Orianthi - O
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Orianthi - O (2020)

YouTubeが一般的になってからは素人でも動画がアップロード出来るようになったから、とんでもない才能をその動画で発掘する事にもなり、話題となる場合も多いが、ミュージシャンの場合も同じようにメンバーを見つけるためにも使われるし、はたまた新たなる才能を発掘する際にも用いられている。そこへ正に時代の寵児とばかりに話題となるのが子供達によるとんでもないプレイの才能の見せ合い的な動画も登場してきて、まだ10才にも満たないのに凄いギター弾いたりドラム叩いたりと話題になる。そこまででもないが、10代なのにとんでもないギターソロプレイが弾けたり叩けたり、とそこからプロになっているミュージシャンも今やも少なくもないだろう。ただ、この手の才能で勘違いしがちなのが、ただ若い頃から弾けるだけ、という側面で、そこから20代にもなれば大抵は普通のギタリストと大して変わらないプレイに落ち着いているあたり、即ち天才でもなければ単なるプレイヤーとして優秀なだけ、ギターを弾くセンスはあったと思われるが、だからと言ってどこか突出したミュージシャンになれるワケでもない。幼少から騒がれて今でもその座にいる真の天才は数少ない。それどころか若い頃は目立ったが、いつしかシーンからも消え去っている人も多いから、結局は才能があるかないか、それを活かせるか否かと言うような話になるのだろう。
10年ほど前にとんでもない女性ギタリストがオージーから出てきた。しかもサンタナやスティーブ・ヴァイとの共演歴もあり、正に女性天才ギタリストとの触れ込みで話題だったし、実際動画見たり音を聴いたりすると、これがホントにまだ十代の女性ギタリストのプレイかと驚くばかりのセンスだったオリアンティ。マイケル・ジャクソンの幻となった最後のツアーのギタリストとして抜擢されたのも話題となったが、その後はアリス・クーパーのツアーでギタリストを務め、ソロEP「Violet Journey」から始まり、アルバム「Believe」をリリース、さらにシングル「According To You」は割とヒットした曲となった。続いてのアルバム「Heaven in This Hell」はこれもまたなかなかソリッドで深みのあるアルバムに仕上がり、オリアンティ自身の音楽性がどこに向いているのかはさておき、ギタリストしすぎていない、普通に女性ロックシンガー的なスタンスでの売り方はもったいない部分もありつつ納得の作品だった。そこからパタンと音沙汰が消え去ったと思ったらボン・ジョヴィのリッチー・サンボラと出会っての年齢差倍くらいのロマンスにハマりまくり、どこでも一緒状態、ツアーでもライブでもそりゃギタリストとのままだから常に二人でステージにライブハウスにセッション活動に参加していた。勿体無いと思う半面、そういう幸せもあるだろのだろうとも理解はするが、やはり独自の路線で歩んでいたらどれだけ面白かったかとも想像する。そんな側面もありつつ、前作から7年ぶりくらいでリッチー・サンボラを抜きにしてのソロアルバム「O」がようやくにして届けられた。「Sinners Hymn」のPVを先に見たので随分ブルージーに寄りつつさすがの腕前、それに加えての色気が増したと別の見方をしていたが、その次のPVシングル「Impulsive」を見てびっくり。ここまでセクシー路線をギタリストが出す必要もあったのか、売るためなら的な面が強いのか、そういう方向性が好みなのか、普段のライブの衣装を見てても嫌いじゃないのだろうとは思うが、かなり驚いた。そしてアルバムジャケットでも分かるように、しばらくシーンで見なかったウチに妖艶さを増しまくって、ここまでケバく色気プンプンの女性になっていた。まずはそんな外見とスタンス面での変化にドギマギしてのアルバムを聴いた。
一言で言うなら普通にロック。女性ロックシンガーが奏でる歌もギターも普通にロック。メタルじゃないしハードロックでもないし、普通に歪んだギターを中心にしたオーソドックスなロックサウンドで、ギターソロにしても弾きすぎる事なく、適所に普通にソロが入ってくる程度でテクニックをひけらかすでもなく、曲にマッチしたプレイを鮮やかな音色で繰り広げているばかり。その鮮やかさはさすがオリアンティと唸らされるばかりだが、個性的なフレーズが固まっている様子でもないので、上手いし凄いしインパクトもあるが、どこか残らないような味わい。それでも楽曲のキャッチーさはどの曲もしっかりしているし、シーンを眺めてみればこういう女性ロッカーもいまはあまり見当たらないだろうから、ちょいと突出した個性とも言える。更に、どの曲も粒ぞろいのハイレベルなのでアルバムの出来映えは相当にレベル高い気がする。じっくりと何度か聴いてみると最新のデジタル音を取り入れた曲もあればオーソドックスなロックもあり、歌を聴かせる作風も板に付いているし、幅広くプレイを活かした聴き応えのある作品に仕上がっている。好みかどうかはジャケット次第だが、良いアルバムだと思う。アルバムリリースを待ち望んでいたが、こういう出し方されると少々がっくり感があるのはギタリストに振ってきていないからだろう。それでもこういう作品以外出せたか、となればそりゃこうなるか、と納得はしている微妙な想い入れを味わったアルバム。

