John Mayall - Blues From Laurel Canyon

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John Mayall - Blues From Laurel Canyon (1968)
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 時代を遡ると当然ながら古い音での録音ソースばかりになるから迫力に欠けたり聴き辛さも増すから苦手だ、聴くのが苦痛だと言われる事もある。ただ、それでもその音でロックやブルースってのは時代時代での若者がその音に飛び付いて必死にギターを弾いてシーンに出て来て若いファンを獲得しての繰り返しで今に至っているのだから、その源流を侮ってはいけない。音のショボさは現代でも聴けば同じく分かるものだから、古いので迫力がない、は間違っている。今はショボくても迫力あるように聴かせられるのはあるから、その分現代的な音の方が聴きやすさはあるが、ロックやブルースの本質は聴けば分かる。昔から変わらずに迫力ある音はそのまま迫力があるよ。

 John Mayallがブルースブレイカーズを解体してソロ名義で1968年にアルバム「Blues From Laurel Canyon」をリリースしたが、まだまだ古き良きメンツと仲間を集めてのレコーディングだったようで、本作にはミック・テイラーがメインギタリストとして、ピーター・グリーンが1曲ゲストで参加している。基本的にはソロブルース作品に近いのでジョン・メイオールのブルースがどういう方向に向かっているかが分かりやすい作品になっているように感じるが、なかなか新しい試みが随所でされていて、それは録音手法だったり演奏方法にも現れていたようだ。普通に音を聴いているだけでもどこか斬新な、そしてステレオ感も味わえるのでプロデューサーのマイク・ヴァーノンと共に音の世界に革新性を持ち込んでいる点が分かる。

 それでも所詮3コード中心なので曲がどうのという世界はさほど広がらない。ただ、この人、こうして聴いているとつくづくブルースに向かない歌声していると毎回思うし、ブルースそのものもアメリカのそれとは大きく異なり軽やかで表面的な音でもある。ミック・テイラーのギターはここでも丁寧に音をひとつづつしっかりと出した安定のプレイ。だから故、これはミック・テイラーのギターだろうと簡単にあたりが付くのはひとつの個性で、じっくりと聴き込むとその上手さに舌を巻くのは当然のレベル。ピーター・グリーンの方は軽やかに弾いているので、なるほどギタリストの個性は随分と異なるものだとこの時点でも明らかに感じる楽しさ。時代はサイケデリックだったからジャケットはそんな風味だが、その雰囲気も含めて悪くない作品。



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フレ
Posted byフレ

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