MC5 - High Time
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MC5 - High Time (1971)

ロックの熱気は50sが一番だろうが、その後は70年前後が最も熱かっただろうと後世から見て思っている。50sはプレスリーがロックンロールを世間に示した事でブームが最高潮になり、それを支えていたジャズ上がりのテクニカルなミュージシャン達がその奏法を各方面に進化させてのロックンロールだったから安定していた。その後勢いと若者の代弁的な側面だけがクローズアップされた頃に60年代のマージービートが英国から出てきた。アメリカはこの頃はまだ保守的で50sを引きずってのシーンだったように思うし、元々カントリーとポップスが主流だからロックンロールが入り込む余地が大きくなかったのかもしれない。ただ、アングラではエネルギーが蓄積されていて、そのひとつにニューヨークのアートシーンがあったような印象。
MC5の1971年リリースの3枚目のアルバム「High Time」にしてバンドは解体し、伝説のガレージバンドとなった。一般的にはファーストの「Kick Out the Jams」の印象が強く、またそのガレージパンク性も突出しているから当然そういうバンドの印象が強い。ファーストアルバムをナマナマのライブで出してくるのも規格外とは思うがそれでいてあの勢い。おそらくはあのエネルギーを普通のスタジオ録音では再現出来なかったからああなったように思う。そこから数年後の本作はスタジオ内でMC5らしいサウンドを録音できるようになったのか、そこまで知られてはいないながらの大傑作に仕上がっている。熱さ勢いだけで言えばライブ・アルバムに敵うハズもないが、いわゆるアルバムとして聴いてみればこの熱気とスタジオワークの上手さ、さらに当然ながらの音の迫力や録音の丁寧さと楽曲のバリエーションの豊富さとアレンジ具合。なにせガレージパンクバンドがホーン・セクションやピアノでのロックンロールだから恐れ入る。そういう概念が無かったからこそ何でも取り入れて良いと思うものは取り入れたのだろう。
全編真髄からのロックンロールそのまま。どうアレンジして聴かせようが本質的なロックンロール具合は何も変わらない。ちょいと音量上げて聴いてみれば自然にリズムを取りたくなる曲のオンパレードにエグいギタープレイ、ハートフルな歌に快適なビート、ナマで見たいと思わせるライブ感とスリリングなスタイルとどこを斬ってもMC5の狙い通りに録音されているアルバム。メンバーは心身共にボロボロでドラッグ問題も抱えていたようだが、ミュージシャンだったのだろう、作るべきものはきちんと作り上げて今でもカッコ良いと思わせてくれるレベル。ロックってのはこういうので良いんだよ。

ロックの熱気は50sが一番だろうが、その後は70年前後が最も熱かっただろうと後世から見て思っている。50sはプレスリーがロックンロールを世間に示した事でブームが最高潮になり、それを支えていたジャズ上がりのテクニカルなミュージシャン達がその奏法を各方面に進化させてのロックンロールだったから安定していた。その後勢いと若者の代弁的な側面だけがクローズアップされた頃に60年代のマージービートが英国から出てきた。アメリカはこの頃はまだ保守的で50sを引きずってのシーンだったように思うし、元々カントリーとポップスが主流だからロックンロールが入り込む余地が大きくなかったのかもしれない。ただ、アングラではエネルギーが蓄積されていて、そのひとつにニューヨークのアートシーンがあったような印象。
MC5の1971年リリースの3枚目のアルバム「High Time」にしてバンドは解体し、伝説のガレージバンドとなった。一般的にはファーストの「Kick Out the Jams」の印象が強く、またそのガレージパンク性も突出しているから当然そういうバンドの印象が強い。ファーストアルバムをナマナマのライブで出してくるのも規格外とは思うがそれでいてあの勢い。おそらくはあのエネルギーを普通のスタジオ録音では再現出来なかったからああなったように思う。そこから数年後の本作はスタジオ内でMC5らしいサウンドを録音できるようになったのか、そこまで知られてはいないながらの大傑作に仕上がっている。熱さ勢いだけで言えばライブ・アルバムに敵うハズもないが、いわゆるアルバムとして聴いてみればこの熱気とスタジオワークの上手さ、さらに当然ながらの音の迫力や録音の丁寧さと楽曲のバリエーションの豊富さとアレンジ具合。なにせガレージパンクバンドがホーン・セクションやピアノでのロックンロールだから恐れ入る。そういう概念が無かったからこそ何でも取り入れて良いと思うものは取り入れたのだろう。
全編真髄からのロックンロールそのまま。どうアレンジして聴かせようが本質的なロックンロール具合は何も変わらない。ちょいと音量上げて聴いてみれば自然にリズムを取りたくなる曲のオンパレードにエグいギタープレイ、ハートフルな歌に快適なビート、ナマで見たいと思わせるライブ感とスリリングなスタイルとどこを斬ってもMC5の狙い通りに録音されているアルバム。メンバーは心身共にボロボロでドラッグ問題も抱えていたようだが、ミュージシャンだったのだろう、作るべきものはきちんと作り上げて今でもカッコ良いと思わせてくれるレベル。ロックってのはこういうので良いんだよ。
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