Fairport Convention - Live In Finland 1971
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Fairport Convention - Live In Finland 1971

英国ロックに取り憑かれてひたすらに聴き貪っているとそのウチに英国人に共通するセンスや気質、国民性として持っているであろう旋律やフレーズに少しづつ気づいてくる。それが何なのかはLed Zeppelinでは簡単に出てきたので早いウチから興味を持ったのはありがたかったが、伝承音楽、トラッドフォークの世界だ。アイルランドのケルトとは異なる英国の伝承音楽はそれまでほとんど音源として残されておらず、その探求をひたすら極める事に人生を費やしていた人がアシュレー・ハッチングス、即ちフェアポート・コンヴェンションの創始者でもあるが、英国ロックを聴いていると様々な箇所でトラッド的センスに遭遇するのでどういうものか本物を探求したくなってハマっていった時期もあった。ただ、音源が残されていない大元を探しても無理なのでトラッドフォークバンドやエレクトリックトラッドと呼ばれる世界を探求し、その断片を自分なりに吸収、納得しながら聴いていき、それはいつしか英国フォークの世界にまで発展するので恐ろしくも深い森へと進まざるを得なくなるが、それはそれとして、その手の英国トラッドフォーク、フォークバンドの始祖ともなっているフェアポート・コンヴェンションは避けては通れないどころか、聴かないと損するだろうと思うくらいには自分も好きなバンドで、PentangleやSteeleye Spanなどを含めてこの辺りは通っておくとロックが分かりやすくなる。不純な動機かもしれないが、そのおかげでまるで知る事のなかったであろう世界の楽しみまでも味わえているありがたさ。
Fairport Conventionが1971年にフィンランドで行ったライブアルバム「Live In Finland 1971」が発掘リリースされており、他にも幾つかアマゾンで見られるが本作はオフィシャルリリースの逸品なので取り上げてみた。Fairport Conventionはやたらとメンバーチェンジが激しいのでそこを追いかけると何が何だかよく分からなくなるが、簡単に書けばサンディ・デニーがいた初期、その脇にはリチャード・トンプソンもいて、名盤を続々とリリースした黄金時代とも言えるがそれは大名盤の「Liege & Lief」をリリースした時点で一旦終了してサンディ・デニーが脱退、残されたメンバーはそれはそれで凄まじいトラディショナルフォークバンドとして君臨したが、さほど知られないウチに今度は頼みの綱のリチャード・トンプソンが脱退してダメ押しされるものの、潔く開き直っての奮起でハードトラディショナルフォークバンドとして大活躍。そうこうするウチにメンバーがまた戻ってきて大円団アルバムがいくつもリリースされて和気藹々のアットホーム的作品が続くと言うお話。故に最初期の実験作の黄金期はともかく、その後の開き直り辺りまでのサウンド、アルバム、ライブが凄まじい。自分的にその真髄を実感したのが「House Full : Live At The LA Troubadour」で、こちらはリチャード・トンプソンが在籍しているライブだが、それはそれはもう凄まじいライブで、とてもおとなしめに感じるトラッドフォークバンドのライブではない。無茶苦茶ハードなトラッドバンドのエゲツないくらいのインプロヴィゼーションブチかましライブだ。多分なかなか想像できない音を出してくれるのは間違いない。
そんな時代のど真ん中となった1971年のフィンランドでの本作ライブはリチャード・トンプソンも脱退した後なので、もう破れかぶれでどこに矛先を持っていこうか、バンドはどこに向かうべきか、と考え抜いた挙げ句のひとつの方向性だろうとは思うが、それはどっちでも良く、とにかくデイヴ・スウォーブリックのぶっちぎりのフィドル=バイオリンのとてつもなく激しくエゲツなく、白熱して凄まじい音色に圧倒されるし、デイブ・マタックスの小技の利いたセンスの良いドラミングにも痺れつつほとんどインストゥルメンタルで奏でられる衝撃のジグばかりながらもどうしてここまで熱狂的になるのか、実に凄いライブをとことん楽しませてくれる。楽曲はアルバム「Angel Delight」が中心になっているのは当然ながら、基本的にはトラッドからのアレンジなので聴いていると馴染みやすい面が強く、だからこそトラッドは引き継いでいくべきの話も理解しやすい。それでもここまでの凄まじい演奏をひたすらひたすら続けていたFairport Convention、ロックファンと自称する人間でもここまでのサウンドを聴いた事ある人は多くないだろう。これがFairport Conventionのひとつの完成形だったのだ。そんな一幕を切り取ってこの時代になりようやくリリースしてくれた事に感謝。自分的にはこの辺りもアンダーグラウンドで探して聴いていたので幾つか音の良いソースが残されているのは知っていたが、ようやくその中からひとつ、素晴らしいライブが陽の目を浴びてくれたのは単純に嬉しい。曲の良さが、メンバーが云々は後回しにして、まずはこの音を聴いてヒステリック感を味わって驚いてほしい。

