The Who - Who Sell Out (Deluxe Edition)

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The Who - Who Sell Out (Deluxe Edition) (1967)
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 1967年にリリースされた「Who Sell Out」は既に50年前では言い表せないほど古いアルバムだが、The Whoは今でもライブをやっているバンドだし、本作からの曲だって普通に演奏している。ロック創世記からその名を広め、今に至るまでそのパフォーマンスが伝説となり、生ける伝説になっているThe Who。恐らくThe Whoのメンバー、ピートとロジャーがこの世からいなくなった時がロックの終焉になるだろう。もちろんThe Rolling Stonesにしても同じことが言えるし、もしかしたらThe Beatlesでも同じかもしれないが、少なくともその一端を担っているバンド、すなわちロックの生き証人。だから残り少ない時間をもう少しだけ我々はロックで楽しめる。

 そんな中の作品をこのブログに15年前にも書いていて、それは普通にいつも何かを聴いている時からライブラリに入っていたからだろう。2005年時点なら1995年リマスターシリーズをまだ聴いていた事になるが、そのリマスター盤でもボーナストラックが山のように入っていて、ありとあらゆる聴き方をしていたものだが、その後2009年にはデラックス・エディションと題してオリジナルアルバムに17曲加えた2枚組CDがリリースされたので、当然これも入手して聴き比べていた。ただし悩ましいのは先の1995年盤のボーナストラックと、デラックス・エディション盤のボーナストラックが微妙に異なっていて、結局両方持ってないと揃わないというあたり。その後はSHCDバージョンなどもあったが内容は同じだった気がするので、あまり聴いていないが、その辺り前後で確かステレオ盤とモノラル盤も含めての豪華盤がリリースされていた気がする。いずれもきちんと所有して聴いていたのでさほど気にしていなかったが、このモノステ違いは割と幾つかの曲でも顕著でミックス違うとこうも異なるのかと感激した記憶もある。ビートルズを筆頭にモノステ解明はアチコチで検証されているので、どこかで探せるとは思うが、ボーナストラック=シングルバージョンや未発表曲までモノステがあるのは驚き、と言うかわざわざ作っているのもあるだろうが、その凝り方も商売とは言え見事にファンを満足させている気がする。

 オリジナルアルバム面では初のコンセプトアルバム、と言うかCMを入れたラジオ局で流れるかのようなアルバム作りで、本作の終盤に収録している「Rael」あたりで後の「Tommy」に繋がるホントのコンセプトアルバム、ロックオペラをイメージさせているが、ボーナストラックの「Glow Girl」が顕著だろう。昔は本作も「最も重要な駄作」と称されたものだが、今や誰もそんな事は言わず、The Whoの快作、とでも言われるのだろうか。「Tommy」を理解するには「Who Sell Out」を聴かなきゃ分からないとでも言わんばかりだが、言い得て妙でもあり、この曲作りや構成は正に「Tommy」と同じで、もっととっ散らかっているだけとも言える。アルバムとしての完成度はそこまで高くもないだろうが、今や冷静に良い悪いなどと言えるレベルでもなく、そういうアルバム、そして普通にこの曲順で流れてくる作品なので何も言いようがない。ただ、どれもこれも思春期の青年の歌ばかりなので、そういう目線で歌詞カードを見るとなるほどと納得する事も多いだろう。そういうのを感じさせずにパワフルに攻め立ててくるピートの技やキースのドラムは凄い迫力だし、ロジャーにしても堂々と歌い上げているからまったく男臭いバンド。アルバムB面の中盤辺りからは何ともダレた雰囲気が漂ってくるし、それでいて深みも感じてしまう悩ましい楽曲群。

 ボーナストラックは昔からそれこそ海賊盤でこの辺りが散々出回っていたので知らない曲はさほど無かったが、ミックス違いには結構感動したし、デラックス・エディションでは知らないのも出て来て驚いて聴いてた。「Mary Anne...」などはもうどれだけのバージョンが存在するのかと聴くたびに違うバージョンだった気がするが、どれもこれも流石に当時未発表曲だっただけあって楽曲レベルがちょいと落ちる印象があるのは納得する。あの「Summertime Blues」ですらスタジオバージョンだとまるでインパクトのない単なる楽曲になってしまっているくらいだから如何にThe Whoの名前で出てきた楽曲がパワフルでThe Whoらしかったかが分かる。基本的にはピートが作った曲がアレンジもそのままでバンド演奏になるだけなので、どこまでピートが作り込むかがキモなのは有名な話。久々に纏めて聴いたが全て口づさめるレベルなのでやはりよく聴いたのだろうし、ギターも結構コピーしてたしボーナストラックまでも普通に馴染んでいた。面白いバンドだしアルバムだ。





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フレ
Posted byフレ

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