Prince & The Revolution - Purple Rain (Deluxe Expanded Edition)
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Prince & The Revolution - Purple Rain (Deluxe Expanded Edition) (1984)

プリンスを最初に知ったのが正にこの「Purple Rain」時代で、MTVで気持ち悪いセンスの黒人が艶かしく床を這いつくばっているPVのイメージが強烈だった。生理本能的に気持ち悪い、と思うのは抑えられないだろうが、それを醸し出すパフォーマンスもなかなか狙いすぎないと出来ない事だったろう。今なら色々と分かるし、プリンスの才能そして売り方も含めての商品センスも理解できるが、子供心に最初に見たあのイメージは印象深かった。既にロックに手を染めていた頃に唐突に見てしまった違和感たるや凄まじく、それでも出てくる音は無茶苦茶カッコ良かったから困った。見た目と音のギャップと自分の本能とセンスのギャップ、下らない事で悩まされていたが、そういう年頃のお話。しばらくしたら周り中プリンスフィーバーで、自分もアルバム聴いてたし、さすがに映画まではなかなかその頃は見れなかったが、結局しばらくしてから見たのかな。それよりも何よりもその後しばらくしたら深夜にテレビでプリンスのライブを放送すると言うので夜中まで起きててじっくりと1時間半くらい音を絞りながら見ていた記憶があり、そのライブがこれもまた無茶苦茶カッコ良くて、そこで初めてプリンスのギタープレイの凄さもまざまざと実感した。だから自分的にはその時点からプリンスはギターヒーローでもあったし、気持ち悪い人でもあったし、ピアノも弾くし踊るし、とにかく天才とはこういう事を言うのかと思った。子供心ながらもその凄さが分かったくらいだからやはり本物の天才だったのも当たり前。
そのプリンスがこれほど早くに亡くなるとは思わなかったが、マイケル・ジャクソンもプリンスもさっさと逝ってしまった現在、改めてそのコレクションとライブラリをじっくりと楽しみ直しているが、プリンスが亡くなった時、皆が皆トリビュートした曲が「Purple Rain」で、やはり一番売れて印象に残って、さらにプリンスらしからぬプリンスとしての異質なアルバム、即ちロックに寄せた作品として知られているし、その意味ではリスナーの幅を大きく広げたアルバムとして認知されている「Purple Rain」。無茶苦茶聴いた。更にシングルカットが多かったからMTVでも散々見たし、シングルカットかどうか分からないが、PVがやたらと作られてて、ライブシーンの抜粋もあれば映画の抜粋もあったりととにかくコンテンツが山のように溢れて出てきたアルバムで、名曲揃いの作品。冒頭の「Let's Go Crazy」のペンタトニックなロックぶりから既に虜になり、「Take Me with U」のロックとファンクの合体的なノリノリのサウンドは全く斬新で、それも踊りながらプレイしていたプリンスが印象深い。脇を固めるリサとウェンディのゴスロリ感のギャップも面白く、見てて飽きなかった。「The Beautiful Ones」は時代を感じさせるドラムマシンの音がある種特徴的で気持ち悪いファルセットから始まり、その後に徐々に叫び声に変わっていきつつ歌われるこれもまた斬新な表現方法を聞かされた一曲で、陰ながら衝撃的だった。「Computer Blue」は曲よりも「コンピューター」という単語がこの時点で歌詞に登場する新鮮さが刺激的で、曲もどこか未来的なテクノを含んだ楽曲だったからかとにかくびっくりした。当時の自分にはついていけないくらいには未来感があった。そして今度は一変して卑猥さが溢れ出されている「Darling Nikki」のいやらしさ。本能で聴いててそう感じるのだから音楽は凄いし、プリンスの音の表現力の高さはそういう面でも現れている他に類を見ない楽曲。そして冒頭のロックギターからカッコ良いもののこのリズムは何者か、と意外性溢れまくっている「When Doves Cry」こそが最初にプリンスを見て知ったPVで、今聴いててもあの映像が目に浮かぶし、この楽曲の実は複雑な旋律と効果の高さがこれも素晴らしい一曲。更にこれもライブビデオが抜粋されてMTVで流れていた気がする「I Would Die 4 U」。どう取ってもロックではないサウンドなのにやたらカッコ良く聴こえてきたのも脇でひたすら刻まれる16ビートで強弱のない機械的なハイハットの音色の斬新さかもしれない。とにかく印象に残る曲で、歌詞も分かりやすかった。同じようなノリとビデオもあったはずの「Baby I'm a Star」、何ともこれ見よがしなタイトルが自信を物語っているが、そもそも映画を意識した作品だからかもしれない。正にミネアポリスサウンドと言わんばかりのお得意のビートとリズムでプリンスらしさを振りまいたノリノリのナンバー。これもまず他で聴ける事のない音。そして最後は「Purple Rain」と言わずもがなの名曲、ここでのギタープレイも凄かったがやはりライブの凄まじさは輪をかけての凄さだった。ここまでのアルバム本編も2017年にリリースされた「Purple Rain Deluxe Expanded Edition」では2015年にプリンス本人がリマスタリングしたマスターから収録されているので、音像の際立ちさもなるほどのディスク。
