Judy Dyble - Enchanted Garden

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Judy Dyble - Enchanted Garden (2004)
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 先日ジュディ・ダイブルが亡くなったとの報を聞き、少々感傷的になってしまった。普段はミュージシャンや有名な方が亡くなってもさほど何かを感じる事もないが、ジュディ・ダイブルさんの場合は直接ツィッターでやり取りした事もあったので、どことなく近所のお婆ちゃんが亡くなった的な感覚にはなった。ジュディ・ダイブルさんはマメにウェブやブログ、ツィッターも自身の作品や名前が出てくるのをチェックしているようで、引っ掛かると見ているらしい。ウチのブログでも何度かジュディ・ダイブルさんも登場しているが、その度にサンキューメッセージをもらってて、最初はびっくりしてこちらも「Thank you」程度しか返さなかったのが、次は「日本語のブログなのに読めてるんですか?」と訊いてみたら「グーグルで翻訳して読んでるわ。私の50年分のキャリアで楽しんでくれると嬉しいわ。」と返ってきたので、嬉しくなってしまって。60年代末期のFairport Convention初代ボーカリストでDawnレーベルのTrader Horneの名作「Morning Way...」のボーカリスト、そしてイアン・マクドナルドの元カノで当然アルバムにも参加していた、強烈なのはあのクリムゾンの「風に語りて」のボーカリストのジュディ・ダイブルさんだから当然ロックファンからしたら伝説の女性です。それが気軽にツィッターで会話出来ちゃう時代で、しかも向こうから声掛けてくれるなどと畏れ多い経験をさせてもらって。きっと素敵な英国のお婆ちゃんだったのだろうと勝手に想像しながらジュディ・ダイブルさんの作品を幾つか聴いていたところ。

 2004年に本作「Enchanted Garden」をリリースするまではホント、ジュディ・ダイブルさんの歌声を聴けるアルバムは60年代末期の作品程度で、幻だったのでそんなソロアルバムをリリースするなど、あまり考えられなかった。21世紀になって数多くの英国の幻のミュージシャン達がバンド復活やソロ名義でシーンに復帰しているので、時代の流れもあるだろうがこうしてまた手作りながらも作品を出してくれて歌声を聴かせてくれるのは嬉しかった。本作は流石に21世紀の作品だからか昔のフォークソング一辺倒な事はなく、もっと先端の、と言うか浮遊感溢れるサウンドに美しき歌声が流れ出てくる不思議な作風で、どれでも温かみは感じられる胎内にいるかのような音。40年ぶりにシーンに登場してきてこれだけの妙なサウンドが奏でられるのはやはりミュージシャンな人だと思う。久々に復帰作で色々と苦労もあっただろうし、勇気も必要だったろうがこれを機に以降続々とアルバムをリリースしてくれたのでまだまだ楽しめるアイテムはたくさんある。折角だから徐々にじっくり聴いていきたいし、それこそがジュディ・ダイブルさんに対して失礼のない作品との向き合い方だろう。

 2019年頃から肺癌と闘っていたらしいが、今の時代71歳などはまだ若い部類に入るし、それでももうじきリリースされる予定の作品もあるようなので最後の最後まで音楽と向き合って作品作りをしていたと聞く。十分に満足な人生を歩んだと思って逝ってくれていれば良いなと願いつつ、ご冥福をお祈りします。

R.I.P Judy



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フレ
Posted byフレ

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