The Rolling Stones - Steel Wheels Live 1989
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The Rolling Stones - Steel Wheels Live 1989

音を聴いて即座に本能的にカッコ良い、と思う曲やバンドもそこまで数多くはない。曲を好きで知ってるから、と言うパターンもあればバンドを知ってるからもあるだろうし、一番刺激的なのは曲も知らないけど聴いたら凄くカッコ良いと感じたものだ。今じゃ即座にshazamあたりで調べれば曲名もバンド名も、ともすればその場でDLも買うことも出来てしまうのでしばらく悩んだり探したりする手間暇、探す楽しみが減ってしまったかもしれないが、アチコチで流れてくる音楽をそうして耳にしてアンテナを立てておいての発見は楽しい。また、別の楽しみ方としてライブの編集アルバムなどもそれぞれの長尺盤や丸ごとライブがリリースされたりすると、このライブや音源からの抜粋だったのかと馴染みあるバージョンを味わい直したりする。オフィシャルリリース作品だけでそういう味わいを楽しめる事も多くなかったが、ここの所はもう往年のバンドなら発掘ライブアルバムや音源が続々とこれでもかとばかりにデラックス・エディションとしてリリースされてくるので、過去にリリースされた抜粋版の完全版です的作品も多い。昔は様々なライブバージョンやスタジオ盤からベストな選曲によってアルバムに収録されていたものだから、その完全ライブなどはクォリティ高くてハイテンションなライブの場合も多く、フルバージョンは楽しみに聴いていた。スタジオ盤も未発表バージョンが出てくると、なるほどオフィシャル収録バージョンが一番良い出来映えなのもよく分かる。
The Rolling Stonesが1989年12月にアトランティックシティで行ったアメリカツアー千秋楽時期のライブの模様は当時からケーブルテレビで超プロショットと当然のサウンドボード音源で放送された事から強烈なアイテムが早くからアングラで登場し、物凄いセールスを放っていたと聞く。それこそアングラアイテムなのかと思うくらいにアチコチで色々な所からリリースされていたから、ジャケット見た事ある人も多いだろう。自分は丁度リアルタイムだったので当然のTSP盤をしょっちゅう見ていたし、映像も入り浸っていた所で見てたので割と普通感覚あるが、この頃は翌1990年2月に東京ドームで初来日公演やって、その模様もテレビで放送してた影響で圧倒的に日本公演の方に気が向いていた。それもあって有名な割にそこまでじっくりと聴いてはいなかったし、東京ドーム公演と同じようなものだから何度も色々な公演を見聴きするものでもなく、今回オフィシャル「Steel Wheels Live 1989」でリリースされたのは良い機会だった。当時は「Steel Wheels」一色で、アルバムもツアーもライブ音源もそればかりだったから満腹感溢れててそれ以上気にはならなかったが、これだけ年月が経過した今、このツアーのライブがこうしてスペシャルに出されると聴く側も久々なのでじっくりと取り組む気になって見て聴いてみる。するとここまでカッコ良かったか、と思うようなバンドの演奏と楽曲の良さ、そして鋭さ、世界最高のブルースロックバンドとの称号に偽りなしと改めて実感する。話題的にはGuns'n Rosesのアクセルとイジーとのセッションやクラプトンとジョン・リー・フッカーのジャムも挙げられるが、それよりも何よりも当たり前だがストーンズのライブのカッコ良さ、面白さがたっぷりと楽しめる。2時間半もの長丁場のライブを丸ごと収録してのリリースで、ここまで長かったかとつくづく思い知ったが、東京ドーム公演も2時間前後はあったからゲスト迎えてデカい会場ならそれくらいかと納得。40歳周辺のメンバーならまだ全然余裕なライブ時間だったろうが、今見ると若々しい。それどころか初々しさすら感じるレベルなのは今があまりにも歳取りすぎているからだが、当時はそれでもジジイバンドだと思っていたくらいなので、年月の経過の速さを感じる。
