Janis Joplin - I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama!
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Janis Joplin - I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama! (1969)

何十年の前のレコード時代に出会って聴いていた古き良きロックの世界もその後CD時代となり、デジタルDL時代と進化していったが、メディアの変貌だけでなく、当然ながらそれだけの時間が経過していく中で、新たに発見された情報や細かいクレジットや背景や逸話、更に音源が残されている場合はその貴重なセッションやデモ音源までもがオフィシャルで堂々と陽の目を浴びるようになり、以前は噂されていただけのレベルも実際に音を聴いたり、関係者がライナーやクレジットをきちんと書き直していたり、当時は細かいクレジットが出来なかったのが、今なら普通に出来てしまうようになったのは著作権の関係か、本人没後だからか理由はよく分からないが、自分が聴いていた時代にはまるで判明していなかった事実が今なら細かく判明している場合も多く、たかが15年前でも出て来ていなかった事実ですら今ならもう少し判明しているのは発見。今回色々と聴き直すに当たってやはりクレジット関係を眺めたりしていると、そういう事だったのか、と色々な発見があり、今回のアルバムでもそれは同じくで、まさかまさかの詳細情報に感激していた。当然久々に聴いた音楽そのものも改めて感激する素晴らしさを実感したのは言うまでもない。
Janis Joplinの1969年リリース作品「I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama!」は今の時代に至るまでさほどの増強盤としてリリースされていない。1999年リリース盤にボブ・ディランの「Dear Landlord」をジャニスがアレンジして歌っているセッションが1曲追加され、「Summertime」と「Piece of My Heart」はウッドストックのライブバージョンが入っていたので、今では丸ごとリリースされているライブソース。よって、精々「Dear Landlord」の貴重さ程度となっているがレコーディングクレジットを見ていると1969年6月16日〜26日の間で録音されただけで、9月にはアルバムがリリースされているから、当然アウトテイクや未発表曲なども出てくる時間的余裕も無かったと思われる。ここまで短期間で仕上げなければいけなかったのも多分ジャニスの都合だったろうから、レーベル側は焦ってたか急がせてたかじゃないかと勝手に想像しているが、その期間の短さは確かに収録されている曲がカバー曲ばかりと見ると納得もする。ジャニスの場合はオリジナル曲じゃなければとのこだわりは特に無かっただろうからこういうものだったろうが、それでもジャニスが書いた曲、手を加えた曲は幾つかあり、更にユニークなのはニック・グレイヴナイツの曲が2曲も入っているあたり。この頃のサンフランシスコ周辺なので、当時ニック・グレイヴナイツが在籍していたマイク・ブルームフィールド率いるElectric Flagとの邂逅は常にあったのも想像できる。その流れからの楽曲提供、と言うかジャニスがニック・グレイヴナイツに何かレコーディング向きの曲ないかと言って借り受けたような気すらするが、真相は如何に。そして、以前からクレジットには記載されていないがマイク・ブルームフィールドがギターで参加している噂はあり、その噂を信じてアルバムを聴くと「One Good Man」は確実にマイク・ブルームフィールドのフレーズそのままだとは自分でも分かっていた。ところが今の時代にあれこれ情報を漁ってみれば、何と驚く事に「Maybe」「One Good Man」「To Love Somebody」「Work Me, Lord」の4曲でギターを弾いていたらしい。それを意識して聴いているとなるほど、地味に目立たないように弾いているフレーズが多いながらも繊細でセンスの迸るフレージングは確かにマイク・ブルームフィールドかもしれない、と思えるギターが聴けるので何度も何度も聴き直してしまった。はっきり分からないが、大雑把に弾くプレイはマイク・ブルームフィールドではなく、きちんと細かく繊細にカッティングにしても細かいフレーズにしても緻密さが感じられるのはマイク・ブルームフィールドのプレイのようだ。上記4曲ではそういうギターが冒頭から後ろの方でずっと聴こえてくるので面白い。
そしてアルバムそのものが、ここまで伸びやかで幸せ感に溢れるジャニスの歌声と楽曲とはあまり意識しなかったが、改めて聴いているとこの頃は全然悲壮感など漂っておらず、恐らく最絶頂期とも言わんばかりの歌声が聴ける。「ブルースに葬られて」と言われていながらもこの作品ではいわゆるブルースらしい作風でもなく、また歌でもなく、艷やかでソウルフルな、そして感情表現の豊かなボーカルが曲に馴染んで聴ける代物。それこそがブルースと言えばその通りだが、昔から抱いていた感覚とは少々異なった雰囲気を感じたのは時代の経過と自身の年齢のせいかもしれない。ジャニスの25歳頃の歌がそう響くのだからロックは面白い。あまりにも心地良く聴けるので何度もリピートしてギターを聴いたりジャニスの歌を味わったり、そもそもの曲の雰囲気に浸ったりと、やはり素晴らしいアルバムはどんな時でも曲が自分を雰囲気に流していってくれる。コズミックブルースバンドと称しての再起だったが、その名の通りに様々な面々がジャニスをサポートしているからか、先のマイク・ブルームフィールドの参加も含めて結構な数のミュージシャンが参加して楽曲毎に色味を変えているのは改めて聴いてて思った次第。しかし「One Good Man」のマイク・ブルームフィールドのギターはホントカッコ良い。Webで何気なく探していたらジャニスとマイク・ブルームフィールドがセッションしているであろうスタジオの写真まで発見してしまい、今の情報時代の有り難みをも味わった。


