The Wilde Flowers - Tales of Canterbury
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The Wilde Flowers - Tales of Canterbury (1994)

久々にカンタベリーシーンの音に触れたが、やはり心地良い音のソフトさを味わえた。プログレバンドとして知られているからなかなか手が出せてなかったり、カンタベリーの意味不明な世界に触れるのをためらっているならその偏見は全て捨て去ってCaravanの中期の傑作あたりにどんどんと手を出すべきだろうし、マッチング・モウルやロバート・ワイアットのソロ作品でも良い。その辺りなら手を出して聴けなかったと言う事もなかろうし、ともすればカンタベリーの傑作が良く分かるかもしれない。やや演奏に比重を置いた傑作ならハットフィールド・アンド・ザ・ノースあたりに手を出すのも分かりやすいような気もするがそれ言うと何でもありになるので、軽快な歌ものとして聴ける範囲からが良い気がする。そのカンタベリーシーンの源流とも呼ばれるバンドにワイルド・フラワーズがあり、カンタベリーシーンの全てのルーツはここに集約されるのでご紹介。
The Wilde Flowersは1963年にホッパー兄弟が組んだバンドで、そこにはロバート・ワイアットがボーカルで、ケビン・エアーズも参加していて、歌う時にはロバート・ワイアットがドラムに回っている。ロバート・ワイアットが歌専門の時はロバート・コフランが在籍していた。ブライアン・ホッパーはギターからサックスに回ってしまったり、ヒュー・ホッパーはここでベースに馴染んだという話だが、そこに絡んだのがパイ・ヘイスティングで、その後リチャード・シンクレアも加わっているが、後年にはマイク・ラトリッジも参加しているから見事にCaravanとソフト・マシーンの初期のメンツが全て関わったバンドになっている。面白いのは60年代中期前後のバンドなので、英国ではいわゆるビートバンド=ビートルズやストーンズ、キンクスやフー、初期のムーディーズなどが出揃った頃に出てきているが、見事なまでにブルースに影響は受けておらず、下手したらR&Rにも影響を受けていないのかもしれない。もっともカバーしてるからそれは無いが、人によっては多分あまり絡んでない気もする。どちらかと言えばそれよりもジャズに親しんでいたような節も大きく、その辺りはカンタベリー周辺でそれなりにミュージシャン気質やセンスある連中が集まったからそれぞれの好みは別として一緒にやっているような雰囲気か。故に実に多彩なバリエーションに富んだ作風が立ち並び、いわゆるマージービート系のサウンドとは全く異なる。同時代でこの差は凄く、明らかにThe Wilde Flowersの連中のセンスはキレキレに感じる。
そんな初期のデモテープ集が纏められて、日本でもその伝説のバンドの音源が発掘されたとばかりに話題になって1994年にリリースされた「Tales of Canterbury」が自分もワイルド・フラワーズとの最初の出会いで、今ではその拡張盤がリリースされてもっとディープなソースが収録されているらしいがそれはまだ未聴。まずはこちらを改めて聴いているが上記に書いた通りにマージービートとは全く異なり、それよりもロバート・ワイアットのあの哀愁漂うボーカルも若い頃からそのまま。明るい曲を歌っているのにモノ悲しく聞こえるのもどうかとは思うが個性的な歌声なのは確か。その意味ではポップソング+サイケシーン風味を漂わせた曲が多いが、音色やアレンジあたりには後のカンタベリーシーンの姿をチラホラと垣間見れる部分もあるのである程度カンタベリーに慣れてから耳にすると面白さが増すだろう。

久々にカンタベリーシーンの音に触れたが、やはり心地良い音のソフトさを味わえた。プログレバンドとして知られているからなかなか手が出せてなかったり、カンタベリーの意味不明な世界に触れるのをためらっているならその偏見は全て捨て去ってCaravanの中期の傑作あたりにどんどんと手を出すべきだろうし、マッチング・モウルやロバート・ワイアットのソロ作品でも良い。その辺りなら手を出して聴けなかったと言う事もなかろうし、ともすればカンタベリーの傑作が良く分かるかもしれない。やや演奏に比重を置いた傑作ならハットフィールド・アンド・ザ・ノースあたりに手を出すのも分かりやすいような気もするがそれ言うと何でもありになるので、軽快な歌ものとして聴ける範囲からが良い気がする。そのカンタベリーシーンの源流とも呼ばれるバンドにワイルド・フラワーズがあり、カンタベリーシーンの全てのルーツはここに集約されるのでご紹介。
The Wilde Flowersは1963年にホッパー兄弟が組んだバンドで、そこにはロバート・ワイアットがボーカルで、ケビン・エアーズも参加していて、歌う時にはロバート・ワイアットがドラムに回っている。ロバート・ワイアットが歌専門の時はロバート・コフランが在籍していた。ブライアン・ホッパーはギターからサックスに回ってしまったり、ヒュー・ホッパーはここでベースに馴染んだという話だが、そこに絡んだのがパイ・ヘイスティングで、その後リチャード・シンクレアも加わっているが、後年にはマイク・ラトリッジも参加しているから見事にCaravanとソフト・マシーンの初期のメンツが全て関わったバンドになっている。面白いのは60年代中期前後のバンドなので、英国ではいわゆるビートバンド=ビートルズやストーンズ、キンクスやフー、初期のムーディーズなどが出揃った頃に出てきているが、見事なまでにブルースに影響は受けておらず、下手したらR&Rにも影響を受けていないのかもしれない。もっともカバーしてるからそれは無いが、人によっては多分あまり絡んでない気もする。どちらかと言えばそれよりもジャズに親しんでいたような節も大きく、その辺りはカンタベリー周辺でそれなりにミュージシャン気質やセンスある連中が集まったからそれぞれの好みは別として一緒にやっているような雰囲気か。故に実に多彩なバリエーションに富んだ作風が立ち並び、いわゆるマージービート系のサウンドとは全く異なる。同時代でこの差は凄く、明らかにThe Wilde Flowersの連中のセンスはキレキレに感じる。
そんな初期のデモテープ集が纏められて、日本でもその伝説のバンドの音源が発掘されたとばかりに話題になって1994年にリリースされた「Tales of Canterbury」が自分もワイルド・フラワーズとの最初の出会いで、今ではその拡張盤がリリースされてもっとディープなソースが収録されているらしいがそれはまだ未聴。まずはこちらを改めて聴いているが上記に書いた通りにマージービートとは全く異なり、それよりもロバート・ワイアットのあの哀愁漂うボーカルも若い頃からそのまま。明るい曲を歌っているのにモノ悲しく聞こえるのもどうかとは思うが個性的な歌声なのは確か。その意味ではポップソング+サイケシーン風味を漂わせた曲が多いが、音色やアレンジあたりには後のカンタベリーシーンの姿をチラホラと垣間見れる部分もあるのである程度カンタベリーに慣れてから耳にすると面白さが増すだろう。
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