Nucleus - Live in Bremen
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Nucleus - Live in Bremen (1971)

音楽を堪能するには時間との戦いを制覇する事から始めないといけないのが一般人の悩ましいところ。その他もちろんカネや環境作りもあるから、趣味とは言えどもなかなか突き詰めていくには労力を伴うのも厳しいところか。普通に音楽鑑賞が趣味です、といえるレベルならそうでもないが、気になって探求してしまう性癖があるとそうもいかない。もしくは才能があって一度聞いたら分かっちゃったり進行が分析できちゃうような人なら短時間でも良いのかもしれないが、元来ゆったりと楽しみリラックスしてその世界に浸るものだとも思うので、やはり時間が優先度高いだろう。大人になったらジャズを聴く、と思っていたのもそのひとつで、時間がゆっくり流れる年頃になったらそういう贅沢な音楽を聴けるのだ、と。実際そういう時間を持てる事もなくただただあくせく生きている毎日、それでも趣味には時間を割いて楽しむべきだから色々と聴いたり、突っ込んだりしているあまり意味のない日々。
カンタベリーシーンの連中はポップスも耳にしながらジャズ楽器を演奏するメンツで、その入り混じり具合によってバンドの指向性が変わっていったが、少々外れたところにはジャズメンからロックに近づいていったNucleusの総帥、イアン・カーがいて、それはそれで秀逸なミュージシャンを集めてバンドを組んでジャズにロックを混ぜて演奏していた。アルバムデビューは1970年、勢い込んだその年には2枚のアルバムを市場に突っ込み、その存在感と音楽感をロック界に、そして英国ジャズシーンに投げ込んだが、結果的にプログレッシブ・ロックのジャズ・ロック辺りの筆頭バンドとして捉えられている現在、メンバーの流動性も高く、またメンツの大部分がその筋の人脈でソフツとも被りまくるため概ねその範疇で語られる事が多いし、実際自分もそうクロスオーバーして聴いている。アフィニティのリンダ・ホイルのバックを務めたりもしているので、その辺りまで進めると色々と出てくるがそこはクリス・スペディングのキャラクターの人脈の為せる業だろうか、あちこちでその名声を培っている。
そしてニュークリアスの「Live in Bremen」なる発掘ライブアルバムは1971年5月にブレーメンで行われたライブだが、メンツは後期ソフツそのまま、そして冒頭から「Hazard Profile」そのままの「Song For The Bearded Lady」のリフレインがゆったり目に鳴り響き、以降前半はインプロプレイ中心の白熱したライブがひたすらに繰り広げられる素晴らしき名演で、息つく間もなく繰り広げられるそれぞれのソロバトルプレイ、絶妙なアンサンブルと展開がこれでもかとばかりに出てくるのでついつい引き込まれていく。この手のインタープレイがジャズ・ロックとも言えるし、ロックが求めていたアドリブプレイの真骨頂とも言える世界と同じだし、自分的にはこういう瞬間が大好きだ。楽器の音色はともかく聴いていてゾクゾクする瞬間が多数あるから面白い。本ライブではメンバー6人で、その半分は後期ソフツメンバー、クリス・スペディングや離脱しているので代わりにレイ・ラッセル参加だがギターの出番はそれほど多くない。圧巻なのは当然ながらのイアン・カーとカール・ジェンキンスで、絶妙に合間を縫って捌くのがロイ・バビントンとジョン・マーシャル。合間を美しく彩るのがブライアン・スミスの管楽器と言った感じか。
ステージは前半と後半の真ん中に休憩を挟むような進行だったらしく本ライブアルバムは発掘リリースながらもこの古い音源を全て網羅しているようで、全く集中力を途切れさせる事なく一気に聴けてしまうテンションの高さが凄く、楽曲に親しみがあるなしは関係なく演奏を味わえるから、その意味ではジャズ的。それにしてもモロに後期ソフツな印象が強いのはリフそのものもあるが、カール・ジェンキンスの雰囲気だろうから当然ながらもソフツ前夜をこれだけ激しく楽しめる事に感謝したい。先日ソフツの白熱ライブを聴いたばかりだったので、ニュークリアスも似たように何かあるだろうと思って引っ張り出してきたが、ここまでとは思ってなかったから楽しめたライブ。

