Clearlight - Clearlight Symphony

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Clearlight - Clearlight Symphony (1975)
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 70年代はまだミュージシャンの数や職場が見える範囲にあって、誰と誰が一緒に仕事している、感性が似ているから一緒に合わせてみよう、などの実験的な出会いや紹介が人間関係から出来ていた時代。だから狭い世界だったとも言えるのかもしれないが、日本でもフランスでもその進歩は英国やアメリカからしたら遅かったためもっとアナログな関係性が優遇されていたかもしれない。フランスのエマニュエル・ブーズの作品にも同時代に参加していたクリアライトなるバンドはキリル・ヴェルドーのソロプロジェクトのバンド名義だが、このアルバムジャケットも見た事があるだろう。どこかスペイシーながらも実はかなりグロくないかとも思えるジャケット、このセンスもなかなかユニーク。

 Clearlightの1975年リリース作品「Clearlight Symphony」は明らかにマイク・オールドフィールドの「Tubular Bells」の影響が大きい作品にも感じるし、同時代のトム・ニューマンのアルバム「Faerie Symphony」でも聴かれるような作風、すなわちミニマルミュージック的で浮遊感もありスペイシー感も漂う美しいインストアルバムだ。本作ではゴングのメンバーも参加しているので、あれこれ見ているとなるほどゴングの「You」の時代のメンツが被ってくる、となるとスペイシー感も納得する一方で、クリアライトの個性はこれらの英国先進サウンドの集大成を作り上げてフランスからリリースした功績だろうか。それ以上に美しく仕上げている才能は素晴らしいし、今でも語り継がれている作品を生み出したのだから十二分に楽しめる。ただ、いつもの事ながら自分的にはここまで来るとロックじゃないから普段から聴く作品にはならない。それが好き嫌いかとなれば好きではないが。

 流れからこうして聴いていると音楽的になるほど、そうなるのか、メンバー的にもそうなるのか、と色々な意味で納得してしまうのはルーツを漁っている習性から出て来る発想。そこから新しいサウンドに出会い、刺激を受けるから本作もその意味でこの手の音を纏め上げた作品に手を出した事もないので新鮮だった。ただ、聴いているとここまで美しく音楽的な作品よりもゴング聴きたくなってきたのは悩ましい。スパッと書けばじっくり聴くには高尚すぎるし、BGMとして聴くには何も残らないアルバムなので、多分音楽的に取り組んで聴く作品。



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フレ
Posted byフレ

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