Kate Bush - The Other Sides

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Kate Bush - The Other Sides (2019)
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 歴史の古いアーティストやバンドとなるとそのまま埋もれさせておくには勿体無い、重箱の隅を突いて多々音源を発掘すればそれは商売になる、それも古いカタログと抱き合わせてファンがある程度満足するような作りで出せば良い金額で売れるのは既に分かっているからレコード会社もそういう機会をいつも狙っているのかもしれない。ただ、言われるようにそこまで商魂溢れるリリースばかりでもないだろうし、倉庫整理やカタログ整理、もしくはアーティスト側での音源整理などもあるのかもしれないが、そんなきっかけが何かあってそういう商売になっている場合も多い気がする。

 永らく音信不通だったKate Bushも単にリリースペースを落として活動していたとする向きもあるし、引退しながら復活してのリリースだったとの解釈もあり、その辺は気分の話になるのかもしれないが、2018年にそれまでの全てのアルバムを初めてリマスタリングしてボックスセット「REMASTERED PART 1 」「REMASTERED PART 2」でリリースした事で大きく話題となった。また本人もそのリマスタリングに関わっていたから現役で活動している人との再認識も出来たが、話題はそこに留まらず、未発表曲やレア音源、発掘音源などがディスクにして4枚に収録されており、音質的な面よりもそれらの珍しい楽曲群を聴きたい、聴いてみたいとの欲望を持つリスナーも少なくはなかった。そんなリスナーを満足させるかのように2019年になって「The Other Sides」なるその4枚だけを切り出したセットがリリースされている。多くのレアな楽曲群はそこまで古い代物でもなく、80年代前後くらいからの音源が主になっているのでもっとも興味深い70年代のレアなソースは耳に出来ないが、それでも貴重な音源がこれでもかとばかりに収録されているのはありがたい。

 やたら期待ばかりして聴き始めるが、自分的にはその辺り以降のケイト・ブッシュの作品はそこまで深く聴いてないのも事実で、なるほど、こういう楽曲もあるのか、そんなアレンジやリズムで攻めてきたか、とのイメージが強く、それ単体で感激極まるようなものではないのはある。だからこそ珍モノなワケで、それを凌駕したクォリティならきちんとリリースされていたハズ。さりとてケイト・ブッシュのクリエイティブな作品が立て続けに並び、改めて彼女の音楽的探究心の深さとセンスを感じる曲も多く、これらが70年代風のアナログ的なアレンジや音の質感だったらどれだけ良かった事か。そんな事も含めてそして評判は様々あれどジャケットも良いセンスだし、収録されているソースも良質だし、何ら悪くない音源集でお気に入りは「Un Baiser D'enfant」のような如何にも70年代風なケイト・ブッシュらしいスタイルを感じる一曲。







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フレ
Posted byフレ

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