Paul Rodgers - The Strat Pack
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Paul Rodgers - The Strat Pack (2004)

1954年にはストラトキャスターのデザインも今見られる形に出来上がり、苦節2年の成果が実っての完成形が生まれた年だった。もちろん最初からフェンダー社の中の話で、ストラトはレスポールと違ってフェンダー氏も含めて数人で作り上げたから人名が前に出て来ないが、今でも愛し愛され使われているギターのスタンダード形。ギターと言って万人が思い浮かべる形は多分ストラトキャスターだろう。そのストラトキャスター生誕50周年記念イベントをしましょうと誰が言ったのか、2004年9月24日にロンドンのウェンブリー・アリーナで「The Strat Pack」名で開催されていて、一大イベントとして当然ながら映像作品化もされているので今でもYouTubeで丸ごと見られるのもありがたい。15年前の本ブログの記事の取り上げ方ではブライアン・メイとポール・ロジャースの共演の一幕、そしてポール・ロジャースファミリー共演となった記念のイベントとの位置付けで書いていたが、今回はイベントそのものの映像を書いていきたい。
基本的にストラトキャスターをメインに使用しているギタリストが中心のハズだが、どういうワケかブライアン・メイが積極的に参加している辺りからして不思議。義理上ブライアン・メイもストラトを弾いているが、普段使ってないしイベント主催の方で絡んだのだろう。そのヘンからするとこの頃ではまだまだ無名だったミュージシャンも何組か出演してお披露目的に参加している姿も見れるので、主催側からの出演依頼だろう。どうしてエイミー・ワインハウスがストラトのイベントで出てくるんだ?となるし、ジミヘンの「Angel」で収録されているジェイミー・カラムなる鍵盤奏者も凄い才能だがストラトとは無縁だろうし、とツッコミどころはあるが、その冠をある程度は無視して楽しむが良し。ストラトキャスター冠にこだわるならば、リッチー・ブラックモアやジェフ・ベック、クラプトンあたりが参加しても良さそうだったが、そのヘンはしょうがないか。リスナー側の一方的な想いはそんなもんだ。
気を取り直してイベントを見渡せば冒頭から往年のスターThe Cricketsが見事にストラトキャスターをその音で鳴らし、ブライアン・メイとアルバート・リー、そしてロン・ウッドが華を添えてのプレイ。「I Fought The Law」がここで取り上げられるとはかなり意外性が高いのもあるし、一方では英国民にはThe Clashバージョンで馴染み深いとすれば新鮮な響きだったろう。本イベントの中で最もストラトがストラトだけの音で鳴ってたチームとも思える。ハンク・マーヴィンに続いて美しき女性がストラトを持って出てくるとテレサ・アンダーソンなるスウェーデン出身の歌の上手い人で、インパクトあったのでイベントの出演は大正解。そしてマイク・ラザフォード出演でストラトに敬意を払ってのジミヘンカバー2曲だが、この人が歌うとこうなるのか、と思うくらいには角のない無難な演奏でギターソロはサポートバンドに入っているフィル・パーマーか。さすがの音使いと安定とツボを得たプレイで割と引き込まれてしまうのは見事。先程からずっと後ろに映っているベーシストはほぼ全編を通して弾いているピノ・パラディーノ。この時は既にThe Whoにまだゲスト的にツアー単位で参加していた頃だろうが、それでも随分と忙しい日々を送っていただろうし、それも引っ張りだこのベーシストだから故か。
そしてゲイリー・ムーアの登場による「Red House」で場の雰囲気は一気に変わり、超絶ハードなギタープレイスタイルをこれでもかとばかりに聴衆に叩き込んでいく。懐かしのピンクのストラトは80年代初頭のゲイリー・ムーアのトレードマークだったギターだし、それでジミヘンを炸裂させて本イベントの中で唯一人あそこまで歪ませてエモーショナルなプレイを存分に振る舞った素晴らしきプレイだ。その場を抑えるかのようにジェイミー・カラムが登場し、更にエイミー・ワインハウスもまたこの中では突出したボーカルを聴かせてくれてインパクトを放った事だろう。全く毛色の異なる独特のスタイルの楽曲も歌も斬新、参加しているミュージシャン側からもそう思われたのじゃないか。その余韻を解き放ったのが往年のベテランシンガーポール・ロジャース。こうして流れを見ていると、ポール・ロジャースは自身の時間枠の中に息子と娘の組んでいたバンドBoAの枠を入れ込んで披露したのだろう。さすがにポール・ロジャースのお子様たちで標準以上の音楽家ではあろうが、父親やエイミー・ワインハウスあたりが凄すぎてあまりにも普通に聞こえてしまうのは場が悪かったかもしれない。それでも家族でこんなイベントでプレイ出来るなどそうそうないだろうから愛の溢れるステージとして良かったとは思う。そして「Alright Now」でブライアン・メイを引き込んで共演した事もクイーン参加のきっかけとなったのだろう。
