Belle & Sebastian - Tigermilk

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Belle & Sebastian - Tigermilk (1996)
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 ハードなロック、ブルージーなロック路線こそが本道だと思って聴いていた自分的にはソフトなギターポップ系は全く本流に乗ることはなく、あくまでもそういう音楽があるという程度の認識でしかなかったが、深掘りしている時期には英国フォークやアコースティックの流れも当然英国音楽の源流だし、そこから出てきたThin LizzyもあるしZeppelinだってそういう路線は持っているから侮れず、お勉強的にも聴いていたから琴線に触れるサウンドも多く、それはそれで鋭いセンスがないと出来ないし面白いと思っていた。そんなところにポップとは別世界でこんな音があるのかと実は驚きながら密かに好みを無視して聴いていたのがBelle & Sebastian。

 1996年のBelle & Sebastianファーストアルバムながらも大学の課題制作アルバムとして作られたと言うから時代はかなり進んでいるが、後の当然メジャーからきちんとリリースされた「Tigermilk」。そのアマチュアレベルの作品ですらこのクォリティとは一体どれだけの才能なのだろうとすら思うが英国はそういうセンスの発掘が凄い。更にこのバンドはアートセンスも高いからアルバムジャケットの統一性が美しく、それはファーストアルバムから貫かれていて余計にセンスの良さに感嘆する。そこに収められているサウンドも一貫して変わらず、必要な音が必要な所にきちんと散りばめられていて、ちょっと聴けば英国フォークセンスの尖ったバンドかと思いながら、時代的には新たなインディポップバンドとして語られたりもしてて、混乱した記憶がある。自分のロック歴からしたらこういう音はフォークサウンド、トラッドフォークあたりからの進化系で70年代のマイナーなバンド郡とアプローチは同じなのでそういう要素が強いと思っていたら、シーンではネオポップ的に売れていたらしく、かなり持ち上げられていて、どういう解釈して良いか分からなかった。その辺りが英国の深い部分で、今じゃスミスはともかくながらキンクスまで引き合いに出されるセンスの塊のバンドのような扱い。なるほど、そういう解釈も出来るか。

 Belle & Sebastianはどのアルバムを聴いてもフォーク的エッセンスに加えてのポップさとロックさ、したたかなメロディセンスとクールなラインが奏でられててその実ひたむきな姿勢が伝わってくるアルバムばかりなので、正直ほとんどのアルバムをリアルタイムで買い続けていた。何度聴いても掴みどころがなく、不思議な感触を持ちながら結局制覇出来ないバンドだったが、今久々に聴いていてもそのセンスの鋭さに驚きつつ、どう解釈して良いか困るのは相変わらず。ただそのままクラシックなバンドの音として捉えれば良いのかもしれないが、あまりにもセンスが良すぎる。そんな不思議さを持つバンドはほぼ見当たらないので、またハマってみようかなと密かに思っていたりもするが、かっこよいアルバム。凄いな。



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フレ
Posted byフレ

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