Rory Gallagher - Fresh Evidence

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Rory Gallagher - Fresh Evidence (1990)


 今でも時々あるが、一時期はどっぷりとアイルランドのロックや音楽にハマっていた。ロックが入り口だったが、そこからケルトやフォーク、民謡あたりをひたすら遡り、一方ではゲイリー・ムーアやフィル・リノットに代表される熱い熱いプレイスタイル、魂の叫び的なトコロも漁っていた。その前からロリー・ギャラガーも聴いていたし、好きだったからその辺りを知るとそれぞれ色々な点が繋がって来てアイルランドミュージックのイメージが自分なりに出来上がった。そんな探求の仕方も面白かったし、そこに文学や文化、歴史の概念を入れ込むとアイルランドのミュージシャンの根底に何があるかを理解できる部分も増えて、聴くのも楽しくなる。

 Rory Gallagherの1990年リリースの最終スタジオアルバム「Fresh Evidence」。当時はほとんど聴いていなかったので、リアルタイムで通りつつもスルーしてたのが勿体無い。この頃は70年代のロリーをひたすら聴いてたので、このアルバムを聴いたのはそこから10年以上後だったと思う。そして今もまた聴いているが、1990年にこんな普通のロックやってた事に驚いた。至って普通に、70年代から大して進化していないギター中心のR&Rスタイルそのまま、多少音色に変化があったり、多様な楽器を使ったりしているものの、根本的にはそのままのスタイルを貫いている。どちらかと言えば以前よりも人間的に丸くなったのか、疲れてきたのか、落ち着いた感が漂う違いがある程度。それでも今となっては味のあるカッコ良さにも聴こえるので面白い。それ言ったらストーンズだって90年にあんなロックやってるのも同じだし、ロリーもその意味では変わらないレジェンド。

 シンプルで力強くて飽きの来ないカッコ良さがある。ギターが鳴ればアクの強いプレイが聴けるし、歌を聴けば相変わらず魂からの叫び声が聴ける。生々しい感情が歌とギターから漏れてきて、聴いている側の心を刺激される、そんな作品。このアルバムに限った事じゃないが、ロリー・ギャラガーの作品はそんなアルバムだ。曲の出来映え云々を問われる事もあるが、それを超越してしまう魂のプレイがリスナーの心を掴むのだ。ロリーが他界したのは1995年なので、その5年前にリリースされた作品。その間にもっと録音素材を用意してくれていれば、とも思うが、それでもライブアルバムが多々リリースされているからまだまだ楽しめるだろう。本作も地味ながらしっかりした作品なのでまだまだじっくり聴き込むべきアルバムはある。





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フレ
Posted byフレ

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