U2 - The Joshua Tree (Live at MSG 1987)

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U2 - The Joshua Tree (Live at MSG 1987)
ヨシュア・トゥリー(30周年記念盤~デラックス)

 ロックの歴史からしたらまだまだ若造バンドとしか見られていないU2ですら既に40年のキャリアを誇っているのだから、自分的感覚が間違っているに他ならない。それでも、ストーンズもエアロもいるのだから80年前後に出て来たバンドはどうしても新しいロックバンド、第三世代のロックバンドの位置付けだ。それは何かが劣っている意味でもなく、単に第3世代、と云うだけ。その後のロックシーンを見ればU2的サウンドなるジャンルすら出来上がっているくらいにひとつのターニングポイントとなるバンドである事は間違いない。それどころかロックの金字塔を幾つも打ち立てているバンドだし、メンバーチェンジなしにここまで巨大化し、長期的にバンドが継続している例も多くない。アイルランドが世界に誇るロックバンド、U2の名作中の名盤「The Joshua Tree」の30周年記念盤のボーナスディスクの2枚目に収録された1987年9月28日にマディソン・スクェア・ガーデンで行われたライブを聴いていた。

 殊更U2のライブを年代毎に聴いていく程のマニアでもないが、U2の場合はそれぞれオフィシャルでライブアルバムなり映像がリリースされているので、自ずとそれなりにはライブの様相を知る事が多い。しかし70年代のバンドとは異なり、アドリブが年代で異なるでもなく、曲のアレンジが大幅に変わる事もないので、ひたすらにそのライブの熱気と楽曲順と構成の違いになる。映像がある場合はステージセットや仕掛けによって観客を魅了してくれる。今回のMSGライブは音源だけで、その前の20周年記念盤の時にはパリのライブが付けられていたので、このパターンでまた来たか、とやや物足りなさ感も覚えたが、それでもオフィシャルからリリースされるライブアルバムは音もバランスも良いし、当然オフィシャルがリリースするレベルのクォリティを保持しているから安心出来る。

 人気爆発期のU2のライブ、多分初のMSG公演と思うが、既にスタジアムを制圧するレベルのライブが繰り広げられているのは音を聴いていても何となく分かってくる。今でも同じようなセットでデカい会場を盛り上げているのだから当然と言えば当然か。どこかまだ初々しさは漂うものの、大物感の余裕さも聴ける。更に素晴らしいのはバンド内の熱気の高さに尽きる。上り調子のロックバンドならではの唯一無二のパフォーマンス性とバンドの一体感。自信に溢れたライブは他の追随を寄せ付けない迫力を誇る。そんなライブがただただ繰り広げられているが、幾つかの曲がオミットされているのは何かしらの問題があったか、収録時間の都合か、やや勿体無くも感じるが、その分ライブアルバムとしては纏まっている。YouTubeで映像を見る限りボノは左腕にギブスをしている状態で歌っていてこの出来映えとは如何に。逆境だからこそのパフォーマンスかもしれないが、なるほど伝説になるライブと言われるワケだ。

 久々にU2のライブにも触れたがロックバンドのカッコ良さに加えて人間的な情感にも触れられるのはいつもの事か、素晴らしいライブがこの頃から繰り広げられていたと実感した一枚。





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フレ
Posted byフレ

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