Sleep Eazys - Easy to Buy, Hard to Sell

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Sleep Eazys - Easy to Buy, Hard to Sell (2020)
Easy to Buy, Hard to Sell

 アメリカのルーツ音楽を耳にするといつもその懐の深さに驚く。ブライアン・セッツァーやマイク・ブルームフィールドもそのルーツ・オブ・アメリカン・ミュージックへの望郷からギタープレイを習得してアルバムやライブで披露してくれていたが、ジョー・ボナマッサもその道筋を辿る時期が来たようだ。これまでもいくつかのプレイを見たり聴いたりした中で、とんでもなく幅の広いギタリストの側面は感じていたが、ここで目一杯アメリカン・ミュージックに舵を切った作品をリリースしてきた。

 プロジェクト名をSleep Eazysとしてアルバム「Easy to Buy, Hard to Sell」を2020年にリリースしての意欲作。ボナマッサの師匠でもあり友でもあったダニー・ガットンのプレイを踏襲しての様々な楽曲カバーを含むどこからどう斬ってもアメリカンミュージックなギタープレイとバンドサウンドを届けてくれた。ここまで遡ると好き嫌いではなく、ルーツとしての音楽に対する尊敬の念しか出て来ない。お得意のブルースやロックプレイ的なギターはほぼ封印しつつ、単純にアメリカンギタープレイだけでもなく、やはりどこかロックエッセンスを感じるサウンドもありつつのインストアルバム。バンドのメンバーはここ何年も一緒にライブでプレイしている強者揃いの勝手知ったる面々で一丸となった音を聴かせてくれるから安心。ジョー・ボナマッサ名義ではなくプロジェクト名義にしたのはその一体感と各人の役割と仕事量を評価しての作品だったからとも思えるほどにバランスの良いアルバム。

 案外ガツンガツン来る所は不思議で面白い。アメリカンミュージックだからカントリーチックでもあるし基本乾いたサウンドばかりで、ギターの音色もバンジョーの音もリズム隊の質感も全て土の香りと色味を感じる作風。インストアルバムながらも一気に味わえて聴けてしまうのもポップミュージックとは少々異なる景色で、アルバムジャケットがその情景を楽しませてくれるか。使われているギターも様々だろうと想像が付く音色の豊富さ、そしてスプリングの音がギシギシしてそうなアンプサウンドも心地良い。自然な姿での音だから馴染みやすい面はあるだろう。快活で聴きやすく、ギターもバンドアンサンブルも楽しめる見事なアルバム。さすが。






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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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おっさん  

ジャケットがダニー・ガットンの
「Unfinished Business」に似てますね。

2020/04/27 (Mon) 14:46 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>おっさん

確かに!同じ建物かもしれないですね。

2020/04/28 (Tue) 20:36 | EDIT | REPLY |   

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