Manfred Mann - Mann Made
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Manfred Mann - Mann Made (1965)

60年代の英国のポップシーンはかなり熱い様相を見せていた。ストーンズやビートルズだけでなく、新しい息吹を感じさせるグループやバンドがひしめき合ってシーンに登場し、それぞれが微妙に異なる音楽性を持って似たような曲を演奏し歌い、テレビに出てきた。ルックスによるインパクトで訴えるバンドもあればクールなファッションとスタイルでリスナーを惹きつける策もあり、また派手に楽器を壊して目立つバンドもあれば、とにかく音楽は既に出来上がっていてどうやって目立つか、売っていくか的な競争も激しかったようだ。それぞれがどのバンドに勝つと言うよりもどれくらい自分たちが目立つか、の方が重要な競争だったように思われるが、本人達は単純に楽しんでいただけかもしれない。この時代でユニークなのはどのバンドもそこまでオリジナル曲に拘る事もなく、普通に同時代に流行していた曲をカバーしてアルバムに入れたりシングルでリリースしたり、レコード会社の意向かもしれないが、当たり前のように収録されていた。簡単に自分たち流にしてしまえるだけの音楽的な才能は持ち合わせていたのは当然なので、良い曲ならそれに乗っかってしまえ、それで売ってしまえとばかりの色が強かっただろう。概ね60年代前半頃まではそれが普通だったし、二十歳ソコソコのガキ共に音楽が作れるか、的な面もあっただろう。
Manfred Mannの1965年リリースのセカンド・アルバム「Mann Made」はそれでもファーストアルバム「ファイヴ・フェイシズ・オブ・マンフレッド・マン・プラス」から1年ぶりのリリースとなり、この時代のアイドルバンド、ビートバンド的にはそのスパンは割と長く取っていた方だが、その間にシングルヒットも放ってツアーしていたのもあってセカンド・アルバムの録音も遅れていったようだ。強烈にクールなモッズバンドと言えばマンフレッド・マンしかないが、その超絶クールなスタイルのままリリースしたセカンドアルバム「Mann Made」はポール・ジョーンズ在籍時代最後のアルバムとなったのも知られている。ちなみにポール・ジョーンズはこの後現在に至るまでソロキャリアを着実に積み上げて英国では多分相当の大御所重鎮になっている。似たようなポジショニングにはヴァン・モリソンも挙げられるだろうが、自分的には少々古すぎてピンと来ないのも確か。だからそこまで60年代初頭のブリティッシュビートサウンドは聴き漁ってもいなかったが、流れ上ちょこちょこと聴いているといつもカッコ良いなと感じてて、ついついその面白さにハマり込む。ただ、後の時代からするとどうしても飽きてしまいがちな傾向も強くて深く入り切れないのもあった。なので制覇していくには時間がかかっているが、最近またこうして聴き改めていると面白いな、すごくカッコ良いなとしみじみと聴き惚れてしまう。特にこのあたりではカバー半分にオリジナル半分とバランスよく、更にマンフレッド・マンの場合はメンバーがジャズバンド挙がりだから演奏はしっかりしているし、ラフな部分がほとんど聴かれないある種完璧な演奏を聴かせてくれるから、それもまたクールなサウンドの大きな要因。それに加えて管楽器やオルガンにヴィブラフォンなど、ポップス・ロック界ではあまり聞き慣れない音色もたっぷり出てくるし、ジャジーなスネアやリズムも普通に出てくるので超絶クール。無茶苦茶カッコ良い、正にモッズ的クールサウンドが楽しめる。
その意味ではファーストアルバムよりもセカンド・アルバム「Mann Made」の方がバリエーション豊かにそのクールさを味わえるような気もする。もっともファースト「ファイヴ・フェイシズ・オブ・マンフレッド・マン・プラス」もすごくクールなのでどちらも聴いて然るべしだが、「Mann Made」はカバー曲とオリジナルが交互に収録されてて、聴けば一発、普通に知ってるカバー曲が続々と出てくるので聴きやすいし、その演奏のクールさアレンジの鮮やかさには舌を巻くレベルだろう。更にポール・ジョーンズのとてつもなく上手い歌声を聴いているとロックからは遠く離れた場所にいると実感できる。その意味ではロックファンから敬遠されてしまったとは思うが、時代を経てもうるさくなくきちんと音楽的に聴けるアルバムとして残されているのはしっかりとしたバンドと歌手の演奏だから。まだロックがどうのとそこまで拘ることも無かった時代だったかもしれない。ストーンズもビートルズもそうだったし、ロック黎明期のシーンを眺めていると必然的にロックが出来上がっていった方が強いし、その根底ではこういう実力派のバンドがきちんと演奏していたからと言うのもある。
そんな事を思いつつも普通にアルバムを聴いていればマンフレッド・マンの面白さに気づくだろうし、そりゃハードなギターソロやベースが凄まじいなどのロック的側面は見当たらないが、最初期のロックバンドらしい楽曲は存分に収録されているし、グルーブの上手さから体がリズムに乗せられるし、このクールさ加減も理解できる。当時の人気はそのヘンのクールさは間違いないし、一味違うと思われたのもあっただろう。それを顕著に感じられるのが初期2枚で、ここでポール・ジョーンズは脱退するので、いわゆるManfred Mann Chapter 1が終了する事となる。だから後のアルバムではManfred Mann Chapter IIIなどと出てくるワケで、そういった来歴も後のChapter IIIを知っているとなるほど感が強くなる。それにしても実にクールでカッコ良いアルバム。

