Bring Me The Horizon - Post Human: Survival Horror
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Bring Me The Horizon - Post Human: Survival Horror (2020)

かなり刺激的な作品に出会ってしまったので懐かしの2005年シリーズをぶった切って突如として現代のバンド、アルバムをぶち込んでみよう。英国のオルタナバンド、デスメタルバンド、先鋭エレクトリックバンド、どうにも不思議な音楽性を持つ人気バンド、と形容するのが正しいのか、今の時代にカテゴリをひとつに定める必要もなかろうと言う感じの作品が次々とリリースされているのでその音楽的才能とセンスは折り紙付きのBring Me The Horizon。つい先日デジタル配信のみで「Post Human: Survival Horror」がリリースされ、話題は彼ら自身のアルバムな点でもあるが、9曲入りのEPとの位置付けらしく、幾つかのゲスト陣営を巻き込んでいる。そのひとつにBabymetalが参加しており、即ちそれはSu-Metalでしかないが、正直それを聴きたいがために待ち望んでて、リリースされてすぐに聴きまくっていた次第。ただ、Bring Me The Horizon自体も割と好みのバンドで、それと言うのも最初期はデスメタル、グラインドコア的なメタルだったのが、メロディアスなデスコア的メタルになり、そこから更に進化してエレクトリックポップを巻き込んだデスコア的サウンドに進んで、ほぼエレポップでボーカルや何処か他のところがグラインドコア的な部分を持つ、言うならばデスコアエレポップなサウンドが現在進行形。その流れでBabymetalやEvanescenceのAmy Leeが参加するアルバムとは果たしてどういう曲調になるのか興味津々だった。
9曲もあるのだからEPでもなかろうとは思うが、手軽に作ったお遊び要素が強いのだろう。コンセプトなしのアルバムだからという意味かもしれないが、冒頭の「Dear Diary」からしてもう最初期のデスコアに少々エレポップが入った程度で、正に初期に戻って来た感が強い。ただ、相当洗練されているので、「That's The Spirit」あたりの風味の方が強いか。その路線の曲がひたすらに続くので、昔からのファンはかなり大喜びなEPに仕上がっている気がする。じっくり聴いているとメロディの作り込みもしっかりしているので、最初期からの成長が著しく、今ではその個性的なメロディを上手く使いたい所で使っていく余裕すら感じさせる音楽の作り方。更にアレンジも王道大御所的にしっかりしているからベテランバンド的な安定感が漂ったナイスな作品に仕上がっていて、そこまで自分達のサウンドをじっくり聴かせておいてからゲスト陣営参加曲を続けていく。
「Obey」に参加のYUNGBLUDは今の英国のパンクス、とでも言うべきか反逆の若者シンボルなので、Bring Me The Horizonのデスコア的サウンドにそのままハメ込まれてので参加で、似た者同士のセッション感満載。「Itch For The Cure (When Will We Be Free?)」はどちらかと言うと次の「Kingslayer」のイントロ序章的な役割を担うエレポップ的妙ちくりんサウンドで、どこかBabymetalの玉手箱的サウンドを象徴している風味すら漂うが、このコーラスはベビメタではなさそうだ。それに続いて期待の「Kingslayer」が見事に繋がっててまるで違和感なし。この2曲はきちんと繋げて聴くところに意味がある。超絶ヘヴィサウンドのデスコア的サウンドにデスボイス的なオリバーの歌声、さらにここに来て「Fu○k」の連発も著しいが、そのノイズの中に突如としてSu-Metalの「Kingspayer♪」が歌われるのは見事な演出、そしてロリータ感も上手く出ているから、これはもう日本人の女の子でしか出せない歌声そのまま。あの歌の上手いSu-Metalでもこういう出し方されるとベタッとした日本人声にしかならないのは新たな発見。創り手側がそれをまた上手く使っているのも凄い。更に驚くのは、これは発想力の勝ちだが、何と歌詞が日本語そのままで歌われていて、なるほどBabymetalの証明としては確かな手法だが、過去洋楽のアーティストに日本人が参加するだけでも珍しいのに、だから故か、日本語がゲストで登場するのも珍しい。この不思議な、そして初めてのアウェーへのアルバム参加がどう料理されるのか楽しみだったが、相当ユニークな楽曲とBring Me The Horizonらしさも当然しっかり出された中での歌だったので、これからどんどんと伸びていってほしいし、万が一ライブでこのコラボしたら相当パワフルでカッコ良くなるだろう。
そしてアルバムは続き、「1X1」では英国のこれまたパンクな女性デュオNova Twinsが参加してて、似た者同士のセッションながらも男女の声の違いで明確になる刺激的なサウンドの組み上げ方がセンス満載で楽しめるサウンドになってる。「Ludens」でも相変わらずのエレポップ路線もあるが少々ソフトで引きずらないメロディーが彼らにしては珍しい楽曲で軽やかに始まるが、中盤からはやはりいつも通りにヘヴィに進化して実験的意欲旺盛なアレンジに挑戦している変幻自在の一曲。最後の「One Day...」では最近ゲスト参加やセッション参加が多くなっている今や大御所になったAmy Leeが冒頭から静かに歌い上げているので、Bring Me The Horizonのアルバムには聴こえない。この人もパッと聴いてエイミー・リーだと分かる独特の歌声を持っているからだろうが、オリバーもこの曲は静かなメロディを書いて二人で歌い上げていく手法を取ったようだ。まるで特性の違う2つの歌声が重なりあって素晴らしい美しさを出している。ただ、エイミー・リーの歌声の凄さは最初から最後まで圧倒的。
EPと言ってリリースしている理由も分かるくらいにバリエーション豊かなサウンドの宝庫。確かに彼ら自身の作品だが、バンドのオリジナルアルバムにしては少々バラつきが大きいからこうなったが、それはもうリスナー的にはどちらでも良くて、ゲスト参加の楽しみから入ったものの、しっかりと今のBring Me The Horizonの姿を満喫でき、ゲスト陣営の参加も、名前だけでなく存分に個性を発揮させ、または潜在的なパフォーマンス力を引っ張り出して、今の時代、COVID-19で動きの取れない時代の鬱憤晴らしを存分に味わったようだ。

かなり刺激的な作品に出会ってしまったので懐かしの2005年シリーズをぶった切って突如として現代のバンド、アルバムをぶち込んでみよう。英国のオルタナバンド、デスメタルバンド、先鋭エレクトリックバンド、どうにも不思議な音楽性を持つ人気バンド、と形容するのが正しいのか、今の時代にカテゴリをひとつに定める必要もなかろうと言う感じの作品が次々とリリースされているのでその音楽的才能とセンスは折り紙付きのBring Me The Horizon。つい先日デジタル配信のみで「Post Human: Survival Horror」がリリースされ、話題は彼ら自身のアルバムな点でもあるが、9曲入りのEPとの位置付けらしく、幾つかのゲスト陣営を巻き込んでいる。そのひとつにBabymetalが参加しており、即ちそれはSu-Metalでしかないが、正直それを聴きたいがために待ち望んでて、リリースされてすぐに聴きまくっていた次第。ただ、Bring Me The Horizon自体も割と好みのバンドで、それと言うのも最初期はデスメタル、グラインドコア的なメタルだったのが、メロディアスなデスコア的メタルになり、そこから更に進化してエレクトリックポップを巻き込んだデスコア的サウンドに進んで、ほぼエレポップでボーカルや何処か他のところがグラインドコア的な部分を持つ、言うならばデスコアエレポップなサウンドが現在進行形。その流れでBabymetalやEvanescenceのAmy Leeが参加するアルバムとは果たしてどういう曲調になるのか興味津々だった。