英国ロックに取り憑かれてひたすらに聴き貪っているとそのウチに英国人に共通するセンスや気質、国民性として持っているであろう旋律やフレーズに少しづつ気づいてくる。それが何なのかはLed Zeppelinでは簡単に出てきたので早いウチから興味を持ったのはありがたかったが、伝承音楽、トラッドフォークの世界だ。アイルランドのケルトとは異なる英国の伝承音楽はそれまでほとんど音源として残されておらず、その探求をひたすら極める事に人生を費やしていた人がアシュレー・ハッチングス、即ちフェアポート・コンヴェンションの創始者でもあるが、英国ロックを聴いていると様々な箇所でトラッド的センスに遭遇するのでどういうものか本物を探求したくなってハマっていった時期もあった。ただ、音源が残されていない大元を探しても無理なのでトラッドフォークバンドやエレクトリックトラッドと呼ばれる世界を探求し、その断片を自分なりに吸収、納得しながら聴いていき、それはいつしか英国フォークの世界にまで発展するので恐ろしくも深い森へと進まざるを得なくなるが、それはそれとして、その手の英国トラッドフォーク、フォークバンドの始祖ともなっているフェアポート・コンヴェンションは避けては通れないどころか、聴かないと損するだろうと思うくらいには自分も好きなバンドで、PentangleやSteeleye Spanなどを含めてこの辺りは通っておくとロックが分かりやすくなる。不純な動機かもしれないが、そのおかげでまるで知る事のなかったであろう世界の楽しみまでも味わえているありがたさ。
Fairport Conventionが1971年にフィンランドで行ったライブアルバム「Live In Finland 1971」が発掘リリースされており、他にも幾つかアマゾンで見られるが本作はオフィシャルリリースの逸品なので取り上げてみた。Fairport Conventionはやたらとメンバーチェンジが激しいのでそこを追いかけると何が何だかよく分からなくなるが、簡単に書けばサンディ・デニーがいた初期、その脇にはリチャード・トンプソンもいて、名盤を続々とリリースした黄金時代とも言えるがそれは大名盤の「Liege & Lief」をリリースした時点で一旦終了してサンディ・デニーが脱退、残されたメンバーはそれはそれで凄まじいトラディショナルフォークバンドとして君臨したが、さほど知られないウチに今度は頼みの綱のリチャード・トンプソンが脱退してダメ押しされるものの、潔く開き直っての奮起でハードトラディショナルフォークバンドとして大活躍。そうこうするウチにメンバーがまた戻ってきて大円団アルバムがいくつもリリースされて和気藹々のアットホーム的作品が続くと言うお話。故に最初期の実験作の黄金期はともかく、その後の開き直り辺りまでのサウンド、アルバム、ライブが凄まじい。自分的にその真髄を実感したのが「House Full : Live At The LA Troubadour」で、こちらはリチャード・トンプソンが在籍しているライブだが、それはそれはもう凄まじいライブで、とてもおとなしめに感じるトラッドフォークバンドのライブではない。無茶苦茶ハードなトラッドバンドのエゲツないくらいのインプロヴィゼーションブチかましライブだ。多分なかなか想像できない音を出してくれるのは間違いない。
そんな時代のど真ん中となった1971年のフィンランドでの本作ライブはリチャード・トンプソンも脱退した後なので、もう破れかぶれでどこに矛先を持っていこうか、バンドはどこに向かうべきか、と考え抜いた挙げ句のひとつの方向性だろうとは思うが、それはどっちでも良く、とにかくデイヴ・スウォーブリックのぶっちぎりのフィドル=バイオリンのとてつもなく激しくエゲツなく、白熱して凄まじい音色に圧倒されるし、デイブ・マタックスの小技の利いたセンスの良いドラミングにも痺れつつほとんどインストゥルメンタルで奏でられる衝撃のジグばかりながらもどうしてここまで熱狂的になるのか、実に凄いライブをとことん楽しませてくれる。楽曲はアルバム「Angel Delight」が中心になっているのは当然ながら、基本的にはトラッドからのアレンジなので聴いていると馴染みやすい面が強く、だからこそトラッドは引き継いでいくべきの話も理解しやすい。それでもここまでの凄まじい演奏をひたすらひたすら続けていたFairport Convention、ロックファンと自称する人間でもここまでのサウンドを聴いた事ある人は多くないだろう。これがFairport Conventionのひとつの完成形だったのだ。そんな一幕を切り取ってこの時代になりようやくリリースしてくれた事に感謝。自分的にはこの辺りもアンダーグラウンドで探して聴いていたので幾つか音の良いソースが残されているのは知っていたが、ようやくその中からひとつ、素晴らしいライブが陽の目を浴びてくれたのは単純に嬉しい。曲の良さが、メンバーが云々は後回しにして、まずはこの音を聴いてヒステリック感を味わって驚いてほしい。
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