Humble Pie - Natural Born Bugie

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Humble Pie - Natural Born Bugie (1991)
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 英国のバンドがアメリカで売れる、成功するのはロック黎明期ではあった話だが徐々にアメリカも自らでロックを生み出し始め、英国のビッグバンドとはちょいと趣の異なるスタイルでのロックが出てきつつあった。もっともポップス目線で言えばロックなどに頼らずともアメリカではカントリーにブルーグラス、ブルースにR&B、加えてのポップスやソウルなどと様々な人種による音楽が満ち溢れていたから、そこにわざわざロックの類が入り込む余地が多くなかったのもあるだろうか。英国のロック連中はその隙間に見事にハマり込んだのかもしれない。

 Humble Pieも早い時期からアメリカに進出して成功を遂げたバンドのひとつになるが、その手前のSmall Facesからの流れで組んだばかりの頃はImmidiateレーベルからのリリースだった事からプロモーション的には地味な部類だったようだ。その後は売れ線ロックバンドになっていったが、このイミディエイト時代はハンブル・パイの歴史でもまだ方向性の定まらない初期の時代として知られている。個性はともかく、時代の流れをそのまま受け継いでの楽曲ばかりだが、個々人の才能は当然弾け出ていたからバンドの力量は証明済みと言う面白いバンド。そのイミディエイト時代の初期2枚のアルバムに加えてシングル曲「Natural Born Bugie/Wrist Job」を筆頭に、最初期を網羅した決定盤として1991年に「Natural Born Bugie」が未発表ボーナストラック系を11曲も加えてリリースされている。

 ファーストシングル「Natural Born Bugie」のカッコ良さこそがHumble Pieと言わんばかりに味が出まくってて単純な3コードのR&Rだからかアルバムには未収録のまま。一方アルバムを聴いていると少々パンチが足りないのでオリジナリティの探求とどちらが良かったのかは微妙ではあるが、本作のようなコンピレーションが出てくれるとそういった過去を払拭してくれるのはありがたい。未発表系のボーナストラックはそりゃそうかと思う出来映えが多いので納得する面も多いが、「Natural Born Bugie」は出さなきゃならない一曲だったろう。後年のぶっ飛び具合に比べりゃ大した事はないが、シンプルなR&Rはいつでもカッコ良い。





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フレ
Posted byフレ

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