Fleetwood Mac - The Pious Bird Of Good Omen

0 Comments
Fleetwood Mac - The Pious Bird Of Good Omen (1969)
B000B9EX26

 アルバムを集める、気に入ったバンドの来歴をきちんと辿ろうとすると当然オリジナルアルバムを順番に揃えたくなるし、ある程度揃ってくると未発表曲やシングル、バージョン違いなども気になるし、一方ではライブ盤、発掘音源あたりも気になってくるのでキリがない。しかし基本はオフィシャルスタジオアルバムで、シングルは時系列としては把握しておかないといけないが、なかなかそういう順番では聴けないし、そういう編集が施されたCDも多くない。どうしてだろうか?実際そういう順番でリリースされたなら、ボックスセットなどはそうあるべきだと思うが、シングルは大抵纏めて別のディスクに収められていたりする。そして編集盤の扱いにもまた困る。どういう位置づけで聴けば良いのか、コレクションする際に必要か否か、ただジャケットが良かったり一曲だけ未発表だったりとなかなか食わせ者。

 Fleetwood Macの1969年に英国でリリースされた「The Pious Bird Of Good Omen」も扱いに困って、編集盤のようだが英国で3枚目のアルバムとも言われたりしてややこしかった。結局シングルや他の参加アルバムでの演奏を纏めたコンピ作品が実態だが、同時期にはあの「英吉利の薔薇」がアメリカでリリースされていて、どうにも編集盤が立て続けにリリースされていたから混乱していた。後の世代が集めたり聴いたりするのには殊更ややこしく感じて手を出しにくい時期だったが、悩ましいのはピーター・グリーン在籍時の作品なので、出来ればどれもこれも聴いておきたいのも本音。そういう事で結局疑わしきは買え、との名言に沿って入手するが、聴き覚えのある曲も多くて半分くらいは残念感を味わっていたような気がする。ただ、こうして聴いていると本気で本場のブルースメンに成り切りたくてそのままの音を演奏している曲やプレイもあれば、恐ろしく個性的に独自ブルース、ブルースに留まらないサイケデリック風味な楽曲もあるので、単にブルース模倣バンドとも言えない面白さが同居している。

 「アルバトロス」なんてそのまま雰囲気だけの作品だし、「Black Magic Woman」も一筋縄ではいかないブルース調の曲で、既に馴染んでしまっているからこういう曲だと思ってるが、この時代のフリートウッド・マックを改めて意識して聴いているとかなり突出した異色の作品にも感じる。サンタナバージョンのは大きく異なるが、本家のマックバージョンも曲は妙だ。ただ、ピーター・グリーンのギターがエグいのとベースもブイブイしてるから随分とロック的な印象だろう。はて、この「聖なる鳥」にはエディ・ボイドとのセッション曲も入っているのがお得なところで、それこそ本家本元のブルースメンとのセッションは若い彼らを随分刺激した事だろう。その断片が熱い演奏で聞けるし、そもそもの「エディ・ボイド・アンド・ヒズ・ブルース・バンド・フィーチャリング・ピーター・グリーン」も楽しめるのでオススメ。





関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply