Ace Frehley - Ace Frehley

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Ace Frehley - Ace Frehley (1978)
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 バンドを脱退してのギタリストのソロアルバムとバンドに在籍しながらのソロアルバムとは当然ながら大きく意味合いも異なるし、なぜか出来映えにも大きく差が生じるのだろうか。それともまるでそれは関係なく、単純に才能やシーンへの感性やセンスだったりするだけかもしれない。狙いがあって創る作品と生きるために創る作品ではスタンスが異なるのも当然だが、得てしてバンド在籍中のソロアルバムの方が良作を出してくるケースが多い。それはバンドが売っているアルバムの枚数から売れる枚数が読めるから売る側も力入れやすいのもあるだろう。大人の事情が絡むといろいろなことがネジ曲がる。

 KISSは1978年をメンバーのソロアルバムリリース年間としてメンバーそれぞれがソロアルバムをリリースしており、その画期的な視点、ビジネス感覚、そして個性の発揮と新鮮さ、斬新さを市場に示して飽きさせないKISSの懐を示したが、中でもAce Frehleyのソロアルバム「Ace Frehley 」が一番評判が良い。次がPeter Crissなのも面白い話だが、エース・フレイリーの初ソロ・アルバムとなった本作は、冒頭からノリも良く、グルーブも感じられる曲でスタートして、KISSで聴かれるキャッチーさやハードロックさも当然エース・フレイリーお得意のプレイをそのまま感じさせて、確かに充実した曲を立て続けに聴かせてくれる。そしてギターソロもキッスとは異なる、ギタープレイヤー的なスタイルで弾いているのでこの頃には衰退しつつあった古き良き70年代のハードロックスタイルバンドそのまま。サミー・ヘイガーでもボーカルに仕立ててたらそのままバンド組んでただろうと思えるくらいに快活で凝った部分もある傑作アルバムに仕上がっている。

 バリエーション豊かな人だ。R&R的なドライブ感も楽曲のアレンジの程良さも粒の揃い具合も良く出来てる。KISSのようなポップさはあまり見当たらないから、そのセンスは他の二人だったのか、エース・フレイリー単独になるとR&Rに近づく気がする。ただ、曲によってはキッスそのままと思えるから、ポールやジーンとキッスでやろうぜ、などと冗談で言っててもおかしくない出来映えの作品もある。そしてギターの音色の豊富さも良く出来てて、なるほどプロデューサーにエディ・クレイマーを起用していたのか…、納得のアメリカンロック。





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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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おーぐろ  

当時は他のメンバーのソロみたいにいろんなコトをやりすぎなかったのが
受けた要因かもですね 
ラス・バラードの「New York Groove」もありますけど 

2020/06/09 (Tue) 19:48 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>おーぐろさん

おかげで他のメンバーのも聴き直すことに…

2020/06/13 (Sat) 13:54 | EDIT | REPLY |   

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