Ministry - Psalm 69: The Way to Succeed & The Way to Suck Eggs

2 Comments
Ministry - Psalm 69: The Way to Succeed & The Way to Suck Eggs (1992)
Psalm 69: The Way to Succeed & The Way to Suck Eggs by Ministry

 70年代からヨーロッパ諸国、主に知られているのはドイツだが、明らかに実験精神旺盛な音楽的アプローチが出て来て、それとなくシーンにニッチながらも評価されたので世間に知られる事となり、時代と共に神格化されていった。バンド側からすれば儲からないし知名度が多少上がった所で何も変わらないからさほど気にしていなかっただろう。ただ、それらをどこかで耳にして衝撃を受けるリスナーが世界中に広がり、そこから新たな融合が始まるからそのオリジネイター的立ち位置として更に神格化され、今度は実収入になる部分もあるのかもしれない。そうしてロックのシーンは繋がっていくのは面白い。昔からルーツを漁ると今が分かると言われるが正にその通り。

 1992年のMinistryがリリースしたアルバム「Psalm 69: The Way to Succeed & The Way to Suck Eggs」はドイツで鬱屈していたインダストリアルサウンド系とメタル・スラッシュメタルを組み合わせる事で更に躍動感溢れるインダストリアルメタルを生み出した。ラムシュタインも似たようなアプロチーチだったが、ミニストリーの場合はもうちょっとアメリカ的に人間味があると言うか商業主義的にキャッチーさも掴んでいる。インダストリアルと言う割にはメタルの熱さがミックスされているから端的に冷淡な音になっていない。これはリズムや音の処理もあるだろうが、この辺りの加工の仕方やシーンへの出し方がアメリカらしく実に上手い。マイナーな音だったものをアメリカで洗練させて出しちゃうと売れた、と言う音世界は多数ある。だからUSミックスが異なる、と言われるアルバムや曲が多数あるのも納得できるだろう。アメリカのその仕事ぶりはホント素晴らしい。インダストリアルですらこれだけメジャーに売ってしまうのだから。

 そのミニストリーの「Psalm 69: The Way to Succeed & The Way to Suck Eggs by Ministry」は耳にしてみれば分かるように正にインダストリアルでメタルな音そのまま。今じゃ誰もが耳にした事あるサウンドかもしれないが、当時は斬新でメタルシーンにも一石を投じていたらしい。そりゃそうか。こういう音があったから90年代のアメリカは退廃的なシーンにも映ったのかもしれない。他にも幾つか目立ったバンドもあるし、そういう見方でアメリカの90年代を見てなかったから新しい眺めを楽しんでいる。







関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 2

There are no comments yet.
akakad  

これ大好きです
まさにごつくて退廃的な世界への入り口でした
この後大半のメタルも聞けるようになったり自分の現在に大きくつながるアルバムです

2020/04/10 (Fri) 22:45 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>akakadさん

おぉ…、そういう入り口でしたか。自分は完全に後からでしたが、リアルだったらかなりインパクト合ったと思うので、分かります。ホント色々なのあるなぁ、とつくづく想いながら開拓してます(笑)。

2020/04/11 (Sat) 09:46 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply