Roger Waters - Mother
2 Comments
Roger Waters - Mother (2020)
コロナ禍で世界が大人しくしている最中、ロジャー・ウォーターズもそのやるせない状況から幾つか楽しめる話題を提供してくれて、一番の期待は「Us+Them」のツアーフィルムのリリースだ。その前に宣伝の意味もあるだろうが、ピンク・フロイド時代からの名曲「Mother」をリモートセッションする姿をYouTubeでも見せてくれた。その年老いた姿は古くからのファンにも時代を感じさせる生々しい姿だが、誰でも歳を取るのはこういう事だと改めて実感する。
その「Mother」セッションは正直言って自分でも何を期待していたのか分からないが、そりゃこのままだろうよ、と思った程度。いつもの大掛かりで完璧なショウを展開するツアーのライブを幾つか目にしていれば、リモートワークでのセッションもさほど難しいように思われないし、バンドが観客の熱気を糧にしてパワーアップしてマジカルな瞬間を作り上げるタイプでもないから淡々と、いつものように完璧なセッションが行われた、との印象だ。実際それはかつてあまり試された事のない手法だからプレイする側のチャレンジ精神は素晴らしいが、出来上がった作品を見るとそんな印象。だからと言って「Mother」が悪いハズもなく、やはり染み入る曲だと再度実感したのはある。だから宣伝でしかないのは承知の上、何を期待していたのだろうか、と。
同じようにコロナで亡くなったアメリカのカントリーシンガーのジョン・プラインへのトリビュートの意で録音配信された「Paradise」も気持ちは判るし、おそらくロジャー・ウォーターズにとっての師でもあった面もあるだろうが、どうにもピンと来ないアコースティックシンガーソングライターな映像。そりゃ単なるトリビュートだから当たり前だが、その意味ではロジャー・ウォーターズに求めるものは、やはりあの壮大で確固たる意志を表明する硬派な重さと芯の強いパフォーマンス力だったのかと。ショウマンシップ、とも言うべきかもしれないが、だからこその世界上位に入るエンターティナーの覇者と呼ばれる理由だ。その素のままの姿がこうして見られるのも貴重だがありがたく見られないのも少々自分が悲しい。あまりにも完璧すぎるからかもしれないが、それでもロジャー・ウォーターズ的には随分遊びを入れてのセッションだったと思われるので、次元が違うのだろう。
1979年のピンク・フロイドをまたじっくり聴くのが一番だ…。
コロナ禍で世界が大人しくしている最中、ロジャー・ウォーターズもそのやるせない状況から幾つか楽しめる話題を提供してくれて、一番の期待は「Us+Them」のツアーフィルムのリリースだ。その前に宣伝の意味もあるだろうが、ピンク・フロイド時代からの名曲「Mother」をリモートセッションする姿をYouTubeでも見せてくれた。その年老いた姿は古くからのファンにも時代を感じさせる生々しい姿だが、誰でも歳を取るのはこういう事だと改めて実感する。
その「Mother」セッションは正直言って自分でも何を期待していたのか分からないが、そりゃこのままだろうよ、と思った程度。いつもの大掛かりで完璧なショウを展開するツアーのライブを幾つか目にしていれば、リモートワークでのセッションもさほど難しいように思われないし、バンドが観客の熱気を糧にしてパワーアップしてマジカルな瞬間を作り上げるタイプでもないから淡々と、いつものように完璧なセッションが行われた、との印象だ。実際それはかつてあまり試された事のない手法だからプレイする側のチャレンジ精神は素晴らしいが、出来上がった作品を見るとそんな印象。だからと言って「Mother」が悪いハズもなく、やはり染み入る曲だと再度実感したのはある。だから宣伝でしかないのは承知の上、何を期待していたのだろうか、と。
同じようにコロナで亡くなったアメリカのカントリーシンガーのジョン・プラインへのトリビュートの意で録音配信された「Paradise」も気持ちは判るし、おそらくロジャー・ウォーターズにとっての師でもあった面もあるだろうが、どうにもピンと来ないアコースティックシンガーソングライターな映像。そりゃ単なるトリビュートだから当たり前だが、その意味ではロジャー・ウォーターズに求めるものは、やはりあの壮大で確固たる意志を表明する硬派な重さと芯の強いパフォーマンス力だったのかと。ショウマンシップ、とも言うべきかもしれないが、だからこその世界上位に入るエンターティナーの覇者と呼ばれる理由だ。その素のままの姿がこうして見られるのも貴重だがありがたく見られないのも少々自分が悲しい。あまりにも完璧すぎるからかもしれないが、それでもロジャー・ウォーターズ的には随分遊びを入れてのセッションだったと思われるので、次元が違うのだろう。
1979年のピンク・フロイドをまたじっくり聴くのが一番だ…。
- 関連記事
-
- Roger Waters - Us + Them
- Roger Waters - Mother
- Pink Floyd - The Later Years (1987-2019)