Vinyl - Music From The HBO Series

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Original Soundtrack - Vinyl - Music From The HBO Series (2016)
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 アマゾンプライムで適当に映画見たりドラマ見たりするのも普通になってきた世の中と思ってるし、自分もそうなっているが、コンテンツの充実さや見たいものがそこまで各局に揃っているかは良く分からない。知らない情報の方が多いから、またそれを率先して情報集めするほどのものでもないからあるものから選ぶだけで十分と適当に考えている。その中でこの「Vinyl」が面白そうだと特に前情報も気にせず見始めてしまった。気になった理由はマーティン・スコセッシがミック・ジャガーをパートナーに迎えての70年初頭のニューヨークのロックシーンを描いたドラマだからと、本ブログ読者なら気になるのは同じだろう。モノの見事に雰囲気を醸し出しての熱気はさすがマーティン・スコセッシ、凄いなと思うし、作り物なのに作り物に見えないようなロックムービーに仕上がっていると思う。そこらでの評価がどうかは知らないが自分的には全10話都合11時間みっちりを3日程度で見ていた。

 マーティン・スコセッシの作りも当然ながら、ミック・ジャガーがどこまで楽曲チョイスやシーンの再現に関わったのか分からないが、なるほどそういうセンスかと楽しめる。50sのロカビリーやドゥーワップ、ブルース系統の楽曲群はミック・ジャガーチョイスからだろうなと推測しながら、当時のニューヨークの音楽シーンやアンダーグラウンドな、いわゆるチェルシーホテルやマクシムズカンサスシティ周囲のウォーホール一派あたりにはミックも顔出してただろうから細かいアドバイスもしてただろう。物語は1968年頃から1972年頃までと狭い範囲ながら密度の濃い時代を描いていてニューヨーク限定と思われるが基本フィクションにその時代背景が紛れ込んでくるので面白い。はじめからニューヨークドールズで、最後もドールズ周辺で締め括るが、途中途中が超絶ユニーク。その頃のバンドやミュージシャンは大抵名前も出るしそっくりさん的なキャラも登場するし、ピーター・グラントやパーカー大佐、アーメット・アーティガンまで名前が登場するくらいだから相当のロックファンでもニヤリとしちゃうだろう。アトコレーベルが云々やジミヘンジャニスジムモリソンウッドストックな単語は普通、スレイドMC5あたりも出るしZeppelinは超笑える。名前出せないのは見れば分かるような姿でキャラが出てくるからそれも面白いし、とにかくその辺を知ってる人なら笑えるし、知らなくてもこういう雰囲気だったのか、と思える。事実がどうだったかは知らないが、音楽ビジネス側から見た描き方なので大人的にも面白いし、そこかしこで見られるロックシーンの現実のオマージュも楽しめる。

 自分もそれなりにはロック知ってる気がしてたけど、これ見ると全然知らないのも分かった。リアルで時代を通ったアメリカ人達はこういう感覚だったのだろうし、正にニューヨークのシーンで何が起きていた、MC5がいたがラモーンズはまだこれから、ドールズ全盛期ちょい前くらい。ヴェルヴェッツが解体した頃からグランドファンクがアメリカン・ロックを取り戻した時代。とにかく熱気が凄い。バンドもレーベルも全てが古臭いくせにこの熱さ。こんなのに人生賭けてたら命持たないだろうとも思うし、これをカッコ良いと思っててもアホだろうが、それでもロック、好きです。





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フレ
Posted byフレ

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