Nektar - Recycled

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Nektar - Recycled (1975)
Recycled-Deluxe Edition

 英国人ながらも諸外国を渡り歩きながらプロの道に入り、その地で活躍した人やバンドは幾つか知られている。そのミュージシャンが影響された音楽は普通に英国で幼少時代を送った英国ミュージシャンとは異なる影響だったに違いない。すなわちその意味では純粋なる英国ロックとも言えず、ジャーマン・ロックと同様にブルースに影響を受けていない、もしくは直接のルーツに絡まない第2世代のロックの影響下から音楽が生み出されている点が大きく異なる。本日ご紹介のネクターもその意味では英国ロックらしいルーツの影響度をさほど感じないから8割型無ルーツ系に属するのかもしれない。

 Nectarの1975年リリース「Recycled」にして最高傑作として名高い作品。バンド名は多少は知られているだろうか、英国人同士がフランスで知り合ってバンド活動を始めて、ドイツでメジャー契約に漕ぎ着けての活躍ぶり。故に英国風味の強いジャーマン・ロックとでも云うべき存在になっている。音楽的に聴いていても普通に英国ロックな雰囲気もあるにはあるが、もっと硬質でルーツが見えにくい、もしくは同世代ミュージシャンの影響もありそうだ。本作「Recycled」は既に5枚目の作品になるので、十二分にドイツでバンドの地位を確立してからの作品でもあり、かなりカラフルに彩られた喜劇的作風。一般に見られるプログレバンドとは少々趣が異なり、もっと演劇的ファンタジック風味が強い。それは即ちジャーマン・ロックの一部を形成している風潮でもあり、ネクターもその一角を担っっている。

 意外や意外にカラフルさが覆っているので、随分と明るいムードがアルバムを賑わせてて、スペイシーさも聞き取れるし、物語の起承転結も聴ける。それにしてもこのベースとドラムは素晴らしい貢献度を誇っている。当然ながら曲が激しく彩るように出来上がっているが、バンdの演奏も素晴らしく、濃い演奏がみっちりと聴けるのは特徴的。反面優美さには欠けるが、それこそジャーマン・ロック的側面は強く出ているので、モロに間の子的バンド。そのバランスの面白さがネクター、そして本作「Recycled」は70年代を代表するこの手のコンセプトアルバムに挙げられるべき作品。



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フレ
Posted byフレ

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