスタイルまで聴ける。また、有名な楽曲になっているが「Sweet Little Angel」ではここまでギター弾くのかと言うくらいにカッコ良いブルースギターを弾きまくっており、ギターと歌だけをイメージして聴いていると正しくロバジョンに近いような迫力を感じるから凄い。また最後の最後まで演奏し続けた「Every Day I Have the Blues」もこの時点で最初から入っているのだから何年間演奏しつづけ、アレンジし続けていったのだろうか。ここで聴けるアレンジは後のサウンドとは異なり、当然ながらかなりスタンダードに近くなっているが、更に実は本作はブルーススタンダードとして伝承音楽として残されていた楽曲をメンフィス・スリムが1948年にリアレンジしてレコードに吹き込んだのが最初らしく、B.B.キングはそこからカバーした曲との事で、長い間B.B.キングの代表曲だったが故に彼の曲だと思っていたが、実はスタンダードをひたすら歴史に残すべく伝承者になってプレイしていたとも言えるようだ。凄い。
後年のB.B.キングのギタープレイと言えば一音一音だけでキューンと鳴らされて、それだけでB.B.キングと拍手喝采となるような個性的なプレイだったが、60年代頃はもうちょっと音数も多く、ブルースメンらしきプレイが聴けたので感動していた。ところがもう少し前のこの時代では普通にブルースメンらしくプレイしている姿が聴けるので更にその過程を逆にたどりながらも味わえた楽しみ。ホーンセクションとの相性は最初期から変わらないが、ギタープレイの変遷は面白い。一方のボーカルの迫力は当然ながら後年になればなるほど深みを増していくが、最初期は若いから生き生きと表現力豊かに聴けるのも味わい。それにしてもこの時代のB.B.キングを探求するようになるとは我ながら不思議でもあるが聴いてみれば発見の嵐、音が古いから聴きにくいなどあるかもしれないが、それを補ってあまりある程の魅力的なギタープレイが詰め込まれている。
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