AC/DC - Power Up
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AC/DC - Power Up (2020)

70年代からシーンをリードしてきたバンドも今じゃいつ死んでもおかしくないくらいには歳を取っているし、ざっと見ても60代オーバーが普通の状況。60年代の人気バンド連中は皆70代から80才辺りだから、活動していなくて普通だし、生きてるだけでも御の字状態と思われるが、ここ数年は70年代のバンドの主が続々と訃報に見舞われている。エディのショックは大きいが、それ以外でも毎日のようにあの人が、という報を目にするようになっている。その中で地味ながらもそれは痛手だったろうと思われたのがAC/DCのマルコム・ヤングで、バンドを語る際にはほとんど出てこないし、ライブステージでも地味だったから目立つことも無かったが、アルバム作りや曲作り、そしてAC/DCの精神的支柱という面でも存在感が大きかっただろう。そもそもAC/DCのあのリズムに突き動かされるようなギターリフの大半はマルコム・ヤングが編み出していたと言うから驚く。アンガス・ヤングは単なるパフォーマーだったのかと思うくらいの位置付けの違いだが、この兄弟の生み出したグルーブ、ドライブ感、ギターリフの数々は同じことをやり続けていながらシーンのトップに君臨している歴史が証明しており、単にカッコ良い、を超えている。そんなAC/DCのアンガス・ヤングがその訃報すらをもパワーに変えて新作をリリースしてきたのが「Power Up」。
更に黄金期の「Back in Black」「For Those About to Rock」を作り出したバンドのメンバーが再度集まっている事からもアンガス・ヤングに気合が入ったのか、いつも通りのスタイルをそのまま踏襲して作り上げたのか、噂では2008年のアルバム「Black Ice」製作時のギターリフや楽曲の破片から作り上げた作品らしく、だからこそマルコム・ヤングのリフも使われていてクレジットされているとの話で、その辺りはバンドの中まで入らないと分からない話となるが、その話も信じられるくらいにどの曲も、ホントにどの曲も今までのAC/DCと何ら変わる所なくギタードライブの詰め込まれたリフの嵐で、どこかバンドが変わったのか、との錯覚すら覚える始末。しかもホントにあの黄金期の音そのままが出てきているし、曲すらもその流れのままで、前作が「Back in Black」だったからその続きのアルバムが本作、と言わんばかりのハイクォリティ、気合の一枚。それでいてアルバムのタイトルが「Power Up」だから全く恐れ入る。しかも今作を聴いてて地味にカッコ良くて突き刺さってくるのがどの曲にも入ってくるアンガス・ヤングのオブリガードソロプレイギターで、ここまで流暢にギター弾いていたのかと思うくらいに流れる旋律があちらこちらで鳴らされている。これまでもあったのだろうが、そこにはなかなか耳が向かなかったのかもしれない。妙に生き生きとそのフレージングが聴こえてきて新鮮にすら聴こえていた。合わせてこのギターリフとグルーブだ。シングルカットされた「Shot In The Dark」一曲を聴いても分かるように、何ら変わらないし、この一曲がシングル向きだったかと言われても、他の曲も十二分にシングル曲の要素が詰め込まれた作品に聴こえるのでアルバムのクォリティの高さが伺える。
ブライアン・ジョンソンがこの歳でこの歌声なのか、と驚く。相変わらずのダミ声ハイトーンが出てくるし、ギターリフの中では90年代を制覇した「Blow Up Your Video」のような使い方も普通に出てくるし、AC/DCなりに進化した最終型が聴けるとも言える。これまで発表したアルバム、リフ、リズムやフレーズが存分に生かされた集大成の頂点とも捉えられるし、その意味でザ・AC/DCのアルバムと捉えるが賢明。アルバム一枚40分強しかないが、最も聴きやすく、アナログ時代に慣れた耳には丁度良いサイズで味わえるAC/DC傑作12曲。思う存分にロックンロールしてくれ。