冒頭の花火後直ぐに弾かれる「Start Me Up」のギターリフと楽曲のカッコ良い事と言ったらありゃしない。音を聴いているだけで東京ドームで最初に見たストーンズの衝撃が全く同じように目の前に映像で浮かび上がるのも同じツアーだからか。全く夢見心地のまま「Bitch」へと進み、細かい曲順は覚えていないが、流れ的に感覚的にほぼ同じような感触でライブを味わえるのは疑似体験度合いが深くなって良い。それにしてもどの曲もどの曲もカッコ良く、また良い曲ばかりでこの頃の新曲群ですら馴染み深い曲として今は聴けるし、珍し目の「Terrifying」もこれほど心地良い曲だったかとつくづく素晴らしさを実感。当たり前だが知らない曲が全く無いのでひたすらにリズムを刻み口付さみながら聴けるし、リマスタリングとリミックスも強力だから楽器の音がはっきりくっきり鮮明に鳴るのもついつい耳がそっちに向いてしまう。ロニーのギターとキースのギターがパッキリと左右に振り分けられているのもあるし、音がそこまでごちゃごちゃして来ないから聴きやすく、そんなにロニー弾いてたのかと。そしてもうひとつの珍しい曲でガンズ組とのジョイントとなった「Salt of the Earth」はキースにミック、そしてアクセルと3者のボーカルが聴けるがやはりアクセルは若い。しかもシーンに登場したばかりのガンズ全盛期そのままのスタイルだから見事、イジーもなるほど馴染んだスタイルで嬉しそうにギター弾いているし、キースもそれを大人な視線で見ているようだ。ここでもロニーが渋く弾いているあたりが職人芸。話題ほどに面白味は無いようにも思うが、それも彼らの本領発揮は出来ない楽曲をチョイスした事だろうか、それでも二人とも嬉しそうにプレイしているし、翌日の公演にも参加したようなのですっかりストーンズの大物ぶりにやられたようだ。続いてのスペシャルなシーンは当然ながらクラプトン参加の「Little Red Rooster」だが、この人はホント、他人のライブのゲストでギター弾くと物凄いプレイをしてくれる。単に個性的で目立つのか、自分のショウではないからリラックスしてプレイ出来るからなのか、どの人のゲストで参加していても大抵強烈にカッコ良いギターソロをキメてくれるのが面白く、このストーンズとのジョイントでもそれは健在で、キースやロニーとは全く異なった、安定的なトーンとフレーズでのドライブした音色で刺さってくるから目立つ。それはジョン・リー・フッカーが主役となった「Boogie Chillen」でも同じくでどれだけ目立つのか、ストーンズとジョン・リー・フッカーを従えてクラプトンのプレイが冴え渡っているシーンが聴けて見れる。売上的にもギタープレイ的にも絶頂期だったクラプトンがいとも簡単にストーンズとセッションして、メンバーも昔からの仲間と言った感じでリラックスしながらプレイしている姿は見ている方も和む。素晴らしい。
先のジョン・リー・フッカー登場前あたりからいつの間にかミック・ジャガーはステージから消え去り、そのままキースが主役に躍り出ての紹介からキースボーカル曲へとシーンが繋がり、こういうアクセントはやはりあると良いし、上手いステージ進行と曲の進め方だと思う。「Paint It Black」でミックが戻ってくると、そこからはもうストーンズ流R&Rのオンパレードで、この辺りもまた東京ドーム公演とイメージが被ってくるが、ひたすらにカッコ良い。リサ・フィッシャーの歌声が響き渡る「Gimmie Shelter」も強烈な印象を残しているし、オープニングの「Start Me Up」と同じくイントロだけでガツンと来る「Brown Sugar」が登場すれば改めてそのカッコ良さに痺れる。アンコールはお決まりながらレスポールの太い音を持ち込んでのキースのプレイが思い起こされるし、自分的にはやはり東京ドーム公演を思い起こしながら聴いて見てしまうライブだが、そういう思い出に耽るのも悪くないだろう。だからこその今のリリースだし、また楽しめている。本ライブアルバムは多彩なバージョンでリリースされているので様々な形態で見聞きするのも自由だが、その東京ドームの映像がカップリングされている形態もあるし、ツアーであまり演奏されなかった楽曲を纏めてボーナス的に入れているのもあるらしく、どれだけでも楽しめるアイテムになっている。所詮1989年のライブと思っていた部分もあったがやはりストーンズはカッコ良いと、つくづくそう実感したライブアルバム。名盤。

