Nightwish - Human. :||: Nature
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Nightwish - Human. :||: Nature (2020)
![ヒューマン・ネイチャー[キャリア初2枚組CD+インストゥルメンタルCD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)]](https://m.media-amazon.com/images/I/41pdt9XWKfL.jpg)
新作を待ち遠しく待って聴くバンドも今となってはそれほど数多くはない。Nightwishはその数少ないバンドのひとつで、さすがに大物感もあるから毎年アルバム出す事もなく、果たしていつ頃アルバムをリリースするのか、そのタイミングすらも掴めないままの日々が長らく続く。その間には大抵ワールドツアーやイベントへの出演などとリリースしたアルバムを最大限売る努力をしてくれるし、リスナーとしてもライブの模様を楽しみ、それをまたリリースしてくれるので間が持つ楽しみ方も慣れてきている。そうこうしているウチに新作リリースの報が流れ、現実の音源を聴くまでの妄想に浸る日々が楽しめる。
Nightwishの2020年リリース基本2枚組ながら普通3枚組で入手するだろう「Human. :||: Nature」。Nightwish史上初の2枚組と言われてもボーナストラック付きやボーナスディスク付きが普通に出ているので、全然ピンと来ない。今回も一枚目は普通に新作アルバム、2枚目はツォーマスの趣味全開ソロアルバム、3枚目は1枚目のインストバージョンとこれまでのボーナスディスクと同じ流れ。このインストバージョンもターヤ脱退後のアルバムから付けられており、他のボーカリストの歌声で聴きたければそのインストアルバムでカラオケやっててくれ、との意だったと想像しているが、そのうちに実はバックの楽曲だけでも相当凝っていてバンドとしての面白さを示せた事から定番のボーナスディスクになったように思う。まさか新作のインストアルバム郡にターヤが歌を入れて返してくれるハズもなく、アネット時代のインストトラックにフロールが歌を入れるでもなく、またどこかの嬢ボーカリストが歌を入れてYouTubeで公開してくれるでもなく、そういう存在としてアルバムに付随している印象。今回もそこは変わらず、バンドの迫力ある演奏そのままを味わえる代物として存在している。
そして1枚目、通常の新作アルバムだが、正直行ってどうやって聴いて良いか戸惑い、何度も何度も聴いた。どこかにNightwishが伝えたいサウンドがきちんと入っているハズだからそれを理解しなきゃ、理解したい、と考えて探しながら何度も聴いていたと言うべきだろう。冒頭数曲と幾つかの楽曲はこれまでのNightwishの延長線上にあるメタリックでメロディアスな作品なので馴染みやすいが、その他があまりにもバリエーションに富み過ぎていて悩まされた。フロール参加と同時にメンバーとなったイリアン・パイプ担当のトロイの存在がここに来て重みを増しており、そもそもイリアン・パイプなる楽器が普通にメタルバンドの楽器陣営として存在しうるのか、そこまで必要なのか、との疑念もあった中、この変貌は凄い。フォークメタルと呼ばれる民族チックなジャンルもあるが、ナイトウィッシュがそこに向かうワケもなく、このイリアン・パイプをどう活用するのか、その回答のひとつが本作にも出てきている。確かに新たなる世界とサウンドの創造を果たしているが、失ったものと言えばフロールの圧倒的にパワフルな歌声とバンドのメタル度合いやロック度合い。ただ、進化系として納得は出来るし、パワー不足になったと言ってもそこらのバンドの比じゃないので、これまでのナイトウィッシュを思うならば、との前書き付きでの話。この音の深さと広がりを認識しないまま、メタルバンド最高峰の、とイメージを持って聴くと多分理解できない。自分も好き嫌いで言えばさほど好きな部類の音には入らない。ロック感、疾走感、躍動感に欠けるし、これまでのナイトウィッシュ感を求めていたからだ。しかし、そうじゃないとすれば?自分が求めている音楽よりも更に高みに進んでいるならば、いずれ自分でも好むかもしれない。そんなに難しい事考えて聴くのがロックではない。もっと素直に感じられれば良いスタンスもある。ただ、そうバサッと切り捨てられないから悩ましい。
ディスク2に至っては完全にツォーマスの世界で、全編インストネオクラシカル作品。元々ディズニーのサントラ辺りを目指していたツォーマスなら何らおかしくはない荘厳且つ高尚で繊細な音世界が紡がれているので、本ディスクこそ音量を上げて世界に没頭すべきかもしれない。自分的にはこういう音楽を作り出せる才能にはとことん脱帽するが、好みじゃないので恐らくもうそれほど聴かないだろう。ライブでこれ丸ごとやって凄かったらどうしよう、と不安もあるが、そこまで思える自信はない。どこまでナイトウィッシュは突き進んで行くのだろうか。フロールが参加したばかりのライブ近辺が最も興奮度が高かった時代かもしれない。そんな複雑な思いを抱きながらもまたディスク1から聴いて攻略しているのだからよほど好きなバンドである事に疑いはない。