70年代からシーンをリードしてきたバンドも今じゃいつ死んでもおかしくないくらいには歳を取っているし、ざっと見ても60代オーバーが普通の状況。60年代の人気バンド連中は皆70代から80才辺りだから、活動していなくて普通だし、生きてるだけでも御の字状態と思われるが、ここ数年は70年代のバンドの主が続々と訃報に見舞われている。エディのショックは大きいが、それ以外でも毎日のようにあの人が、という報を目にするようになっている。その中で地味ながらもそれは痛手だったろうと思われたのがAC/DCのマルコム・ヤングで、バンドを語る際にはほとんど出てこないし、ライブステージでも地味だったから目立つことも無かったが、アルバム作りや曲作り、そしてAC/DCの精神的支柱という面でも存在感が大きかっただろう。そもそもAC/DCのあのリズムに突き動かされるようなギターリフの大半はマルコム・ヤングが編み出していたと言うから驚く。アンガス・ヤングは単なるパフォーマーだったのかと思うくらいの位置付けの違いだが、この兄弟の生み出したグルーブ、ドライブ感、ギターリフの数々は同じことをやり続けていながらシーンのトップに君臨している歴史が証明しており、単にカッコ良い、を超えている。そんなAC/DCのアンガス・ヤングがその訃報すらをもパワーに変えて新作をリリースしてきたのが「Power Up」。
更に黄金期の「Back in Black」「For Those About to Rock」を作り出したバンドのメンバーが再度集まっている事からもアンガス・ヤングに気合が入ったのか、いつも通りのスタイルをそのまま踏襲して作り上げたのか、噂では2008年のアルバム「Black Ice」製作時のギターリフや楽曲の破片から作り上げた作品らしく、だからこそマルコム・ヤングのリフも使われていてクレジットされているとの話で、その辺りはバンドの中まで入らないと分からない話となるが、その話も信じられるくらいにどの曲も、ホントにどの曲も今までのAC/DCと何ら変わる所なくギタードライブの詰め込まれたリフの嵐で、どこかバンドが変わったのか、との錯覚すら覚える始末。しかもホントにあの黄金期の音そのままが出てきているし、曲すらもその流れのままで、前作が「Back in Black」だったからその続きのアルバムが本作、と言わんばかりのハイクォリティ、気合の一枚。それでいてアルバムのタイトルが「Power Up」だから全く恐れ入る。しかも今作を聴いてて地味にカッコ良くて突き刺さってくるのがどの曲にも入ってくるアンガス・ヤングのオブリガードソロプレイギターで、ここまで流暢にギター弾いていたのかと思うくらいに流れる旋律があちらこちらで鳴らされている。これまでもあったのだろうが、そこにはなかなか耳が向かなかったのかもしれない。妙に生き生きとそのフレージングが聴こえてきて新鮮にすら聴こえていた。合わせてこのギターリフとグルーブだ。シングルカットされた「Shot In The Dark」一曲を聴いても分かるように、何ら変わらないし、この一曲がシングル向きだったかと言われても、他の曲も十二分にシングル曲の要素が詰め込まれた作品に聴こえるのでアルバムのクォリティの高さが伺える。
ブライアン・ジョンソンがこの歳でこの歌声なのか、と驚く。相変わらずのダミ声ハイトーンが出てくるし、ギターリフの中では90年代を制覇した「Blow Up Your Video」のような使い方も普通に出てくるし、AC/DCなりに進化した最終型が聴けるとも言える。これまで発表したアルバム、リフ、リズムやフレーズが存分に生かされた集大成の頂点とも捉えられるし、その意味でザ・AC/DCのアルバムと捉えるが賢明。アルバム一枚40分強しかないが、最も聴きやすく、アナログ時代に慣れた耳には丁度良いサイズで味わえるAC/DC傑作12曲。思う存分にロックンロールしてくれ。
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