Stevie Salas - The Electric Pow Wow

0 Comments
Stevie Salas - The Electric Pow Wow (1993)
B00005FOFG

 それぞれが持つエネルギーやパッションを解き放つ手段にロックやファンクがあって、そこに才能が重なれば音楽を集団として発散出来る機会に恵まれる。所詮の根本は同じだからさほどその形態に偏見を持つ必要はないが、今度は好みの話が出てきて、あれはこれはとなり、ここまで細分化された今の時代になればそれこそ無限の音楽が溢れているから自分のベクトルに合致する音楽に出会えるかどうかというお話。もっと言えば、メジャーどころはその最大公約数でしかないから、そこから微調整していくと多分自分に合致したバンドやアーティストや楽曲には出会えるだろう。ただ、それは自分がそのバンドが出している音を聴いて、その感性に合っていけるかどうかしかなく、自分だけの感性があるならそれはミュージシャンになる人だ。

 Stevie Salasは1990年にアルバムデビューしているが、その前にパワーステーションスタジオに入り浸って仕事していた若者で、そこでジョージ・クリントンに見出されてとの話だが、そのスタジオ時代のおかげで、今回のアルバム「The Electric Pow Wow」に参加しているような多数のミュージシャンをゲストに迎える事が出来ている。先のある若者がアルバムデビュー直後にレーベルとトラブって解雇、自力で再出発と奮起するもなかなか上手く進まず、それでも才能を知っているミュージシャン方々は彼の頑張りに応えてあげたいとの想いもあっただろう、そんな背景が見える「The Electric Pow Wow」、1993年作品。絶品モノはグレン・ヒューズの凄まじいボーカルだろうし、リッチー・コッツエンのギターか。チープ・トリックチームはきちんと名前でバンドを支えてくれるし、ザック・ワイルドも若き獅子そのままで懐かしさすら漂うプレイ。T.M.スティーブンスのベースもブリブリで息が合ってる所が伺えるが、スティービー・サラス本人のギターもかなり絶品プレイで見事にファンクロック的な味わいを出しているのは嬉しい。

 半分以上がオリジナルだが、カバー曲多数のためカバーアルバムかと思っていたが、豪華ゲスト陣にはカバー曲で存分に馴染んだ曲を楽しんでもらい、オリジナルはそのまま、ただしカバー曲の方のアレンジがオリジナルに酷似しているのでアルバムを通して聴いてても違和感なく、普通にサラスの熱っぽい作品として聴ける傑作。かなりの温度の高さが感じられるのはロックだからか。やはり自分はロックが好きなんだな、とつくづく実感したが、サラスはファンクとロックを併せ持ったオトコなので純粋にロックと言われない。面白いものだが、定義は曖昧だから自分的に熱くなれればそれで良し、こういうの、良いな。



関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply