Ben - Ben

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Ben - Ben (1970)
ベン

 ジャズの取り組みをロックバンドに持ち込み、エレキギターを入れて聴かせる作品を仕上げる、すなわち後にフュージョンと昇華されるサウンドと同じ取り組みをしつつも、実際に出て来る音はフュージョンとは似ても似つかず、単純にジャズの進行と音色に歪んだギターが鳴るような仕掛け。それでも70年初頭では斬新な取り組みで、幾つかのバンドが同じような取り組みを試みている。

 1970年に唯一作「Ben」をリリースしたBenもジャズそのものにロックエッセンスを持ち込んでのバンドだ。アルバムは冒頭からテンション高く、スリリングな楽曲と演奏を繰り広げており、正にジャズ・ロックに相応しいサウンドを聴かせてくれる。中期ソフト・マシーン的なサウンドに近いが、もうちょっとロック寄りか。不思議なもので、この手のサウンドになると全編インストでも何ら問題なく聴けるし、飽きる事もなく聴けてしまう。それだけスリリングで聴き所のある音が詰め込まれている証拠だ。

 アルバムジャケットも意味深ながらヴァーティゴレーベルからのリリースと聴けば納得するか。それでもヴァーティゴからこんなにまともなバンドが出て来るのか、と意外性を感じるべきか、随分と革新ながらも真っ当にジャズをプレイしているバンド。ただ、どこまで行ってもジャズ風のアプローチでしかなく、ジャズそのものには成り切れない所も面白い。そのアヴァンギャルド性がヴァーティゴらしいし、ロックバンドたる側面。やはり迫力とパワーをぶつけてくれる面白さを持っている面が面白い。

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フレ
Posted byフレ

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