Rory Gallagher - Check Shirt Wizard - Live In '77

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Rory Gallagher - Check Shirt Wizard - Live In '77
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 いつからかアマゾンでアルバムを見たり買ったりディスコグラフィーの目安にしたり、持ってない作品を確認したり新しいアルバムが出てるかどうかチェックしたり、発掘音源がリリースされていないかの確認するようにもなっていたが、アマゾンがマーケットプレイスを拡張するようになってからはどうにも海賊盤紛いの、と言うか海賊盤が堂々とアルバムとしてアマゾンで売られているような状況になり、それを見ている我々購入側もアマゾンにあるなら、アマゾンで買えるならそれが不法の海賊盤などとは思わないので、普通に買ってしまっている事だろう。実はその印税はアーティストに回っていないのでひとつには人気のバロメーターだったり、広告宣伝と思えば価値はあるとの判断もあるが、オフィシャルとは一線を画した存在のCDなりDVDなのは確か。ではオフィシャルとは何か、の定義になるが当人がこの世に存在しない場合はかなり難しくなるので悩ましい。ただ、今の状況が良いのかと問われると難しいが、一人のリスナー、ファンとしては悪くないとも言えるか。

 Rory Gallagherの発掘ライブ音源を真っ当なオフィシャル、ここではロリーの家族がきちんと管理した所からリリースされているので文句なしのロリー・ギャラガーの新ライブ音源となる「Check Shirt Wizard - Live In '77」。1977年英国ツアーの4公演から抜粋されたベスト選曲となるライブ2枚組アルバムで、恐らくここまでフルスペックでのライブは実際には行われなかったと思うし、途中途中で選曲は変わっていったと想像されるが、本作では1月〜3月までのツアー中からのチョイスだから出来る技。ちなみにこの年の11月には日本公演も行われているので、概ね同じような楽曲からのセレクトだったろうし、その思い出にも浸れるのかもしれない。冒頭の海賊盤とは大きく異なり、未発表のマルチトラックライブソースからきちんとミックス、マスタリングしてのリリースなので、2トラックのラジオ音源や生サウンドボードそのままのミックス音源とは比べ物にならない。左チャンネルにロリー・ギャラガーのギター、右チャンネルからは鍵盤が流れてのミックスで心地良く、そしてライブの雰囲気そのままをきちんと味あわせてくれる素晴らしいライブアルバム。ロリー・ギャラガーのオフィシャルディスコグラフィにもきっちりと記録されるハイクォリティのライブ音源で、その出来映えは名盤「Irish Tour '74」や「STAGE STRUCK」と同等以上の白熱ぶり。

 個人的好みで言えば、1977年ツアーはアルバム「CALLING CARD」をリリースした後のライブツアーで、その前の「AGAINST THE GRAIN」も含めて同じバンドメンバーで一気に作り上げたハード路線を踏襲しているので大好きな時期。トリオでは少々粗くなりすぎた部分を鍵盤を交える事で音の厚みや品質を上げているし、バンドとしての一体感やライブ感、ドライブ感もかなり増しているように感じるから多分ノリノリの時期でもあった事だろう。本ライブアルバムでは見事に「CALLING CARD」のほぼ全曲、「AGAINST THE GRAIN」からも多数を交えて、後は往年の名曲郡で彩られて相変わらずのアドリブプレイも炸裂、Led Zeppelinがこの年までは長時間ライブでツアーしていたのと被るかのようにかなりフリーで長々としたセッション的なライブ楽曲も多く、そのプレイの充実ぶりに聞き惚れてしまう。素晴らしい。ひとつのライブを収録したアルバムではないので、実際とは異なるが、それこそ完璧なライブ盤を聴くならこうした完成形の方が圧倒的な凄さを実感できる。正に70年代のライブアルバム作りに近いが、本人不在なのでオーバーダビングはないし、各地の良いところ取りのライブ・アルバムとして仕上がっている。アルバムジャケットもどこかマーク・ボラン的、そしてジミヘン的な印象を受けるものの良い笑顔じゃないか。全身からロリー・ギャラガーのパワーが伝わってくるかのようなセンス、こういう所もオフィシャルの仕事の素晴らしい所。







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フレ
Posted byフレ

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