Electric Sandwich - Electric Sandwich

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Electric Sandwich - Electric Sandwich (1972)
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 辺境の地に於けるハードロック、しかも70年代ならではの何でもアリ的なグチャグチャの世界観を若さとエネルギーで放出しまくっているスタイルは面白い。アメリカや英国はどこか根っこがしっかりしてるからルーツも発展性も筋道が見えるが、辺境の地のロックはそういうスジがない。だからその時々の英米にあったロックがそのまま影響を与えていて、若者たちはそこからスタートして元々自分が持っている国民的民族的センスと掛け合わせた独自サウンドの解釈が飛び出してくるので個性的になる。言い換えると根のないロックだが、やる気とエネルギーと表面上のスタイルはしっかりと持っているユニークなサウンドが出来上がる。

 1972年にドイツから出てきたElectric Sandwichもその類のバンドで唯一アルバム「Electric Sandwich」がリリースされているが、いわゆるジャーマンハードとはちょいと異なり、もうちょっとブルース・ロック的と言うのかスペイシー的と言うのかジミヘン的側面が強いと言うのか、ジミヘンからの影響はかなり受けているギタースタイルとエフェクト感はあるが、音楽そのものはどこか根なしな正にジャーマン・ロック的な音だから面白い。バンドの音はかなり上手い部類に入るだろうから、このまま英米に出ていってもユニークなサウンドとして捉えられたような気もする個性的なアルバムで、妙に起用なアレンジやパートが突如として放り込まれる楽しさもあり、この辺は英米では出てこないアレンジだろうとすら思う。

 ファズギターに熱い歌声、さらにサックスが響き渡る不思議さも兼ね添え、ジャジーなムードすら漂わせるハードロック調のスタンスはふと英国のCatapillaを思い出した。全くロックの世界は広い。ジャーマン・ロックもそれなりに漁っていたつもりだったが、まだまだこんなカッコ良いバンドの存在がクローズアップされてくるのだから堪らん。決して万人にオススメする代物ではないが、70年代ゴッタ煮的ロックが好きな方々には朗報、今更書くなくらいに知られているのかもしれないが、素晴らしき作品。







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フレ
Posted byフレ

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