Radiohead - The Bends

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Radiohead - The Bends (1995)
The Bends [国内盤 / 解説・歌詞対訳付] (XLCDJP780)

 90年代に英国から出て来たギターバンド、と言うのかオルタナティブなギターバンドの数々も今となってはそれぞれの個性を伸ばしてシーンに食い込んでいったように思える。オアシスやブラー、そしてレイディオヘッドなどはどれもこれも同じ類のバンドとしてしか認識していなかったし、さほどまともに通ってもいない。ロックらしいギターバンドと言うのでもなく、軟弱なギターバンドな印象が強かったし、それは70年代のロックバンドからするとまるで異なる世界感を出してきたからだろう。リアルタイム時には飛び付かなかったし聴かされてもピンと来なかった。

 Radioheadの1995年2枚目のアルバム「The Bends」。U2的な、とのイメージも強かったのは「Creep」の影響だろうが、本作はまだレディヘがそのオルタナギターバンド路線を残していた時期の作品。アルバムを順番に聴いていないので、バンドの進化をきちんと抑えてはいないが、ある種ボウイと同じで常に新鮮な刺激を求めて自らが常に進化している点は分かる。それがリスナーに受け入れられていたかどうかはあるが、それでも信者は多数いるし、独特のネガティブ的印象がウケたのだからこの時期世界は病んでいた。アメリカでも退廃的なものがウケていたし、英国でも然り。その中でアーティスティックな美しき陰鬱さが顕著に出ている曲もあり、冷静にアルバムを聴いてみればかなり多様なサウンドが詰め込まれている事に気づく。かなり素晴らしいアルバムじゃないか?と。

 さすがにこれだけ年月経ってから聴くと良いところや狙っているサウンドやバンドの方向感も分かってくるし、後の活動もチラチラと知っているから変化が見えるし、なるほどこの頃は試行錯誤もしつつ脱却を目指しての音作りだったかとも思う。面白いのは今自分が聴いていると、すんなりとその芸術性の高さに入り込めて、ロック的概念が邪魔しない事だ。実に美しいアルバムに聴こえるのは自分でも意外な印象。





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フレ
Posted byフレ

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