Massacre - Killing Time

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Massacre - Killing Time (1981)
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 そもそも才能あるミュージシャンなのに、それに加えて他の才能も開花させる事から次なる事業や商売を始めてそれなりに成功もする場合もあるから面白い。単なるリスナーとしてはその他の、と言う点はさほど興味も持たなくて良いだろうが、来歴を漁ったり調べたりすると当然その辺の事も出てくるから詳細を把握するまでには至らないものの、サイドビジネス活動やその人の取り組み、思想や思考がどことなく見えてくる。それによって心理的に嫌いになる場合も実は数多くあるが、それはまたそれで個人のお話だからアルバムや音楽性とは切り離して捉えておこう。そんな真意から自身の熱意がそのまま商売になり、かなりの成功を収めたとも言えるいわゆるレコメン系の創始者クリス・カトラーは元々がヘンリー・カウのドラマーだった事はよく知られているが、今回はその手前のお話。

 ヘンリー・カウからアート・ベアーズへと流れどちらも積極的な活動がままならなくなった時にクリス・カトラーはレコメンレーベルを立ち上げて自身達の不遇な環境打破のために他のアーティストや意思を持った活動を支援する方向に向いたが、前衛芸術家思想の強かったフレッド・フリスはニューヨークに渡り、今では名が通っているビル・ラズウェルとフレッド・マーと共にトリオ編成でのMassacreなるバンドを結成して1981年にアルバム「Killing Time」をリリースしている。ニューヨークに渡って2年してからのアルバムリリースなだけあって、スタジオ音源とライブ音源が混ざっているアルバムだが、冒頭のスタジオ音源を聴いた瞬間から正に80年代の音、と笑ってしまうのは今ならではの話。こんな前衛的なバンドの音でも80年代のあのドラムの音が出されている事に驚きとその影響の大きさを感じ、更にその音からしたら実にマッチしない前衛的なハードでアグレッシブなインプロプレイが炸裂する楽曲に戸惑いを感じた。鋭角的なギタースタイルは相変わらず、そこにビル・ラズウェルのこちらも積極的に攻めてくるベースプレイが見事にマッチして、若干18歳のフレッド・マーの食いついていくドラミングも合わせてのテンションの高さが売りの目を離せないスタイルはファーストアルバムならではの気合かもしれない。

 スタジオ音源での妙なバランスとは変わり、数多く収録されているライブ音源の方が当然ながら緊張感も高く、インプロビゼーションそのままを楽しめるが、どこか間延びした雰囲気が出てしまうのは即興だからこその味わいだろう。良くも悪くもその緊張感を作品として聴くかライブ感として捉えるかの違いはあるが、このテンションなら勢いでライブ感を味わえるのは間違いなく、全編インストに近く、スリリングな演奏性は当然ながら、当時流行していたフュージョンの流れは皆無、ロック側ではこういうインスト演奏ものはさほど多くもなかったから随分新鮮で刺激的なセッションだったと思われる。ある種、キング・クリムゾンの歌なしでジャムりまくっている姿に近く、更にテンション高くぶつかりあっている、言うならば60年代末期〜70年代のロックが持っていた音のぶつけ合いそのままが聴けるとも言える。この後90年後半になってからはレコメン系では知られているThis Heatのチャールズ・ヘイワースが参加してこのユニット自体は継続しているが、この辺りからレコメン系のメンバーとバンド名のワケの分からなさが深くなり探求するには相当の労力が必要となっていく。





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フレ
Posted byフレ

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