The Jimi Hendrix Experience - Are You Experienced (Remastered)
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The Jimi Hendrix Experience - Are You Experienced (Remastered) (1967)

英国でのリリース、アメリカ編集のリリース、モノラルバージョンにステレオ盤、加えてシングルリリースと編集盤収録曲やバージョン違いなど、レコード時代から、いやレコード時代だったからこそ元々がアナログテープしか存在せず、そのアナログテープを複製して各国に送りつけたものがその国のマスターテープとなるから当然音質の差がその時点で出てくる。要するにダビングしたテープからレコード作ってるのだから生録したテープの鮮度に比べればアナログダビング一回分多いのは明らかなるデメリット。普通はそういう話だが、そう簡単でもない場合も多くて話はどんどんややこしくなるのが60年代のアルバム。ストーンズやビートルズ、フーやキンクスなどは歴史的バンドだから時代を経て色々な国々のマニアが情報交換して概ねその全容も解明されてCDリリースも進んでいるが、そうじゃないバンドもある。それに自分がそこまで探求していなければ単によく分からないバージョンが多数リリースされる始末で集めるにも困る。自分的にジミヘンについてはそこまで拘る前にライブアルバムや未発表曲あたりにコマを進めてしまい、もうほとんどライブの完全盤やリマスターバージョンあたりを漁ってライブそのものの良し悪しによる聴き分けをしていたような状態だった。ところがここ一連の流れで改めてファーストアルバムを洗い直して聴いていると、昔からよく分からなかった情報が割と纏めネット上にも記載されているサイトが多く、ついついなるほどなるほどと読み耽って聴き漁ってしまった。そのソース自体は何かと持っているので聴くのには困らないし、なければそれはそれで今は直ぐに聴ける状況でもあるから探して聴いたりしていた。
Jimi Hendrixの1967年の歴史的ファーストアルバム「Are You Experienced」は最初に英国でリリースされており、その前にはシングル「Hey Joe」「Purple Haze」「The Wind Cries Mary」と3枚リリースされていた。この時点では何も問題なく、全て英国トラックレコードからリリースされたモノラルバージョンが当然の時代の楽曲しかなく、ジミヘンの楽曲は全てモノラルでシングル3枚のAB面で6曲、それにアルバム収録の11曲の計17曲が存在したのみだった。ところがここからややこしくなり、アメリカにも目を付けられていたジミヘンは即座にアメリカでもアルバムを発売したい、とのオファーがあり、英国盤を聴かせたところ、アメリカじゃこれからの時代はステレオじゃなきゃダメだ、とのお達しもあり、急遽予定にも無かったステレオバージョンを制作する事となった。それをエディ・クレイマーが手がけてシングル曲も含めてステレオバージョンを作り、アメリカ盤のリリースとなったが、その際にアメリカではシングルをリリースしていなかった関係上、アルバムで弱いと判断された曲、「Red House」「Can You See Me」「Remember」をカットして「Purple Haze」「Hey Joe」「The Wind Cries Mary」をアルバムに混ぜて曲順を差し替え、しかも「Foxy Lady」を「Foxey Lady」とミスタイプしたままの状態でリリースした。これがアメリカ盤のあの魚眼ジャケットの本来の中身で、全てリアルステレオバージョンだが、実際音を聴いていると確かにリアルステレオではあるが、演奏はモノラルと同じようにセンターに集中しててボーカルだけ左右のどちらかに振れているような未熟なステレオミックス感も強く、その意味でステレオバージョンにこだわる必要性もさほど大きくはないかもしれない。
ふと、自分で聴きながら思ったのがこの時点だと英国シングルとなった「Hey Joe」「Purple Haze」「The Wind Cries Mary」のB面曲、即ち「Stone Free」「51th Anniversay」「Highway Chile」と、アルバムから外された「Red House」「Can You See Me」「Remember」のステレオバージョンは市場には出ていない状況で、そもそもステレオバージョンがあったのか、と疑問を持った。