Lucifer - Lucifer III

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Lucifer - Lucifer III (2020)
ルシファーIII

 時代は一気に飛んで2020年、ロックが70年代だと言いつつ今の時代からしたら50年前の話。しかし今でも70年代を愛するロックバンドもまだまだ数多く、若手でもそのテイストを維持したバンドが出てきている。俗に云うストーナー系がそこに当たるのだろう。もっとも単なるオマージュだけでなく、現代的なエッセンスが入っているので、安直に同じ音を出してもいないから面白い。雰囲気と曲構成やエッセンスだけ持ち込んでいるのも書くのは簡単だが、実際どこをどうやって持ち込むのかとなるとなかなかセンスに懸かっている気もする。そればかり聴いていればそんな音しか出せないだろうが、若いキャリアの中でそこまで出せるかと。するとやはりセンス、なのだろう。

 Luciferの2020年リリース三枚目の作品「Lucifer III」。ヨハナ姫の歌声はかなり好きなので、新作は常に気にしていたバンドのひとつ。とは言ってもそこまで聴き込んでいるバンドでもないので、雰囲気が好きで聴きやすくて歌声の魅力が好みというだけだ。今回もいつも通りに70年代エッセンスバリバリの作風が立ち並び、そこにヨハナ嬢の妖しいボーカルが入り込み、艷やかに攻め立ててくる。バックの楽器陣営の音は生々しいストレートな楽器そのものの音でラフなアプローチ感も好ましい。自分でも出来ちゃうかも、と思わせるレベル感がロックの取っ付きやすさでもあろうから、こういうバンドは必要だ。皆が皆ヨハナ嬢になれる事はないから、結局そこがハードルになり新しい世代が出て来る。もうちょっと世界的に出て来ても良さそうだが、そこまでには至っていない。

 はてアルバムはキレの良い、それでいながら怠惰なムードが出せるのは単にボーカルスタイルのゆったりさ加減だろう。改めて聴いていても実にシンプルなサウンド。それでいてメロディはヨーロッパ的な美しいセンスが聴かれるから覚えやすいし印象に残りやすいし、楽曲構成もシンプルだから聴きやすい。特にシングルカットされている楽曲郡は馴染みやすいからアルバムへの誘導にはもってこいのナイスな作品ばかり。面白いバンドだ。





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フレ
Posted byフレ

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