Detective - Detective
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Detective - Detective (1977)

Detectiveとの出会いはヴォーカリスト、マイケル・デ・バレスがSilverheadを解散した後にアメリカに渡って新たに組んだバンドと知ってから、また、Led ZeppelinのSwan Songレーベルからバドカンに続いてマギー・ベルもリリースされ、その後にジミー・ペイジに発掘されて契約にこぎつけたバンド、との逸話からだ。とは言え、中古レコード屋を散々覗いてもそうそう簡単には見つからない程度には珍盤扱いだったのは1980年代の話で、CD時代になってからは割と早い時期に再発されていた気がする。自分的にはそれでもアナログで結構探して割と状態の良い国内盤を見つけて手に入れた記憶があるが、中身の音はそこまでしっかりとインプットされたサウンドではなかった。それでもスワンソングレーベルのあのロゴがレコード中央に燦然と輝いていただけでカッコ良かったし、マイケル・デ・バレスのオシャレなスーツ姿もどうしたものかと見ていた。その後プログレあたりを知ってから、このバンドに初期イエスの鍵盤奏者のトニー・ケイが参加している事、更にはあの伝説のステッペンウルフのヒット曲を散々放っていた黄金時代のギタリストだったマイケル・モナークも参加している、実はスーパーバンドに近かった事も少々後に知る事となった。肝心のジミー・ペイジが気に入ったのはジョン・ハイドのボンゾばりのドラミングだった様子で、なるほどイージーに音だけで選ぶのでもなく、ロサンゼルスのライブハウスでそういう面子でライブやっているからとのお触れ付きがあって見つけたバンドだったか。
Detectiveの1977年リリースのデビューアルバム「Detective」は時代的には英国ではパンク真っ盛り、アメリカではディスコブーム、ブラコンあたりの最全盛期とロック目線では革新的でもなければ目立ちにくい時代だった。それでも日本のメディア、当然Zeppelin現役時代のSwan Songプッシュのバンドと言うだけで話題にしておけば売れたという読みは正しく、日本では割と知名度も高く知られたバンドとなっているようだ。アルバムを聴いてみると、最初に知られるようになった「Recognation」が冒頭を飾り、随分と地味な曲からアルバムが始まるので、後追いで聴く自分達には少々肩透かしな印象を持つ。ところが2曲目の「Got Enough Love 」、続いての「Grim Reaper」でのドラムの音を聴くと、モロにZeppelinの音、ボンゾのドラムの音そのままなので驚きを通り越して感激する。その筋では知られたアンディ・ジョーンズとジミー・ペイジが変名ジミー・ロビンソンでプロデュースしているから当然この頃のジミー・ペイジの感覚による音作りでこうなっているようだが、あまりにもあまりにもの音色。凄い。ボンゾに似たタイプのドラミングだからと言ってこうまでしたらそのままの音になってしまったと。ただ、モノマネとも言えず、しっかりしたドラミングが聴けるから頼もしい。ついでにフレーズの組み立て方やドラムとリフの絡みの妙、拍がズレたような感じのするドラムパターンとギターリフの合わせ技もしっかり出てくるし、マイケル・デ・バレスの歌にしてもその隙きをキチンと縫って、まるでロバート・プラントであるかのように歌を入れてくるセンスもZeppelin的。このドラミングの妙はアルバム全編の所々で聴かれ、「Wild Hot Summer Nights 」や「One More Heartache 」でのプレイも同様にビシバシ決まって来るので頼もしいセンス。Zeppelinと大きく異なるのはギターが目立ち過ぎずに鍵盤が間を埋めるパターンが多い事だろうか、トニー・ケイが加入したのはアルバム録音終了後と言われているのであまり意識した当然のアレンジとも思えないが、無茶苦茶センスの良いバンドアレンジはジミー・ペイジの手によるものだろう。黄金期のZeppelinのアレンジが他のバンドで、しかも実力派のメンバーを使って聴けるのは実に面白い体験で、貴重な音源を耳にしているとも思うから、一度はじっくりと聴いてみるとその妙技が味わえる。当時から今に至るまでこれだけZeppelinサウンドを模倣しているのにモノマネと言われないのは、やはりジミー・ペイジ本人がそういう意思で創り上げているアルバムだからだろう。となるとジミー・ペイジのひとつの作品として認識して聴いた方が賢明だし、十二分にその才覚を楽しめる仕上がりになっている。
一方ディテクティブと言うバンド自身のスタンスはどうだったのだろうか。元々彼らが曲作りをしているので、音楽的な接点はそこまででもないが、音作りとアレンジ、おそらくはフレーズの組み立て方の妙技辺りはジミー・ペイジも関わっていただろう。素直に受け付ければバンド的には成功者の知恵をそのまま受け継ぐのみだが、プロ中のプロミュージシャンの集団だからそれも当然の如く受け止めての演奏だったろう。これが新人バンドあたりだと跳ねっ返りで決裂しただろうとも思えるが、売れるためには、との意思が強かったと思われる。それにしても面白いアルバムだ。ディテクティブと言うバンドを捉えるのではなく、Zeppelinのサウンドを他のメンバーが取り組んでもそれなりに音が出来上がる見本として聴いていた。言い換えるとディテクティブらしさはマイケル・デ・バレスのボーカルスタイルでさえほとんど感じられる事のないアルバムだったかもしれない。なかなか難しい捉え方だが、単純にZeppelinを味わう楽しみ、として捉えておこう。