その懸念はこの後1969年に編集アルバム「Smash Hits」がリリースされ、英国盤はモノラルと擬似ステレオ盤で評判もよろしくない様子だが、アメリカ盤では基本曲順は英国盤に準拠しつつも2曲は「Electric Lady Land」収録予定の前倒し曲が入り、「Red House」だけが何故か別バージョンからステレオミックスが制作された貴重なテイクが収録されていた。よって、1969年の段階では「Red House」だけはモノステでバージョンが異なるが、他は同じテイクからの別ミックスでのモノステ曲が16曲出揃っていた事となる。この辺を認識しないでジミヘンの初期作品を聴いたり集めたりすると訳の分からない状態になり、自分自身もそうだったが、どうもアレコレと異なるものを聴いている気がしたり、会話が噛み合わなかったりする事があった。CD時代になるとほぼ全てがステレオミックスバージョンでリリースされてて、曲順だけは英国オリジナル盤に準拠しながらシングル6曲をボーナス的に加えるパターンもあり、より一層混乱を招いていたが、単純にモノステと「Red House」だけ2バージョンある、と覚えておこう。ではモノラルバージョンはどうなのか、と聴いてみてもそもそもステレオバージョンでもバックはモノラルミックスのようなものなのでそこまでの違いではないものの、モノラルミックスのためのモノラルなのでキレイに一本のラインに音が並んでいて心地良さはある。ただ、「Red House」のステレオバージョンはとんでもなくカッコ良く、モノラルバージョンだと少々物足りなさを覚えるかもしれない。
アルバムの中身についてはもう語り尽くされているが、昨今では上記のモノステ論からオリジナルマスターからのレコードへの再注目、理論的に英国オリジナルがベストの音質のはずがアメリカ初盤のステレオバージョンの方が音が良いなどと色々とあり、それ自体はエディ・クレイマーがステレオマスタを作りながらそのコピーをアメリカに送るのではなく、マスターそのものを送ったからとの事で、もう歴史の重箱の隅を突くような話になってくるがそれだけ価値があり、面白く奥の深い、そして何よりもそこまでしても聴きたいと思わせる魅力的なサウンドが詰め込まれていると捉えられる。やはり今聴いても革新的でぶっ飛ぶギタースタイルのみならず楽曲の存在、曲作りやメロディも含めての素晴らしさにミッチ・ミッチェルのドラミングのセンスの良さも際立ってて凄さが実感できるアルバム。やはり凄い。最近また「Live in Maui」がリリースされて映像と共に見入っていたが、1970年のライブと比べてしまうとどうしたってこのファーストアルバムの凄まじさが圧倒的だ。おかげでまたジミヘンをたっぷりと堪能している。

英国でのリリース、アメリカ編集のリリース、モノラルバージョンにステレオ盤、加えてシングルリリースと編集盤収録曲やバージョン違いなど、レコード時代から、いやレコード時代だったからこそ元々がアナログテープしか存在せず、そのアナログテープを複製して各国に送りつけたものがその国のマスターテープとなるから当然音質の差がその時点で出てくる。要するにダビングしたテープからレコード作ってるのだから生録したテープの鮮度に比べればアナログダビング一回分多いのは明らかなるデメリット。普通はそういう話だが、そう簡単でもない場合も多くて話はどんどんややこしくなるのが60年代のアルバム。ストーンズやビートルズ、フーやキンクスなどは歴史的バンドだから時代を経て色々な国々のマニアが情報交換して概ねその全容も解明されてCDリリースも進んでいるが、そうじゃないバンドもある。それに自分がそこまで探求していなければ単によく分からないバージョンが多数リリースされる始末で集めるにも困る。自分的にジミヘンについてはそこまで拘る前にライブアルバムや未発表曲あたりにコマを進めてしまい、もうほとんどライブの完全盤やリマスターバージョンあたりを漁ってライブそのものの良し悪しによる聴き分けをしていたような状態だった。ところがここ一連の流れで改めてファーストアルバムを洗い直して聴いていると、昔からよく分からなかった情報が割と纏めネット上にも記載されているサイトが多く、ついついなるほどなるほどと読み耽って聴き漁ってしまった。そのソース自体は何かと持っているので聴くのには困らないし、なければそれはそれで今は直ぐに聴ける状況でもあるから探して聴いたりしていた。