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新作を待ち遠しく待って聴くバンドも今となってはそれほど数多くはない。Nightwishはその数少ないバンドのひとつで、さすがに大物感もあるから毎年アルバム出す事もなく、果たしていつ頃アルバムをリリースするのか、そのタイミングすらも掴めないままの日々が長らく続く。その間には大抵ワールドツアーやイベントへの出演などとリリースしたアルバムを最大限売る努力をしてくれるし、リスナーとしてもライブの模様を楽しみ、それをまたリリースしてくれるので間が持つ楽しみ方も慣れてきている。そうこうしているウチに新作リリースの報が流れ、現実の音源を聴くまでの妄想に浸る日々が楽しめる。
Nightwishの2020年リリース基本2枚組ながら普通3枚組で入手するだろう「Human. :||: Nature」。Nightwish史上初の2枚組と言われてもボーナストラック付きやボーナスディスク付きが普通に出ているので、全然ピンと来ない。今回も一枚目は普通に新作アルバム、2枚目はツォーマスの趣味全開ソロアルバム、3枚目は1枚目のインストバージョンとこれまでのボーナスディスクと同じ流れ。このインストバージョンもターヤ脱退後のアルバムから付けられており、他のボーカリストの歌声で聴きたければそのインストアルバムでカラオケやっててくれ、との意だったと想像しているが、そのうちに実はバックの楽曲だけでも相当凝っていてバンドとしての面白さを示せた事から定番のボーナスディスクになったように思う。まさか新作のインストアルバム郡にターヤが歌を入れて返してくれるハズもなく、アネット時代のインストトラックにフロールが歌を入れるでもなく、またどこかの嬢ボーカリストが歌を入れてYouTubeで公開してくれるでもなく、そういう存在としてアルバムに付随している印象。今回もそこは変わらず、バンドの迫力ある演奏そのままを味わえる代物として存在している。
そして1枚目、通常の新作アルバムだが、正直行ってどうやって聴いて良いか戸惑い、何度も何度も聴いた。どこかにNightwishが伝えたいサウンドがきちんと入っているハズだからそれを理解しなきゃ、理解したい、と考えて探しながら何度も聴いていたと言うべきだろう。冒頭数曲と幾つかの楽曲はこれまでのNightwishの延長線上にあるメタリックでメロディアスな作品なので馴染みやすいが、その他があまりにもバリエーションに富み過ぎていて悩まされた。フロール参加と同時にメンバーとなったイリアン・パイプ担当のトロイの存在がここに来て重みを増しており、そもそもイリアン・パイプなる楽器が普通にメタルバンドの楽器陣営として存在しうるのか、そこまで必要なのか、との疑念もあった中、この変貌は凄い。フォークメタルと呼ばれる民族チックなジャンルもあるが、ナイトウィッシュがそこに向かうワケもなく、このイリアン・パイプをどう活用するのか、その回答のひとつが本作にも出てきている。確かに新たなる世界とサウンドの創造を果たしているが、失ったものと言えばフロールの圧倒的にパワフルな歌声とバンドのメタル度合いやロック度合い。ただ、進化系として納得は出来るし、パワー不足になったと言ってもそこらのバンドの比じゃないので、これまでのナイトウィッシュを思うならば、との前書き付きでの話。この音の深さと広がりを認識しないまま、メタルバンド最高峰の、とイメージを持って聴くと多分理解できない。自分も好き嫌いで言えばさほど好きな部類の音には入らない。ロック感、疾走感、躍動感に欠けるし、これまでのナイトウィッシュ感を求めていたからだ。しかし、そうじゃないとすれば?自分が求めている音楽よりも更に高みに進んでいるならば、いずれ自分でも好むかもしれない。そんなに難しい事考えて聴くのがロックではない。もっと素直に感じられれば良いスタンスもある。ただ、そうバサッと切り捨てられないから悩ましい。
ディスク2に至っては完全にツォーマスの世界で、全編インストネオクラシカル作品。元々ディズニーのサントラ辺りを目指していたツォーマスなら何らおかしくはない荘厳且つ高尚で繊細な音世界が紡がれているので、本ディスクこそ音量を上げて世界に没頭すべきかもしれない。自分的にはこういう音楽を作り出せる才能にはとことん脱帽するが、好みじゃないので恐らくもうそれほど聴かないだろう。ライブでこれ丸ごとやって凄かったらどうしよう、と不安もあるが、そこまで思える自信はない。どこまでナイトウィッシュは突き進んで行くのだろうか。フロールが参加したばかりのライブ近辺が最も興奮度が高かった時代かもしれない。そんな複雑な思いを抱きながらもまたディスク1から聴いて攻略しているのだからよほど好きなバンドである事に疑いはない。
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