続いて2枚目のディスクでは同時期に制作された楽曲の未発表分や他の人のために作った作品の本人バージョンなどとかなり貴重な記録が一気に初登場したデラックス・エディションの醍醐味と言わんばかりの放出作品。先の「Computer Blue」も実は12分強もあったミックスバージョンが元々で、そこから切り出されたのがアルバムに収録されたのか、それでも全く飽きないテンションの高さが凄まじいので、この頃のプリンスの迸る才能が分かる。他の未発表曲にしても「Purple Rain」の作風とは大きく異なる曲ばかりだが、やたらと制作された曲というのは良く分かる。常に曲が出来上がっていたプリンスの天才ぶりの中でも選ばれた楽曲がアルバム「Purple Rain」に昇格して収録されたと思うと、そりゃ高品質高品位のレベル高い楽曲ばかりになろうと言うものだ。この未発表群も決して劣っている作品ではないが、どこかスジを通せないようなバラエティに富んだ作品、もしくはもっと磨けるような作品ばかりにも聴こえる。だからこその幻の楽曲群としてこうして残されており、また本ディスクのようなタイミングで陽の目を見たのだろう。それでも面白い曲調ばかりだ。3枚目のディスクは今度は各種シングルやB面、エディットバージョンやロングバージョンを一気に纏め上げており、これ以上のコレクションは不要だとばかりに纏められているありがたさ。聴くと言うよりも所有している安心感のために近いが、そもそもデラックス・エディションとはそういうものだ。
そして1985年シラキュースでのライブDVDまでもが付されているが、これこそ正に自分が深夜眠い目を擦りながら、ではなく眠い目が一気に目覚めてしまったテレビで放送していたライブそのまま。以前から映像化されていたようで、それを入手して見ていたが、ここでめでたく再登場してくれたのは嬉しい。見ているとまざまざとあの頃の思い出やこうして見てたなとの記憶も蘇り、加えてライブ映像そのものの記憶も蘇ってくる。それこそ強烈にカッコ良いオープニングの登場シーンからリサの嫌がる表情から最後のスーパーギタリストと言わんばかりの、そうジミヘン並みに弾きまくっているプリンスの魂入りまくったギターソロプレイの凄さは圧巻。ここまでギター弾ける人そんなにいない、とばかりに見ていた。当然今でもプリンスの中ではこのライブが一番好きな作品。そういったアイテムが全て一気に詰め込まれた「Purple Rain Deluxe Expanded Edition」は文句なしのプレゼント。

プリンスを最初に知ったのが正にこの「Purple Rain」時代で、MTVで気持ち悪いセンスの黒人が艶かしく床を這いつくばっているPVのイメージが強烈だった。生理本能的に気持ち悪い、と思うのは抑えられないだろうが、それを醸し出すパフォーマンスもなかなか狙いすぎないと出来ない事だったろう。今なら色々と分かるし、プリンスの才能そして売り方も含めての商品センスも理解できるが、子供心に最初に見たあのイメージは印象深かった。既にロックに手を染めていた頃に唐突に見てしまった違和感たるや凄まじく、それでも出てくる音は無茶苦茶カッコ良かったから困った。見た目と音のギャップと自分の本能とセンスのギャップ、下らない事で悩まされていたが、そういう年頃のお話。しばらくしたら周り中プリンスフィーバーで、自分もアルバム聴いてたし、さすがに映画まではなかなかその頃は見れなかったが、結局しばらくしてから見たのかな。それよりも何よりもその後しばらくしたら深夜にテレビでプリンスのライブを放送すると言うので夜中まで起きててじっくりと1時間半くらい音を絞りながら見ていた記憶があり、そのライブがこれもまた無茶苦茶カッコ良くて、そこで初めてプリンスのギタープレイの凄さもまざまざと実感した。だから自分的にはその時点からプリンスはギターヒーローでもあったし、気持ち悪い人でもあったし、ピアノも弾くし踊るし、とにかく天才とはこういう事を言うのかと思った。子供心ながらもその凄さが分かったくらいだからやはり本物の天才だったのも当たり前。
そのプリンスがこれほど早くに亡くなるとは思わなかったが、マイケル・ジャクソンもプリンスもさっさと逝ってしまった現在、改めてそのコレクションとライブラリをじっくりと楽しみ直しているが、プリンスが亡くなった時、皆が皆トリビュートした曲が「Purple Rain」で、やはり一番売れて印象に残って、さらにプリンスらしからぬプリンスとしての異質なアルバム、即ちロックに寄せた作品として知られているし、その意味ではリスナーの幅を大きく広げたアルバムとして認知されている「Purple Rain」。無茶苦茶聴いた。更にシングルカットが多かったからMTVでも散々見たし、シングルカットかどうか分からないが、PVがやたらと作られてて、ライブシーンの抜粋もあれば映画の抜粋もあったりととにかくコンテンツが山のように溢れて出てきたアルバムで、名曲揃いの作品。