Jimi Hendrixの1967年の歴史的ファーストアルバム「Are You Experienced」は最初に英国でリリースされており、その前にはシングル「Hey Joe」「Purple Haze」「The Wind Cries Mary」と3枚リリースされていた。この時点では何も問題なく、全て英国トラックレコードからリリースされたモノラルバージョンが当然の時代の楽曲しかなく、ジミヘンの楽曲は全てモノラルでシングル3枚のAB面で6曲、それにアルバム収録の11曲の計17曲が存在したのみだった。ところがここからややこしくなり、アメリカにも目を付けられていたジミヘンは即座にアメリカでもアルバムを発売したい、とのオファーがあり、英国盤を聴かせたところ、アメリカじゃこれからの時代はステレオじゃなきゃダメだ、とのお達しもあり、急遽予定にも無かったステレオバージョンを制作する事となった。それをエディ・クレイマーが手がけてシングル曲も含めてステレオバージョンを作り、アメリカ盤のリリースとなったが、その際にアメリカではシングルをリリースしていなかった関係上、アルバムで弱いと判断された曲、「Red House」「Can You See Me」「Remember」をカットして「Purple Haze」「Hey Joe」「The Wind Cries Mary」をアルバムに混ぜて曲順を差し替え、しかも「Foxy Lady」を「Foxey Lady」とミスタイプしたままの状態でリリースした。これがアメリカ盤のあの魚眼ジャケットの本来の中身で、全てリアルステレオバージョンだが、実際音を聴いていると確かにリアルステレオではあるが、演奏はモノラルと同じようにセンターに集中しててボーカルだけ左右のどちらかに振れているような未熟なステレオミックス感も強く、その意味でステレオバージョンにこだわる必要性もさほど大きくはないかもしれない。
ふと、自分で聴きながら思ったのがこの時点だと英国シングルとなった「Hey Joe」「Purple Haze」「The Wind Cries Mary」のB面曲、即ち「Stone Free」「51th Anniversay」「Highway Chile」と、アルバムから外された「Red House」「Can You See Me」「Remember」のステレオバージョンは市場には出ていない状況で、そもそもステレオバージョンがあったのか、と疑問を持った。その懸念はこの後1969年に編集アルバム「Smash Hits」がリリースされ、英国盤はモノラルと擬似ステレオ盤で評判もよろしくない様子だが、アメリカ盤では基本曲順は英国盤に準拠しつつも2曲は「Electric Lady Land」収録予定の前倒し曲が入り、「Red House」だけが何故か別バージョンからステレオミックスが制作された貴重なテイクが収録されていた。よって、1969年の段階では「Red House」だけはモノステでバージョンが異なるが、他は同じテイクからの別ミックスでのモノステ曲が16曲出揃っていた事となる。この辺を認識しないでジミヘンの初期作品を聴いたり集めたりすると訳の分からない状態になり、自分自身もそうだったが、どうもアレコレと異なるものを聴いている気がしたり、会話が噛み合わなかったりする事があった。CD時代になるとほぼ全てがステレオミックスバージョンでリリースされてて、曲順だけは英国オリジナル盤に準拠しながらシングル6曲をボーナス的に加えるパターンもあり、より一層混乱を招いていたが、単純にモノステと「Red House」だけ2バージョンある、と覚えておこう。ではモノラルバージョンはどうなのか、と聴いてみてもそもそもステレオバージョンでもバックはモノラルミックスのようなものなのでそこまでの違いではないものの、モノラルミックスのためのモノラルなのでキレイに一本のラインに音が並んでいて心地良さはある。ただ、「Red House」のステレオバージョンはとんでもなくカッコ良く、モノラルバージョンだと少々物足りなさを覚えるかもしれない。
アルバムの中身についてはもう語り尽くされているが、昨今では上記のモノステ論からオリジナルマスターからのレコードへの再注目、理論的に英国オリジナルがベストの音質のはずがアメリカ初盤のステレオバージョンの方が音が良いなどと色々とあり、それ自体はエディ・クレイマーがステレオマスタを作りながらそのコピーをアメリカに送るのではなく、マスターそのものを送ったからとの事で、もう歴史の重箱の隅を突くような話になってくるがそれだけ価値があり、面白く奥の深い、そして何よりもそこまでしても聴きたいと思わせる魅力的なサウンドが詰め込まれていると捉えられる。やはり今聴いても革新的でぶっ飛ぶギタースタイルのみならず楽曲の存在、曲作りやメロディも含めての素晴らしさにミッチ・ミッチェルのドラミングのセンスの良さも際立ってて凄さが実感できるアルバム。やはり凄い。最近また「Live in Maui」がリリースされて映像と共に見入っていたが、1970年のライブと比べてしまうとどうしたってこのファーストアルバムの凄まじさが圧倒的だ。おかげでまたジミヘンをたっぷりと堪能している。
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