The Battered Ornaments - Mantle Peace



ピート・ブラウンとバタード・オーナメンツという布陣で1969年7月にファーストアルバム「A Meal You Can Shake Hands with in the Dark」がリリースされて、どちらかと言うとピートブラウンと言う人がクリームの歌詞を書いている人という有名な詩人であったがためにそっちに注目が集まりがちだったようだが、アルバムの中味はどうしてなかなかしっかりと英国ゴッタ煮ロックの真っ最中と言わんばかりの音が詰め込まれていてユニークな作品に仕上がっていた。しかしながらどうしても詩人歌手=ポエトリーシンガーとしてのピート・ブラウンという人はいわゆるボーカリストには不向きだったのか、はたまたバタード・オーナメンツというバンドの面々からすると妙に鼻についたか、アルバムリリース直後くらいになんとその有名人ピート・ブラウンと袂を分かつこととなる。
で、丁度時代はストーンズのハイドパーク公演が騒がれている頃で、かのキング・クリムゾンもこの公演に出演していたが、このバタード・オーナメンツもピート・ブラウンなしで出演しているのだ。なかなか勇気のあるというかミュージシャン魂溢れるというか、良い時代だなぁ、と。で、ファーストアルバムから4ヶ月後にリリースされたバタード・オーナメンツとしてのアルバム「Mantle-Piece」。これがねぇ、結構面白い。一言で言えばロック。ただ、スカスカの音にそれぞれの楽器がスカスカに入っているっていう感じで、何というんだろうなぁ、何風とは言えない独特の音楽感で、ただ言えるのは時代を感じさせる音ってことだ。スペディングのギターも要所要所で凄く良い味を出しているんけど、歌も歌ってるし…、う~ん、これを名盤とかオススメとか言う気はないけど、こういう空気感って凄くいいね。ビートの効いたロックなんてなしで、ただ垂れ流すだけ、みたいな。浸れるよ、これ。
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