Tom Keifer - Rise

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Tom Keifer - Rise (2019)
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 ハードロックあたりまでの世界でシーンに登場してきたミュージシャンの多くがブルースやカントリーに戻って来るかのようなサウンドを引っ提げてシーンに返り咲くケースが多いように思う。アメリカ人のみならず、な所が面白いが、アメリカ人のその傾向は当然強い。それもギタリスト連中は概ねその辺りに戻ってくる感じだ。音楽的にもギター的にも基本の中の基本だから結局装飾された音を排除して素に戻るとブルースやカントリー辺りの音になるのかもしれない。その意味ではヘヴィメタルはそうならないから独自性が強い。

 Tom Keiferはご存知80年代後期のLAメタルシーン、ヘアメタルシーンから出て来たように言われるシンデレラのボーカリストだ。そもそもシンデレラなどと呼ばれるバンド名に問題があるが、ジーン・シモンズに発掘されたミュージシャンで、そうなっているから良くも悪くも才能は認められていたハズ。売り方の問題はあったが、それでもシーンの潮流に乗って売れたから悪い事でもなかろう。ただ、イメージはつきまとうからそこからの離脱が難しかったかもしれない。シンデレラでも2枚目くらいからは既にブルースロックなアルバムをリリースしていたので早い時期からブルース・ロックへの傾倒を示していた。目ざといリスナーはそういう理解を示しているはずだが、2019年になりトム・キーファー名義でのセカンドアルバム「Rise」をようやくリリースしてきた。

 これがまたユニークな取り組みで、ブルースハードロックでもあり、ブルージー風味なハードロックとも言えるありそうで無かった、その中間を抜けていくようなアルバムに仕上がっている。歪んだブルース、と言うのか、歪み方と曲がハードロックテイストでフレーズがブルース、雰囲気もブルース、歌声はしゃがれ声系そのままだから味わい深いし、案外しっかりと聴き応えのあるアルバムになってるので、ハードロック、ヘヴィロックリスナーでも聞けるし、変わった感触の新鮮なブルース風味を味わいたいリスナーでもイケる。やはり歌声の強さが大きいか。この時代にこの年齢でアルバム出してくる程だからよほどの作品だと考えて良いだろう。見事な作品。







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フレ
Posted byフレ

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