YouTubeが一般的になってからは素人でも動画がアップロード出来るようになったから、とんでもない才能をその動画で発掘する事にもなり、話題となる場合も多いが、ミュージシャンの場合も同じようにメンバーを見つけるためにも使われるし、はたまた新たなる才能を発掘する際にも用いられている。そこへ正に時代の寵児とばかりに話題となるのが子供達によるとんでもないプレイの才能の見せ合い的な動画も登場してきて、まだ10才にも満たないのに凄いギター弾いたりドラム叩いたりと話題になる。そこまででもないが、10代なのにとんでもないギターソロプレイが弾けたり叩けたり、とそこからプロになっているミュージシャンも今やも少なくもないだろう。ただ、この手の才能で勘違いしがちなのが、ただ若い頃から弾けるだけ、という側面で、そこから20代にもなれば大抵は普通のギタリストと大して変わらないプレイに落ち着いているあたり、即ち天才でもなければ単なるプレイヤーとして優秀なだけ、ギターを弾くセンスはあったと思われるが、だからと言ってどこか突出したミュージシャンになれるワケでもない。幼少から騒がれて今でもその座にいる真の天才は数少ない。それどころか若い頃は目立ったが、いつしかシーンからも消え去っている人も多いから、結局は才能があるかないか、それを活かせるか否かと言うような話になるのだろう。
10年ほど前にとんでもない女性ギタリストがオージーから出てきた。しかもサンタナやスティーブ・ヴァイとの共演歴もあり、正に女性天才ギタリストとの触れ込みで話題だったし、実際動画見たり音を聴いたりすると、これがホントにまだ十代の女性ギタリストのプレイかと驚くばかりのセンスだったオリアンティ。マイケル・ジャクソンの幻となった最後のツアーのギタリストとして抜擢されたのも話題となったが、その後はアリス・クーパーのツアーでギタリストを務め、ソロEP「Violet Journey」から始まり、アルバム「Believe」をリリース、さらにシングル「According To You」は割とヒットした曲となった。続いてのアルバム「Heaven in This Hell」はこれもまたなかなかソリッドで深みのあるアルバムに仕上がり、オリアンティ自身の音楽性がどこに向いているのかはさておき、ギタリストしすぎていない、普通に女性ロックシンガー的なスタンスでの売り方はもったいない部分もありつつ納得の作品だった。そこからパタンと音沙汰が消え去ったと思ったらボン・ジョヴィのリッチー・サンボラと出会っての年齢差倍くらいのロマンスにハマりまくり、どこでも一緒状態、ツアーでもライブでもそりゃギタリストとのままだから常に二人でステージにライブハウスにセッション活動に参加していた。勿体無いと思う半面、そういう幸せもあるだろのだろうとも理解はするが、やはり独自の路線で歩んでいたらどれだけ面白かったかとも想像する。そんな側面もありつつ、前作から7年ぶりくらいでリッチー・サンボラを抜きにしてのソロアルバム「O」がようやくにして届けられた。「Sinners Hymn」のPVを先に見たので随分ブルージーに寄りつつさすがの腕前、それに加えての色気が増したと別の見方をしていたが、その次のPVシングル「Impulsive」を見てびっくり。ここまでセクシー路線をギタリストが出す必要もあったのか、売るためなら的な面が強いのか、そういう方向性が好みなのか、普段のライブの衣装を見てても嫌いじゃないのだろうとは思うが、かなり驚いた。そしてアルバムジャケットでも分かるように、しばらくシーンで見なかったウチに妖艶さを増しまくって、ここまでケバく色気プンプンの女性になっていた。まずはそんな外見とスタンス面での変化にドギマギしてのアルバムを聴いた。
一言で言うなら普通にロック。女性ロックシンガーが奏でる歌もギターも普通にロック。メタルじゃないしハードロックでもないし、普通に歪んだギターを中心にしたオーソドックスなロックサウンドで、ギターソロにしても弾きすぎる事なく、適所に普通にソロが入ってくる程度でテクニックをひけらかすでもなく、曲にマッチしたプレイを鮮やかな音色で繰り広げているばかり。その鮮やかさはさすがオリアンティと唸らされるばかりだが、個性的なフレーズが固まっている様子でもないので、上手いし凄いしインパクトもあるが、どこか残らないような味わい。それでも楽曲のキャッチーさはどの曲もしっかりしているし、シーンを眺めてみればこういう女性ロッカーもいまはあまり見当たらないだろうから、ちょいと突出した個性とも言える。更に、どの曲も粒ぞろいのハイレベルなのでアルバムの出来映えは相当にレベル高い気がする。じっくりと何度か聴いてみると最新のデジタル音を取り入れた曲もあればオーソドックスなロックもあり、歌を聴かせる作風も板に付いているし、幅広くプレイを活かした聴き応えのある作品に仕上がっている。好みかどうかはジャケット次第だが、良いアルバムだと思う。アルバムリリースを待ち望んでいたが、こういう出し方されると少々がっくり感があるのはギタリストに振ってきていないからだろう。それでもこういう作品以外出せたか、となればそりゃこうなるか、と納得はしている微妙な想い入れを味わったアルバム。
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