9曲もあるのだからEPでもなかろうとは思うが、手軽に作ったお遊び要素が強いのだろう。コンセプトなしのアルバムだからという意味かもしれないが、冒頭の「Dear Diary」からしてもう最初期のデスコアに少々エレポップが入った程度で、正に初期に戻って来た感が強い。ただ、相当洗練されているので、「That's The Spirit」あたりの風味の方が強いか。その路線の曲がひたすらに続くので、昔からのファンはかなり大喜びなEPに仕上がっている気がする。じっくり聴いているとメロディの作り込みもしっかりしているので、最初期からの成長が著しく、今ではその個性的なメロディを上手く使いたい所で使っていく余裕すら感じさせる音楽の作り方。更にアレンジも王道大御所的にしっかりしているからベテランバンド的な安定感が漂ったナイスな作品に仕上がっていて、そこまで自分達のサウンドをじっくり聴かせておいてからゲスト陣営参加曲を続けていく。
「Obey」に参加のYUNGBLUDは今の英国のパンクス、とでも言うべきか反逆の若者シンボルなので、Bring Me The Horizonのデスコア的サウンドにそのままハメ込まれてので参加で、似た者同士のセッション感満載。「Itch For The Cure (When Will We Be Free?)」はどちらかと言うと次の「Kingslayer」のイントロ序章的な役割を担うエレポップ的妙ちくりんサウンドで、どこかBabymetalの玉手箱的サウンドを象徴している風味すら漂うが、このコーラスはベビメタではなさそうだ。それに続いて期待の「Kingslayer」が見事に繋がっててまるで違和感なし。この2曲はきちんと繋げて聴くところに意味がある。超絶ヘヴィサウンドのデスコア的サウンドにデスボイス的なオリバーの歌声、さらにここに来て「Fu○k」の連発も著しいが、そのノイズの中に突如としてSu-Metalの「Kingspayer♪」が歌われるのは見事な演出、そしてロリータ感も上手く出ているから、これはもう日本人の女の子でしか出せない歌声そのまま。あの歌の上手いSu-Metalでもこういう出し方されるとベタッとした日本人声にしかならないのは新たな発見。創り手側がそれをまた上手く使っているのも凄い。更に驚くのは、これは発想力の勝ちだが、何と歌詞が日本語そのままで歌われていて、なるほどBabymetalの証明としては確かな手法だが、過去洋楽のアーティストに日本人が参加するだけでも珍しいのに、だから故か、日本語がゲストで登場するのも珍しい。この不思議な、そして初めてのアウェーへのアルバム参加がどう料理されるのか楽しみだったが、相当ユニークな楽曲とBring Me The Horizonらしさも当然しっかり出された中での歌だったので、これからどんどんと伸びていってほしいし、万が一ライブでこのコラボしたら相当パワフルでカッコ良くなるだろう。
そしてアルバムは続き、「1X1」では英国のこれまたパンクな女性デュオNova Twinsが参加してて、似た者同士のセッションながらも男女の声の違いで明確になる刺激的なサウンドの組み上げ方がセンス満載で楽しめるサウンドになってる。「Ludens」でも相変わらずのエレポップ路線もあるが少々ソフトで引きずらないメロディーが彼らにしては珍しい楽曲で軽やかに始まるが、中盤からはやはりいつも通りにヘヴィに進化して実験的意欲旺盛なアレンジに挑戦している変幻自在の一曲。最後の「One Day...」では最近ゲスト参加やセッション参加が多くなっている今や大御所になったAmy Leeが冒頭から静かに歌い上げているので、Bring Me The Horizonのアルバムには聴こえない。この人もパッと聴いてエイミー・リーだと分かる独特の歌声を持っているからだろうが、オリバーもこの曲は静かなメロディを書いて二人で歌い上げていく手法を取ったようだ。まるで特性の違う2つの歌声が重なりあって素晴らしい美しさを出している。ただ、エイミー・リーの歌声の凄さは最初から最後まで圧倒的。
EPと言ってリリースしている理由も分かるくらいにバリエーション豊かなサウンドの宝庫。確かに彼ら自身の作品だが、バンドのオリジナルアルバムにしては少々バラつきが大きいからこうなったが、それはもうリスナー的にはどちらでも良くて、ゲスト参加の楽しみから入ったものの、しっかりと今のBring Me The Horizonの姿を満喫でき、ゲスト陣営の参加も、名前だけでなく存分に個性を発揮させ、または潜在的なパフォーマンス力を引っ張り出して、今の時代、COVID-19で動きの取れない時代の鬱憤晴らしを存分に味わったようだ。
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