音を聴いて即座に本能的にカッコ良い、と思う曲やバンドもそこまで数多くはない。曲を好きで知ってるから、と言うパターンもあればバンドを知ってるからもあるだろうし、一番刺激的なのは曲も知らないけど聴いたら凄くカッコ良いと感じたものだ。今じゃ即座にshazamあたりで調べれば曲名もバンド名も、ともすればその場でDLも買うことも出来てしまうのでしばらく悩んだり探したりする手間暇、探す楽しみが減ってしまったかもしれないが、アチコチで流れてくる音楽をそうして耳にしてアンテナを立てておいての発見は楽しい。また、別の楽しみ方としてライブの編集アルバムなどもそれぞれの長尺盤や丸ごとライブがリリースされたりすると、このライブや音源からの抜粋だったのかと馴染みあるバージョンを味わい直したりする。オフィシャルリリース作品だけでそういう味わいを楽しめる事も多くなかったが、ここの所はもう往年のバンドなら発掘ライブアルバムや音源が続々とこれでもかとばかりにデラックス・エディションとしてリリースされてくるので、過去にリリースされた抜粋版の完全版です的作品も多い。昔は様々なライブバージョンやスタジオ盤からベストな選曲によってアルバムに収録されていたものだから、その完全ライブなどはクォリティ高くてハイテンションなライブの場合も多く、フルバージョンは楽しみに聴いていた。スタジオ盤も未発表バージョンが出てくると、なるほどオフィシャル収録バージョンが一番良い出来映えなのもよく分かる。
The Rolling Stonesが1989年12月にアトランティックシティで行ったアメリカツアー千秋楽時期のライブの模様は当時からケーブルテレビで超プロショットと当然のサウンドボード音源で放送された事から強烈なアイテムが早くからアングラで登場し、物凄いセールスを放っていたと聞く。それこそアングラアイテムなのかと思うくらいにアチコチで色々な所からリリースされていたから、ジャケット見た事ある人も多いだろう。自分は丁度リアルタイムだったので当然のTSP盤をしょっちゅう見ていたし、映像も入り浸っていた所で見てたので割と普通感覚あるが、この頃は翌1990年2月に東京ドームで初来日公演やって、その模様もテレビで放送してた影響で圧倒的に日本公演の方に気が向いていた。それもあって有名な割にそこまでじっくりと聴いてはいなかったし、東京ドーム公演と同じようなものだから何度も色々な公演を見聴きするものでもなく、今回オフィシャル「Steel Wheels Live 1989」でリリースされたのは良い機会だった。当時は「Steel Wheels」一色で、アルバムもツアーもライブ音源もそればかりだったから満腹感溢れててそれ以上気にはならなかったが、これだけ年月が経過した今、このツアーのライブがこうしてスペシャルに出されると聴く側も久々なのでじっくりと取り組む気になって見て聴いてみる。するとここまでカッコ良かったか、と思うようなバンドの演奏と楽曲の良さ、そして鋭さ、世界最高のブルースロックバンドとの称号に偽りなしと改めて実感する。話題的にはGuns'n Rosesのアクセルとイジーとのセッションやクラプトンとジョン・リー・フッカーのジャムも挙げられるが、それよりも何よりも当たり前だがストーンズのライブのカッコ良さ、面白さがたっぷりと楽しめる。2時間半もの長丁場のライブを丸ごと収録してのリリースで、ここまで長かったかとつくづく思い知ったが、東京ドーム公演も2時間前後はあったからゲスト迎えてデカい会場ならそれくらいかと納得。40歳周辺のメンバーならまだ全然余裕なライブ時間だったろうが、今見ると若々しい。それどころか初々しさすら感じるレベルなのは今があまりにも歳取りすぎているからだが、当時はそれでもジジイバンドだと思っていたくらいなので、年月の経過の速さを感じる。