このメンツ、FreeにThe WhoにQueenの合体だから凄いよ。続いての「Can't Get Enough」ではジョー・ウォルシュ参加だからThe Eagles / James Gangの合体だし、時代が経つと何でも起こりうるものだ。そのままジョー・ウォルシュのコーナーに入り、お茶目な、そして白熱のプレイが幾つか炸裂してからクールにフィル・マンザネラのストラトを活かした職人芸が光るプレイを堪能させてもらい、デイヴ・ギルモアに繋がる。ユニークなのはフィル・マンザネラがそのままサイドギターで残ってギルモアと一緒にプレイしているあたりで、さすがに場を圧倒する雰囲気作りが上手い人、空間演出を取り込んでしまう見事なフロイド調のムードでのギタープレイは堂に入ったもの。本ライブで一番票が高かったプレイだったようだが、それも納得。ストラトキャスターの音色の出し方も含めてさすがのプレイ。そしてオーラスは英国らしくユーモアのあるお茶目なステージが求められるのはいつもの事で、そんな時にはロニー・ウッドの出番だ。この人はホントキャラクターの勝利で何処へ行ってもこのまま、シリアス感などまるで見当たらず場をなごませてくれる雰囲気と音楽性、ギタープレイが素晴らしい。英国ではフェイセスの名曲群はスタンダードだろうから成り立ってもいるが「Ooh La La」と最後には出演者全員での「Stay With Me」で、歌詞カード見ながらの情けなさはあるもののポール・ロジャースが歌ってるから物凄いカッコ良い歌になってて、そこにギタリストたちが皆ストラト持って出てくる構図。ブライアン・メイはレッドスペシャルだけど。
この頃見てても爺さんばかりだと思ったが、そこから結構な年月の経った今同じような事をしたらもっと爺さんや既にこの世にいない人達も多いし、イベントはやっておくべきだし出演しておくとメリットもあると思いたい。自分が気にするのがこの手の方々のイベントばかりだからそう思うのかもしれないから、若手や中堅どころのイベントももっとあればと思う。ただ、曲が難しく個性的になっているのでなかなか気楽に集まってその場でコード教えて出来るようなものでもないのだろう。しかし随分古い映像をずっと見てて知ってる曲も多いから余計に楽しめるのはあるが、ロックは面白いな。

1954年にはストラトキャスターのデザインも今見られる形に出来上がり、苦節2年の成果が実っての完成形が生まれた年だった。もちろん最初からフェンダー社の中の話で、ストラトはレスポールと違ってフェンダー氏も含めて数人で作り上げたから人名が前に出て来ないが、今でも愛し愛され使われているギターのスタンダード形。ギターと言って万人が思い浮かべる形は多分ストラトキャスターだろう。そのストラトキャスター生誕50周年記念イベントをしましょうと誰が言ったのか、2004年9月24日にロンドンのウェンブリー・アリーナで「The Strat Pack」名で開催されていて、一大イベントとして当然ながら映像作品化もされているので今でもYouTubeで丸ごと見られるのもありがたい。15年前の本ブログの記事の取り上げ方ではブライアン・メイとポール・ロジャースの共演の一幕、そしてポール・ロジャースファミリー共演となった記念のイベントとの位置付けで書いていたが、今回はイベントそのものの映像を書いていきたい。
基本的にストラトキャスターをメインに使用しているギタリストが中心のハズだが、どういうワケかブライアン・メイが積極的に参加している辺りからして不思議。義理上ブライアン・メイもストラトを弾いているが、普段使ってないしイベント主催の方で絡んだのだろう。そのヘンからするとこの頃ではまだまだ無名だったミュージシャンも何組か出演してお披露目的に参加している姿も見れるので、主催側からの出演依頼だろう。どうしてエイミー・ワインハウスがストラトのイベントで出てくるんだ?となるし、ジミヘンの「Angel」で収録されているジェイミー・カラムなる鍵盤奏者も凄い才能だがストラトとは無縁だろうし、とツッコミどころはあるが、その冠をある程度は無視して楽しむが良し。ストラトキャスター冠にこだわるならば、リッチー・ブラックモアやジェフ・ベック、クラプトンあたりが参加しても良さそうだったが、そのヘンはしょうがないか。リスナー側の一方的な想いはそんなもんだ。
