Allan Holdsworth - I.O.U.
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超絶ギタリストとして名が挙がる人なんてのはいくらでもいるんだろうけど、その超絶ギタリスト達から超絶ギタリストとして崇められている職人的超絶ギタリストってのがアラン・ホールズワース。イングヴェイをしてそう言わせ、ヴァン・ヘイレンに至っては同じレーベルからレコードをリリースさせてしまうくらいの強引さで惚れ込んでいる。当のアラン本人は結構偏屈というか変わった人らしく、決してメジャーフィールドには出てこないような人でいつも自分のやりたいことを追求するがあまりバンドという枠組みではなかなか収まり切らなかったようだし、ソロでもレコード会社との意向が合わないことが多かったようだ。しかし英国ロックファンの間では相当以前の作品から彼の名前は飛び交っていた。イギンボトムで英国シーンに出てきたのが最初だろうが、やっぱり重鎮ジョン・ハインズマン率いるテンペストの初代ギタリストとしてそのテクニックを散々披露してテンペストの名に恥じない神々しさを保っていた。その後、丁度ジェフ・ベックが「Blow By Blow」を出す頃にはそれよりもヘタしたら更に凄いと云われていたかも知れないソフト・マシーンの「Bundles」というアルバムでギターを弾いているが、いや、ソフツのファンからは結構好まれていない作品なんだけど、ホールズワース的感覚からしたらかなり面白いアルバムで凄いんだよね。で、後はまぁ、ゴングとかビル・ブラッフォードとやったり、その流れからU.K.に参加したりと流浪のミュージシャンぶりを発揮している。
さてさてそんな中でもホールズワースのソロ作品として本人も満足度が高い「I.O.U.」という1982年の作品が割とメジャーではない?その後のワーナーから出した、エディ・ヴァン・ヘイレンの強い要請もあって出された「Road Games」と共にメジャーな作品。もうホールズワースのやりたいことやりまくりって感じで、要するに売れ筋なんて関係なしにテクニックと変拍子を披露しまくり当然フレージングも考えられているしアレンジもバランスもよくできている作品で、音を聴いているとどこかザッパのギターアルバム的な作りに似ているような感じで…、ロックジャズフュージョンっつうのかな、音的な好みではないけど、やっぱり凄い、と唸らせられるギタリスト的作品。それでもバックの面々との掛け合いやテクニカル面ではかなり良いトコ行っているのでやっぱり実力派集団で制作されたみたいだね。久々に聴いたけど、えらく聴きやすかった(笑)。これもベックでこういう音に慣れたからだろう。
それにしても渡り鳥的に英国のプログレバンドを渡り歩いてきている人だねぇ。そしてそれらのバンドの作品のどれもあまり好みでないってことでそれほど聴かなかったアルバムばかりなので、多分ホールズワースのギターが好きじゃなかったんだろう。ゴングの「Gazeuse!」くらいかな、好みだったアルバムは。まぁ、いいじゃないか、それでも聴いてから好みが分かれるんだから(笑)。
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