冒頭の花火後直ぐに弾かれる「Start Me Up」のギターリフと楽曲のカッコ良い事と言ったらありゃしない。音を聴いているだけで東京ドームで最初に見たストーンズの衝撃が全く同じように目の前に映像で浮かび上がるのも同じツアーだからか。全く夢見心地のまま「Bitch」へと進み、細かい曲順は覚えていないが、流れ的に感覚的にほぼ同じような感触でライブを味わえるのは疑似体験度合いが深くなって良い。それにしてもどの曲もどの曲もカッコ良く、また良い曲ばかりでこの頃の新曲群ですら馴染み深い曲として今は聴けるし、珍し目の「Terrifying」もこれほど心地良い曲だったかとつくづく素晴らしさを実感。当たり前だが知らない曲が全く無いのでひたすらにリズムを刻み口付さみながら聴けるし、リマスタリングとリミックスも強力だから楽器の音がはっきりくっきり鮮明に鳴るのもついつい耳がそっちに向いてしまう。ロニーのギターとキースのギターがパッキリと左右に振り分けられているのもあるし、音がそこまでごちゃごちゃして来ないから聴きやすく、そんなにロニー弾いてたのかと。そしてもうひとつの珍しい曲でガンズ組とのジョイントとなった「Salt of the Earth」はキースにミック、そしてアクセルと3者のボーカルが聴けるがやはりアクセルは若い。しかもシーンに登場したばかりのガンズ全盛期そのままのスタイルだから見事、イジーもなるほど馴染んだスタイルで嬉しそうにギター弾いているし、キースもそれを大人な視線で見ているようだ。ここでもロニーが渋く弾いているあたりが職人芸。話題ほどに面白味は無いようにも思うが、それも彼らの本領発揮は出来ない楽曲をチョイスした事だろうか、それでも二人とも嬉しそうにプレイしているし、翌日の公演にも参加したようなのですっかりストーンズの大物ぶりにやられたようだ。続いてのスペシャルなシーンは当然ながらクラプトン参加の「Little Red Rooster」だが、この人はホント、他人のライブのゲストでギター弾くと物凄いプレイをしてくれる。単に個性的で目立つのか、自分のショウではないからリラックスしてプレイ出来るからなのか、どの人のゲストで参加していても大抵強烈にカッコ良いギターソロをキメてくれるのが面白く、このストーンズとのジョイントでもそれは健在で、キースやロニーとは全く異なった、安定的なトーンとフレーズでのドライブした音色で刺さってくるから目立つ。それはジョン・リー・フッカーが主役となった「Boogie Chillen」でも同じくでどれだけ目立つのか、ストーンズとジョン・リー・フッカーを従えてクラプトンのプレイが冴え渡っているシーンが聴けて見れる。売上的にもギタープレイ的にも絶頂期だったクラプトンがいとも簡単にストーンズとセッションして、メンバーも昔からの仲間と言った感じでリラックスしながらプレイしている姿は見ている方も和む。素晴らしい。
先のジョン・リー・フッカー登場前あたりからいつの間にかミック・ジャガーはステージから消え去り、そのままキースが主役に躍り出ての紹介からキースボーカル曲へとシーンが繋がり、こういうアクセントはやはりあると良いし、上手いステージ進行と曲の進め方だと思う。「Paint It Black」でミックが戻ってくると、そこからはもうストーンズ流R&Rのオンパレードで、この辺りもまた東京ドーム公演とイメージが被ってくるが、ひたすらにカッコ良い。リサ・フィッシャーの歌声が響き渡る「Gimmie Shelter」も強烈な印象を残しているし、オープニングの「Start Me Up」と同じくイントロだけでガツンと来る「Brown Sugar」が登場すれば改めてそのカッコ良さに痺れる。アンコールはお決まりながらレスポールの太い音を持ち込んでのキースのプレイが思い起こされるし、自分的にはやはり東京ドーム公演を思い起こしながら聴いて見てしまうライブだが、そういう思い出に耽るのも悪くないだろう。だからこその今のリリースだし、また楽しめている。本ライブアルバムは多彩なバージョンでリリースされているので様々な形態で見聞きするのも自由だが、その東京ドームの映像がカップリングされている形態もあるし、ツアーであまり演奏されなかった楽曲を纏めてボーナス的に入れているのもあるらしく、どれだけでも楽しめるアイテムになっている。所詮1989年のライブと思っていた部分もあったがやはりストーンズはカッコ良いと、つくづくそう実感したライブアルバム。名盤。
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