Detectiveとの出会いはヴォーカリスト、マイケル・デ・バレスがSilverheadを解散した後にアメリカに渡って新たに組んだバンドと知ってから、また、Led ZeppelinのSwan Songレーベルからバドカンに続いてマギー・ベルもリリースされ、その後にジミー・ペイジに発掘されて契約にこぎつけたバンド、との逸話からだ。とは言え、中古レコード屋を散々覗いてもそうそう簡単には見つからない程度には珍盤扱いだったのは1980年代の話で、CD時代になってからは割と早い時期に再発されていた気がする。自分的にはそれでもアナログで結構探して割と状態の良い国内盤を見つけて手に入れた記憶があるが、中身の音はそこまでしっかりとインプットされたサウンドではなかった。それでもスワンソングレーベルのあのロゴがレコード中央に燦然と輝いていただけでカッコ良かったし、マイケル・デ・バレスのオシャレなスーツ姿もどうしたものかと見ていた。その後プログレあたりを知ってから、このバンドに初期イエスの鍵盤奏者のトニー・ケイが参加している事、更にはあの伝説のステッペンウルフのヒット曲を散々放っていた黄金時代のギタリストだったマイケル・モナークも参加している、実はスーパーバンドに近かった事も少々後に知る事となった。肝心のジミー・ペイジが気に入ったのはジョン・ハイドのボンゾばりのドラミングだった様子で、なるほどイージーに音だけで選ぶのでもなく、ロサンゼルスのライブハウスでそういう面子でライブやっているからとのお触れ付きがあって見つけたバンドだったか。
Detectiveの1977年リリースのデビューアルバム「Detective」は時代的には英国ではパンク真っ盛り、アメリカではディスコブーム、ブラコンあたりの最全盛期とロック目線では革新的でもなければ目立ちにくい時代だった。それでも日本のメディア、当然Zeppelin現役時代のSwan Songプッシュのバンドと言うだけで話題にしておけば売れたという読みは正しく、日本では割と知名度も高く知られたバンドとなっているようだ。アルバムを聴いてみると、最初に知られるようになった「Recognation」が冒頭を飾り、随分と地味な曲からアルバムが始まるので、後追いで聴く自分達には少々肩透かしな印象を持つ。ところが2曲目の「Got Enough Love 」、続いての「Grim Reaper」でのドラムの音を聴くと、モロにZeppelinの音、ボンゾのドラムの音そのままなので驚きを通り越して感激する。その筋では知られたアンディ・ジョーンズとジミー・ペイジが変名ジミー・ロビンソンでプロデュースしているから当然この頃のジミー・ペイジの感覚による音作りでこうなっているようだが、あまりにもあまりにもの音色。凄い。ボンゾに似たタイプのドラミングだからと言ってこうまでしたらそのままの音になってしまったと。ただ、モノマネとも言えず、しっかりしたドラミングが聴けるから頼もしい。ついでにフレーズの組み立て方やドラムとリフの絡みの妙、拍がズレたような感じのするドラムパターンとギターリフの合わせ技もしっかり出てくるし、マイケル・デ・バレスの歌にしてもその隙きをキチンと縫って、まるでロバート・プラントであるかのように歌を入れてくるセンスもZeppelin的。このドラミングの妙はアルバム全編の所々で聴かれ、「Wild Hot Summer Nights 」や「One More Heartache 」でのプレイも同様にビシバシ決まって来るので頼もしいセンス。Zeppelinと大きく異なるのはギターが目立ち過ぎずに鍵盤が間を埋めるパターンが多い事だろうか、トニー・ケイが加入したのはアルバム録音終了後と言われているのであまり意識した当然のアレンジとも思えないが、無茶苦茶センスの良いバンドアレンジはジミー・ペイジの手によるものだろう。黄金期のZeppelinのアレンジが他のバンドで、しかも実力派のメンバーを使って聴けるのは実に面白い体験で、貴重な音源を耳にしているとも思うから、一度はじっくりと聴いてみるとその妙技が味わえる。当時から今に至るまでこれだけZeppelinサウンドを模倣しているのにモノマネと言われないのは、やはりジミー・ペイジ本人がそういう意思で創り上げているアルバムだからだろう。となるとジミー・ペイジのひとつの作品として認識して聴いた方が賢明だし、十二分にその才覚を楽しめる仕上がりになっている。
一方ディテクティブと言うバンド自身のスタンスはどうだったのだろうか。元々彼らが曲作りをしているので、音楽的な接点はそこまででもないが、音作りとアレンジ、おそらくはフレーズの組み立て方の妙技辺りはジミー・ペイジも関わっていただろう。素直に受け付ければバンド的には成功者の知恵をそのまま受け継ぐのみだが、プロ中のプロミュージシャンの集団だからそれも当然の如く受け止めての演奏だったろう。これが新人バンドあたりだと跳ねっ返りで決裂しただろうとも思えるが、売れるためには、との意思が強かったと思われる。それにしても面白いアルバムだ。ディテクティブと言うバンドを捉えるのではなく、Zeppelinのサウンドを他のメンバーが取り組んでもそれなりに音が出来上がる見本として聴いていた。言い換えるとディテクティブらしさはマイケル・デ・バレスのボーカルスタイルでさえほとんど感じられる事のないアルバムだったかもしれない。なかなか難しい捉え方だが、単純にZeppelinを味わう楽しみ、として捉えておこう。
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