音楽を堪能するには時間との戦いを制覇する事から始めないといけないのが一般人の悩ましいところ。その他もちろんカネや環境作りもあるから、趣味とは言えどもなかなか突き詰めていくには労力を伴うのも厳しいところか。普通に音楽鑑賞が趣味です、といえるレベルならそうでもないが、気になって探求してしまう性癖があるとそうもいかない。もしくは才能があって一度聞いたら分かっちゃったり進行が分析できちゃうような人なら短時間でも良いのかもしれないが、元来ゆったりと楽しみリラックスしてその世界に浸るものだとも思うので、やはり時間が優先度高いだろう。大人になったらジャズを聴く、と思っていたのもそのひとつで、時間がゆっくり流れる年頃になったらそういう贅沢な音楽を聴けるのだ、と。実際そういう時間を持てる事もなくただただあくせく生きている毎日、それでも趣味には時間を割いて楽しむべきだから色々と聴いたり、突っ込んだりしているあまり意味のない日々。
カンタベリーシーンの連中はポップスも耳にしながらジャズ楽器を演奏するメンツで、その入り混じり具合によってバンドの指向性が変わっていったが、少々外れたところにはジャズメンからロックに近づいていったNucleusの総帥、イアン・カーがいて、それはそれで秀逸なミュージシャンを集めてバンドを組んでジャズにロックを混ぜて演奏していた。アルバムデビューは1970年、勢い込んだその年には2枚のアルバムを市場に突っ込み、その存在感と音楽感をロック界に、そして英国ジャズシーンに投げ込んだが、結果的にプログレッシブ・ロックのジャズ・ロック辺りの筆頭バンドとして捉えられている現在、メンバーの流動性も高く、またメンツの大部分がその筋の人脈でソフツとも被りまくるため概ねその範疇で語られる事が多いし、実際自分もそうクロスオーバーして聴いている。アフィニティのリンダ・ホイルのバックを務めたりもしているので、その辺りまで進めると色々と出てくるがそこはクリス・スペディングのキャラクターの人脈の為せる業だろうか、あちこちでその名声を培っている。
そしてニュークリアスの「Live in Bremen」なる発掘ライブアルバムは1971年5月にブレーメンで行われたライブだが、メンツは後期ソフツそのまま、そして冒頭から「Hazard Profile」そのままの「Song For The Bearded Lady」のリフレインがゆったり目に鳴り響き、以降前半はインプロプレイ中心の白熱したライブがひたすらに繰り広げられる素晴らしき名演で、息つく間もなく繰り広げられるそれぞれのソロバトルプレイ、絶妙なアンサンブルと展開がこれでもかとばかりに出てくるのでついつい引き込まれていく。この手のインタープレイがジャズ・ロックとも言えるし、ロックが求めていたアドリブプレイの真骨頂とも言える世界と同じだし、自分的にはこういう瞬間が大好きだ。楽器の音色はともかく聴いていてゾクゾクする瞬間が多数あるから面白い。本ライブではメンバー6人で、その半分は後期ソフツメンバー、クリス・スペディングや離脱しているので代わりにレイ・ラッセル参加だがギターの出番はそれほど多くない。圧巻なのは当然ながらのイアン・カーとカール・ジェンキンスで、絶妙に合間を縫って捌くのがロイ・バビントンとジョン・マーシャル。合間を美しく彩るのがブライアン・スミスの管楽器と言った感じか。
ステージは前半と後半の真ん中に休憩を挟むような進行だったらしく本ライブアルバムは発掘リリースながらもこの古い音源を全て網羅しているようで、全く集中力を途切れさせる事なく一気に聴けてしまうテンションの高さが凄く、楽曲に親しみがあるなしは関係なく演奏を味わえるから、その意味ではジャズ的。それにしてもモロに後期ソフツな印象が強いのはリフそのものもあるが、カール・ジェンキンスの雰囲気だろうから当然ながらもソフツ前夜をこれだけ激しく楽しめる事に感謝したい。先日ソフツの白熱ライブを聴いたばかりだったので、ニュークリアスも似たように何かあるだろうと思って引っ張り出してきたが、ここまでとは思ってなかったから楽しめたライブ。
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