60年代の英国のポップシーンはかなり熱い様相を見せていた。ストーンズやビートルズだけでなく、新しい息吹を感じさせるグループやバンドがひしめき合ってシーンに登場し、それぞれが微妙に異なる音楽性を持って似たような曲を演奏し歌い、テレビに出てきた。ルックスによるインパクトで訴えるバンドもあればクールなファッションとスタイルでリスナーを惹きつける策もあり、また派手に楽器を壊して目立つバンドもあれば、とにかく音楽は既に出来上がっていてどうやって目立つか、売っていくか的な競争も激しかったようだ。それぞれがどのバンドに勝つと言うよりもどれくらい自分たちが目立つか、の方が重要な競争だったように思われるが、本人達は単純に楽しんでいただけかもしれない。この時代でユニークなのはどのバンドもそこまでオリジナル曲に拘る事もなく、普通に同時代に流行していた曲をカバーしてアルバムに入れたりシングルでリリースしたり、レコード会社の意向かもしれないが、当たり前のように収録されていた。簡単に自分たち流にしてしまえるだけの音楽的な才能は持ち合わせていたのは当然なので、良い曲ならそれに乗っかってしまえ、それで売ってしまえとばかりの色が強かっただろう。概ね60年代前半頃まではそれが普通だったし、二十歳ソコソコのガキ共に音楽が作れるか、的な面もあっただろう。
Manfred Mannの1965年リリースのセカンド・アルバム「Mann Made」はそれでもファーストアルバム「ファイヴ・フェイシズ・オブ・マンフレッド・マン・プラス」から1年ぶりのリリースとなり、この時代のアイドルバンド、ビートバンド的にはそのスパンは割と長く取っていた方だが、その間にシングルヒットも放ってツアーしていたのもあってセカンド・アルバムの録音も遅れていったようだ。強烈にクールなモッズバンドと言えばマンフレッド・マンしかないが、その超絶クールなスタイルのままリリースしたセカンドアルバム「Mann Made」はポール・ジョーンズ在籍時代最後のアルバムとなったのも知られている。ちなみにポール・ジョーンズはこの後現在に至るまでソロキャリアを着実に積み上げて英国では多分相当の大御所重鎮になっている。似たようなポジショニングにはヴァン・モリソンも挙げられるだろうが、自分的には少々古すぎてピンと来ないのも確か。だからそこまで60年代初頭のブリティッシュビートサウンドは聴き漁ってもいなかったが、流れ上ちょこちょこと聴いているといつもカッコ良いなと感じてて、ついついその面白さにハマり込む。ただ、後の時代からするとどうしても飽きてしまいがちな傾向も強くて深く入り切れないのもあった。なので制覇していくには時間がかかっているが、最近またこうして聴き改めていると面白いな、すごくカッコ良いなとしみじみと聴き惚れてしまう。特にこのあたりではカバー半分にオリジナル半分とバランスよく、更にマンフレッド・マンの場合はメンバーがジャズバンド挙がりだから演奏はしっかりしているし、ラフな部分がほとんど聴かれないある種完璧な演奏を聴かせてくれるから、それもまたクールなサウンドの大きな要因。それに加えて管楽器やオルガンにヴィブラフォンなど、ポップス・ロック界ではあまり聞き慣れない音色もたっぷり出てくるし、ジャジーなスネアやリズムも普通に出てくるので超絶クール。無茶苦茶カッコ良い、正にモッズ的クールサウンドが楽しめる。
その意味ではファーストアルバムよりもセカンド・アルバム「Mann Made」の方がバリエーション豊かにそのクールさを味わえるような気もする。もっともファースト「ファイヴ・フェイシズ・オブ・マンフレッド・マン・プラス」もすごくクールなのでどちらも聴いて然るべしだが、「Mann Made」はカバー曲とオリジナルが交互に収録されてて、聴けば一発、普通に知ってるカバー曲が続々と出てくるので聴きやすいし、その演奏のクールさアレンジの鮮やかさには舌を巻くレベルだろう。更にポール・ジョーンズのとてつもなく上手い歌声を聴いているとロックからは遠く離れた場所にいると実感できる。その意味ではロックファンから敬遠されてしまったとは思うが、時代を経てもうるさくなくきちんと音楽的に聴けるアルバムとして残されているのはしっかりとしたバンドと歌手の演奏だから。まだロックがどうのとそこまで拘ることも無かった時代だったかもしれない。ストーンズもビートルズもそうだったし、ロック黎明期のシーンを眺めていると必然的にロックが出来上がっていった方が強いし、その根底ではこういう実力派のバンドがきちんと演奏していたからと言うのもある。
そんな事を思いつつも普通にアルバムを聴いていればマンフレッド・マンの面白さに気づくだろうし、そりゃハードなギターソロやベースが凄まじいなどのロック的側面は見当たらないが、最初期のロックバンドらしい楽曲は存分に収録されているし、グルーブの上手さから体がリズムに乗せられるし、このクールさ加減も理解できる。当時の人気はそのヘンのクールさは間違いないし、一味違うと思われたのもあっただろう。それを顕著に感じられるのが初期2枚で、ここでポール・ジョーンズは脱退するので、いわゆるManfred Mann Chapter 1が終了する事となる。だから後のアルバムではManfred Mann Chapter IIIなどと出てくるワケで、そういった来歴も後のChapter IIIを知っているとなるほど感が強くなる。それにしても実にクールでカッコ良いアルバム。
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