気を取り直してイベントを見渡せば冒頭から往年のスターThe Cricketsが見事にストラトキャスターをその音で鳴らし、ブライアン・メイとアルバート・リー、そしてロン・ウッドが華を添えてのプレイ。「I Fought The Law」がここで取り上げられるとはかなり意外性が高いのもあるし、一方では英国民にはThe Clashバージョンで馴染み深いとすれば新鮮な響きだったろう。本イベントの中で最もストラトがストラトだけの音で鳴ってたチームとも思える。ハンク・マーヴィンに続いて美しき女性がストラトを持って出てくるとテレサ・アンダーソンなるスウェーデン出身の歌の上手い人で、インパクトあったのでイベントの出演は大正解。そしてマイク・ラザフォード出演でストラトに敬意を払ってのジミヘンカバー2曲だが、この人が歌うとこうなるのか、と思うくらいには角のない無難な演奏でギターソロはサポートバンドに入っているフィル・パーマーか。さすがの音使いと安定とツボを得たプレイで割と引き込まれてしまうのは見事。先程からずっと後ろに映っているベーシストはほぼ全編を通して弾いているピノ・パラディーノ。この時は既にThe Whoにまだゲスト的にツアー単位で参加していた頃だろうが、それでも随分と忙しい日々を送っていただろうし、それも引っ張りだこのベーシストだから故か。
そしてゲイリー・ムーアの登場による「Red House」で場の雰囲気は一気に変わり、超絶ハードなギタープレイスタイルをこれでもかとばかりに聴衆に叩き込んでいく。懐かしのピンクのストラトは80年代初頭のゲイリー・ムーアのトレードマークだったギターだし、それでジミヘンを炸裂させて本イベントの中で唯一人あそこまで歪ませてエモーショナルなプレイを存分に振る舞った素晴らしきプレイだ。その場を抑えるかのようにジェイミー・カラムが登場し、更にエイミー・ワインハウスもまたこの中では突出したボーカルを聴かせてくれてインパクトを放った事だろう。全く毛色の異なる独特のスタイルの楽曲も歌も斬新、参加しているミュージシャン側からもそう思われたのじゃないか。その余韻を解き放ったのが往年のベテランシンガーポール・ロジャース。こうして流れを見ていると、ポール・ロジャースは自身の時間枠の中に息子と娘の組んでいたバンドBoAの枠を入れ込んで披露したのだろう。さすがにポール・ロジャースのお子様たちで標準以上の音楽家ではあろうが、父親やエイミー・ワインハウスあたりが凄すぎてあまりにも普通に聞こえてしまうのは場が悪かったかもしれない。それでも家族でこんなイベントでプレイ出来るなどそうそうないだろうから愛の溢れるステージとして良かったとは思う。そして「Alright Now」でブライアン・メイを引き込んで共演した事もクイーン参加のきっかけとなったのだろう。
このメンツ、FreeにThe WhoにQueenの合体だから凄いよ。続いての「Can't Get Enough」ではジョー・ウォルシュ参加だからThe Eagles / James Gangの合体だし、時代が経つと何でも起こりうるものだ。そのままジョー・ウォルシュのコーナーに入り、お茶目な、そして白熱のプレイが幾つか炸裂してからクールにフィル・マンザネラのストラトを活かした職人芸が光るプレイを堪能させてもらい、デイヴ・ギルモアに繋がる。ユニークなのはフィル・マンザネラがそのままサイドギターで残ってギルモアと一緒にプレイしているあたりで、さすがに場を圧倒する雰囲気作りが上手い人、空間演出を取り込んでしまう見事なフロイド調のムードでのギタープレイは堂に入ったもの。本ライブで一番票が高かったプレイだったようだが、それも納得。ストラトキャスターの音色の出し方も含めてさすがのプレイ。そしてオーラスは英国らしくユーモアのあるお茶目なステージが求められるのはいつもの事で、そんな時にはロニー・ウッドの出番だ。この人はホントキャラクターの勝利で何処へ行ってもこのまま、シリアス感などまるで見当たらず場をなごませてくれる雰囲気と音楽性、ギタープレイが素晴らしい。英国ではフェイセスの名曲群はスタンダードだろうから成り立ってもいるが「Ooh La La」と最後には出演者全員での「Stay With Me」で、歌詞カード見ながらの情けなさはあるもののポール・ロジャースが歌ってるから物凄いカッコ良い歌になってて、そこにギタリストたちが皆ストラト持って出てくる構図。ブライアン・メイはレッドスペシャルだけど。
この頃見てても爺さんばかりだと思ったが、そこから結構な年月の経った今同じような事をしたらもっと爺さんや既にこの世にいない人達も多いし、イベントはやっておくべきだし出演しておくとメリットもあると思いたい。自分が気にするのがこの手の方々のイベントばかりだからそう思うのかもしれないから、若手や中堅どころのイベントももっとあればと思う。ただ、曲が難しく個性的になっているのでなかなか気楽に集まってその場でコード教えて出来るようなものでもないのだろう。しかし随分古い映像をずっと見てて知ってる曲も多いから余計に楽しめるのはあるが、ロックは面白いな。
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