Wave - Me And Reality

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Wave - Me And Reality (2017)
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 果たしていつまでこのポーランド勢のプログレッシブ・ロックの波は続くのだろうか。もう20年近く突出したプログレフィールドのロックバンドが続々とシーンに登場しているし、全てが残ってはいないが中には当然重鎮バンドも出てきている。それが今でもまだ続いているのだからポーランドの底力は面白い。更に書けば最初期のポーランド的プログレッシブサウンドから今に至るまで本質的にどこも変わらないままポーランドスタイルが貫かれている点だが魅力的。

 Waveは2017年に「Me And Reality」でアルバムデビューしたバンドだが、往年のポーランドプログレッシブバンドの例に漏れず、儚くも美しいサウンドに耽美的でもありつつ激しくアグレッシブな姿勢も持ち得たスタンスでシーンに登場してきた。形容詞的にはフロイド調として用いられるが、決してそのようなサウンドだけでもなく、自分的にはポーランド的重さと美しさ、更にメランコリック調なメロディを内包した繊細なスタイルを奏でる儚きバンドと認識している。決して力強い面が出て来るバンドではなく、脆くも壊れそうなサウンドに包み込まれている作風が耳に残るし、ジャケットを見てもそのような感触を味わえるように、そのまま闇の中から手を伸ばして助けを求めるかのようなロックが収められている。

 ロック…、根本の部分がロックな気がするからそう書いているが、これも歴史的背景が大きく影響している気もするし、それ言ったらポーランド全部がそうなるが、ロックのスタンスと歴史が上手く表現として似合っているように思う。日本的でもあるが、悲しいのはそこから新たなスタイルがなかなか生まれにくいあたりかも。実際どうかは分からないが、それでもポーランド的なサウンドと一聴して分かるのだから、個性を獲得しているシーンか。普通ならすぐに飽きてしまうこの辺りの音だが、じっくりと聴いて味わえる深みがこの新人バンドの中にもあるのだから面白い。この辺に馴染むとアメリカの音楽と正反対だなと音楽の広さを感じる。





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フレ
Posted byフレ

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