何十年の前のレコード時代に出会って聴いていた古き良きロックの世界もその後CD時代となり、デジタルDL時代と進化していったが、メディアの変貌だけでなく、当然ながらそれだけの時間が経過していく中で、新たに発見された情報や細かいクレジットや背景や逸話、更に音源が残されている場合はその貴重なセッションやデモ音源までもがオフィシャルで堂々と陽の目を浴びるようになり、以前は噂されていただけのレベルも実際に音を聴いたり、関係者がライナーやクレジットをきちんと書き直していたり、当時は細かいクレジットが出来なかったのが、今なら普通に出来てしまうようになったのは著作権の関係か、本人没後だからか理由はよく分からないが、自分が聴いていた時代にはまるで判明していなかった事実が今なら細かく判明している場合も多く、たかが15年前でも出て来ていなかった事実ですら今ならもう少し判明しているのは発見。今回色々と聴き直すに当たってやはりクレジット関係を眺めたりしていると、そういう事だったのか、と色々な発見があり、今回のアルバムでもそれは同じくで、まさかまさかの詳細情報に感激していた。当然久々に聴いた音楽そのものも改めて感激する素晴らしさを実感したのは言うまでもない。
Janis Joplinの1969年リリース作品「I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama!」は今の時代に至るまでさほどの増強盤としてリリースされていない。1999年リリース盤にボブ・ディランの「Dear Landlord」をジャニスがアレンジして歌っているセッションが1曲追加され、「Summertime」と「Piece of My Heart」はウッドストックのライブバージョンが入っていたので、今では丸ごとリリースされているライブソース。よって、精々「Dear Landlord」の貴重さ程度となっているがレコーディングクレジットを見ていると1969年6月16日〜26日の間で録音されただけで、9月にはアルバムがリリースされているから、当然アウトテイクや未発表曲なども出てくる時間的余裕も無かったと思われる。ここまで短期間で仕上げなければいけなかったのも多分ジャニスの都合だったろうから、レーベル側は焦ってたか急がせてたかじゃないかと勝手に想像しているが、その期間の短さは確かに収録されている曲がカバー曲ばかりと見ると納得もする。ジャニスの場合はオリジナル曲じゃなければとのこだわりは特に無かっただろうからこういうものだったろうが、それでもジャニスが書いた曲、手を加えた曲は幾つかあり、更にユニークなのはニック・グレイヴナイツの曲が2曲も入っているあたり。この頃のサンフランシスコ周辺なので、当時ニック・グレイヴナイツが在籍していたマイク・ブルームフィールド率いるElectric Flagとの邂逅は常にあったのも想像できる。その流れからの楽曲提供、と言うかジャニスがニック・グレイヴナイツに何かレコーディング向きの曲ないかと言って借り受けたような気すらするが、真相は如何に。そして、以前からクレジットには記載されていないがマイク・ブルームフィールドがギターで参加している噂はあり、その噂を信じてアルバムを聴くと「One Good Man」は確実にマイク・ブルームフィールドのフレーズそのままだとは自分でも分かっていた。ところが今の時代にあれこれ情報を漁ってみれば、何と驚く事に「Maybe」「One Good Man」「To Love Somebody」「Work Me, Lord」の4曲でギターを弾いていたらしい。それを意識して聴いているとなるほど、地味に目立たないように弾いているフレーズが多いながらも繊細でセンスの迸るフレージングは確かにマイク・ブルームフィールドかもしれない、と思えるギターが聴けるので何度も何度も聴き直してしまった。はっきり分からないが、大雑把に弾くプレイはマイク・ブルームフィールドではなく、きちんと細かく繊細にカッティングにしても細かいフレーズにしても緻密さが感じられるのはマイク・ブルームフィールドのプレイのようだ。上記4曲ではそういうギターが冒頭から後ろの方でずっと聴こえてくるので面白い。
そしてアルバムそのものが、ここまで伸びやかで幸せ感に溢れるジャニスの歌声と楽曲とはあまり意識しなかったが、改めて聴いているとこの頃は全然悲壮感など漂っておらず、恐らく最絶頂期とも言わんばかりの歌声が聴ける。「ブルースに葬られて」と言われていながらもこの作品ではいわゆるブルースらしい作風でもなく、また歌でもなく、艷やかでソウルフルな、そして感情表現の豊かなボーカルが曲に馴染んで聴ける代物。それこそがブルースと言えばその通りだが、昔から抱いていた感覚とは少々異なった雰囲気を感じたのは時代の経過と自身の年齢のせいかもしれない。ジャニスの25歳頃の歌がそう響くのだからロックは面白い。あまりにも心地良く聴けるので何度もリピートしてギターを聴いたりジャニスの歌を味わったり、そもそもの曲の雰囲気に浸ったりと、やはり素晴らしいアルバムはどんな時でも曲が自分を雰囲気に流していってくれる。コズミックブルースバンドと称しての再起だったが、その名の通りに様々な面々がジャニスをサポートしているからか、先のマイク・ブルームフィールドの参加も含めて結構な数のミュージシャンが参加して楽曲毎に色味を変えているのは改めて聴いてて思った次第。しかし「One Good Man」のマイク・ブルームフィールドのギターはホントカッコ良い。Webで何気なく探していたらジャニスとマイク・ブルームフィールドがセッションしているであろうスタジオの写真まで発見してしまい、今の情報時代の有り難みをも味わった。

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