Peter Green - In the Skies

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Peter Green - In the Skies (1979)
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 どこかのバンドのギタリストとして名が知られるようになり、しばらくした後それぞれの理由はあるだろうが、ソロアルバムをリリースする人も数多い。自分の印象だけでは大抵そういったソロアルバム系はバンドのハードな、アグレッシブなギタープレイの姿とは異なりリラックスした大人のロック、ギターを聴かせるような作品が多く、買う側としてはどこそこのバンドのあんなギターを弾くヤツのソロアルバムだからあれがもっと長々と目一杯白熱して聴けるのだろうと期待する事が多かったが、実際そんな事はまるで無くて逆にそういうハードで疲れそうなプレイからは遠く離れたプレイが多い。だから毎回期待はずれで、ギタリストのソロアルバムってのは面白味に欠ける、ただ、ギタープレイ的に色々な実験をしていたり新しい世界へのソングライティングに挑戦をしているものと認識している。

 70年前後の英国ブルース・ロックシーンを賑わせた中の筆頭格でもあったピーター・グリーンも早々にフリートウッド・マックを離脱してあちこち行きながらも幾つかのソロアルバムをリリース、本作「In the Skies」は1979年にリリースされたソロ作2枚目となり、ひと時代終えた後のソロ作なので、当然ながらブルースにこだわった作品にはなっていない。始めて自分がその名前からソロアルバムを買って聴いた時もそう思ったが、どこが面白いのかさっぱり分からない名前だけのアルバムのイメージ。無茶苦茶久しぶりに手を出して聴いているのは、ピーター・グリーンのみならず、本作にはスノーウィ・ホワイトが全面参加しているからで、更にはちょうどこの頃にCamelを離脱したピーター・バーデンスも参加している、ある意味スーパーバンド的なアルバムだと気づいたから。ピーター・グリーンのソロ作なのに、冒頭2曲の美しきギターソロはスノーウィ・ホワイトが弾いている不思議、ピーター・グリーンは何がしたかったのだろうか、と疑ってしまうが、それ以上にスノーウィ・ホワイトのギタープレイが素晴らしかったのかもしれない。作品として捉えれば見事な大人の味わいをたっぷりと見せつけるプレイが聴ける作品。その勢いのままアルバム全編が彩られているのは疑いなく、それがピーター・グリーンのギターであろうがスノーウィ・ホワイトであろうが、と何聴いてるのか分からなくなるくらいだが。

 それも偏にどこかスノーウィ・ホワイトの作風とピーター・グリーンの作風が似ている点に尽きる。両者とも大人のブルース・ロックからAOR、そして落ち着きのあるムード音楽的なスタイルを創り上げているし、ソロ作品でもそういう風味が強いが、本作は正にその骨頂で味わい深いアルバム、サウンドとして仕上がっている。白熱のギタープレイヤー達はどこにも見当たらず、オリエンテッドな風味ばかりで、そこにはCamelに疲れたピーター・バーデンスも加わっているのだろう。元々のバンドメイトだから勝手知ったる仲間だし、なるほどそういう背景をそれぞれ見るとこの作品の立ち位置もよく見えてくるが、随所で聴かれる枯れたギタープレイのブルージーさや味わいは絶品。





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フレ
Posted byフレ

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