冒頭の「Let's Go Crazy」のペンタトニックなロックぶりから既に虜になり、「Take Me with U」のロックとファンクの合体的なノリノリのサウンドは全く斬新で、それも踊りながらプレイしていたプリンスが印象深い。脇を固めるリサとウェンディのゴスロリ感のギャップも面白く、見てて飽きなかった。「The Beautiful Ones」は時代を感じさせるドラムマシンの音がある種特徴的で気持ち悪いファルセットから始まり、その後に徐々に叫び声に変わっていきつつ歌われるこれもまた斬新な表現方法を聞かされた一曲で、陰ながら衝撃的だった。「Computer Blue」は曲よりも「コンピューター」という単語がこの時点で歌詞に登場する新鮮さが刺激的で、曲もどこか未来的なテクノを含んだ楽曲だったからかとにかくびっくりした。当時の自分にはついていけないくらいには未来感があった。そして今度は一変して卑猥さが溢れ出されている「Darling Nikki」のいやらしさ。本能で聴いててそう感じるのだから音楽は凄いし、プリンスの音の表現力の高さはそういう面でも現れている他に類を見ない楽曲。そして冒頭のロックギターからカッコ良いもののこのリズムは何者か、と意外性溢れまくっている「When Doves Cry」こそが最初にプリンスを見て知ったPVで、今聴いててもあの映像が目に浮かぶし、この楽曲の実は複雑な旋律と効果の高さがこれも素晴らしい一曲。更にこれもライブビデオが抜粋されてMTVで流れていた気がする「I Would Die 4 U」。どう取ってもロックではないサウンドなのにやたらカッコ良く聴こえてきたのも脇でひたすら刻まれる16ビートで強弱のない機械的なハイハットの音色の斬新さかもしれない。とにかく印象に残る曲で、歌詞も分かりやすかった。同じようなノリとビデオもあったはずの「Baby I'm a Star」、何ともこれ見よがしなタイトルが自信を物語っているが、そもそも映画を意識した作品だからかもしれない。正にミネアポリスサウンドと言わんばかりのお得意のビートとリズムでプリンスらしさを振りまいたノリノリのナンバー。これもまず他で聴ける事のない音。そして最後は「Purple Rain」と言わずもがなの名曲、ここでのギタープレイも凄かったがやはりライブの凄まじさは輪をかけての凄さだった。ここまでのアルバム本編も2017年にリリースされた「Purple Rain Deluxe Expanded Edition」では2015年にプリンス本人がリマスタリングしたマスターから収録されているので、音像の際立ちさもなるほどのディスク。
続いて2枚目のディスクでは同時期に制作された楽曲の未発表分や他の人のために作った作品の本人バージョンなどとかなり貴重な記録が一気に初登場したデラックス・エディションの醍醐味と言わんばかりの放出作品。先の「Computer Blue」も実は12分強もあったミックスバージョンが元々で、そこから切り出されたのがアルバムに収録されたのか、それでも全く飽きないテンションの高さが凄まじいので、この頃のプリンスの迸る才能が分かる。他の未発表曲にしても「Purple Rain」の作風とは大きく異なる曲ばかりだが、やたらと制作された曲というのは良く分かる。常に曲が出来上がっていたプリンスの天才ぶりの中でも選ばれた楽曲がアルバム「Purple Rain」に昇格して収録されたと思うと、そりゃ高品質高品位のレベル高い楽曲ばかりになろうと言うものだ。この未発表群も決して劣っている作品ではないが、どこかスジを通せないようなバラエティに富んだ作品、もしくはもっと磨けるような作品ばかりにも聴こえる。だからこその幻の楽曲群としてこうして残されており、また本ディスクのようなタイミングで陽の目を見たのだろう。それでも面白い曲調ばかりだ。3枚目のディスクは今度は各種シングルやB面、エディットバージョンやロングバージョンを一気に纏め上げており、これ以上のコレクションは不要だとばかりに纏められているありがたさ。聴くと言うよりも所有している安心感のために近いが、そもそもデラックス・エディションとはそういうものだ。
そして1985年シラキュースでのライブDVDまでもが付されているが、これこそ正に自分が深夜眠い目を擦りながら、ではなく眠い目が一気に目覚めてしまったテレビで放送していたライブそのまま。以前から映像化されていたようで、それを入手して見ていたが、ここでめでたく再登場してくれたのは嬉しい。見ているとまざまざとあの頃の思い出やこうして見てたなとの記憶も蘇り、加えてライブ映像そのものの記憶も蘇ってくる。それこそ強烈にカッコ良いオープニングの登場シーンからリサの嫌がる表情から最後のスーパーギタリストと言わんばかりの、そうジミヘン並みに弾きまくっているプリンスの魂入りまくったギターソロプレイの凄さは圧巻。ここまでギター弾ける人そんなにいない、とばかりに見ていた。当然今でもプリンスの中ではこのライブが一番好きな作品。そういったアイテムが全て一気に詰め込まれた「Purple Rain Deluxe Expanded Edition」は文句なしのプレゼント。
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