James Gang - Rides Again

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James Gang - Rides Again (1970)
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 ジョー・ウォルシュの名は英国ロック史を紐解いていても出てくるし、アメリカン・ロックでも当然出てくるが、アメリカ人でJames Gangのリーダー兼ギタリストでグランド・ファンクとはちょいと異なる英国風味に近いアメリカン・ロックを奏でていたバンドの主。ジミー・ペイジに58年のレスポールをあげた人、ピート・タウンジェンドにハイワットを教えた人、など色々な逸話があるが、そういう交流があった事自体が彼のその頃の立ち位置を表している。ところが音楽的な面では自分的にはほぼ聴いた事もなく、James Gangの名を知ったのはジョー・ウォルシュもだが、トミー・ボーリンのイメージからもある。ジョー・ウォルシュが脱退して次の次のギタリストとしてトミー・ボーリンが参加していたらしいので、間違ってもいないがそこからトミー・ボーリンはディープ・パープルに参加するのだから、やはり英国ロックとの関係が深いバンドのようだ。

 James Gangの1970年リリースのセカンド・アルバム「Rides Again」は見事なまでに英国ハードロックと言える質感のアルバムに仕上がっており、音色もともかくながら楽曲のアレンジやスタンスもかなり大英帝国の雰囲気を纏っている。最初の「Funk #49」はかなりインパクトの強いアグレッシブなハードロックでグイグイと惹き込まれていくが、何と言っても「The Bomber」の組曲が真骨頂で、冒頭の正にLed Zeppelinと言わんばかりのハードロック節から「Whole Lotta Love」的展開に加えてのサイケデリック調なムード、プログレッシブとも呼べるアレンジの変幻さはこの時代のアメリカでは恐らくさほど聴けない展開だったろう。大英帝国風味たっぷりな曲調がしっとりと楽しめるユニークで長尺な作品。B面はどちらかと言えば牧歌的なアコギ中心のスタイルの楽曲が多くまた深みのある側面を聴かせてくれる味わい深いバンド。

 なるほどジョー・ウォルシュが英国ロックの名手達と交流が深く、尊敬されていたのもよく分かるアルバムだし、自分が思っていたイメージのジョー・ウォルシュとは大きく異なるのも分かってきた。イーグルスでギターを弾いている酔いどれプレイヤーのイメージしかなかったので、元々の才能の豊かさを初めて実感した次第。まだまだロックは深い。それでもJames Gangはさほどセールス的に成功はしていなかったのか、この後アルバムをもう一枚リリースしてからジョー・ウォルシュが脱退、ソロ活動に専念した後にイーグルスに加入しての「Hotel California」と成功の道まっしぐらに進んでいるが、初期のこの音は大きくかけ離れたイメージながらもナイスな作品。





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フレ
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